I.Nさん/59歳

 

【職業】会社員
【受験回数】2回
【受講講座】民法総復習講義、完全網羅!条文マーキング講義 憲法、公開模擬試験 【合格年度の学習開始時期】2019年4月

※プロフィールは、2019年度合格時点のものです。

1 私が行政書士を目指した理由

大学を卒業後会社組織の一員として、身を粉にして働いてきましたが、40代の半ばを過ぎる頃から、組織の歯車として働くことに疑問を覚え、社会貢献に生かせる仕事を模索するようになりました。10年ほど前実母をクモ膜下出血で亡くしてから、高齢者の方々に喜んでいただく仕事で、学生時代に学んだ法律知識も生かせる仕事に携わりたいと考えました。そんな時インターネットで行政書士という資格があることを知り、資格取得を目指して学習することとしました。
 

2 伊藤塾を活用した私の合格法

行政書士になろうと決めたとはいえ、学習方法は全くの手探り状態でした。そこで、インターネットで行政書士試験の合格体験記などを参考に、大手指導校の参考書を取りそろえ、初年度である2018年度は独学で臨むこととしました。学習スタートは、ゴールデンウィーク直前だったと記憶しています。
法学部出身の私ではありますが、卒業以来40年も経過しており、法律知識もかなり錆びついていました。学生時代の知識も曖昧で忘れてしまったところも多数ありました。とはいえ、改めて法律を学んでみると新たな気づきも少なくなく、忘れていた記憶を呼び起こすこと、学習それ自体に喜びを感じるようになりました。
参考書による知識習得を踏まえ、5年分の過去問を繰り返し実施したほか、予想問題集などからの手応えもあり、「これならば何とかなるかも?」と甘い夢をみるようにもなりました。そんな中で迎えた本試験でしたが、結果は174点と詰めの甘さを露呈してしまい、大変なショックを受けました。あれほど過去問をやったはずなのにと、自責の念に駆られました。
と同時に試験に失敗した自分に嫌気がさして、そもそも50代後半で資格試験に挑戦したこと自体誤りではなかったかと自問自答する日々が続きました。このまま諦めるか、再受験するか…。他人が聞けば「飛んだお笑い種」かも知れませんが、一昨年の12月から3か月の間は、なかなか決心がつきませんでした。
そんな折、仕事柄必要な資格とはいえ、私の長男が宅建士の資格を目指していることを知りました。息子も資格取得に挑戦している以上、父親が途中で「放棄」するわけにはいきません。息子に笑われたくないという意地も手伝って、2度目の受験を決意しました。本試験まであと半年となっていました。
2年度目の受験に際し、学習スタイルはどうするか、大いに悩みました。たまたま伊藤塾の無料公開講座が開催されることを知り「物は試し」で受講してみました。行政法の入門編の講義だったと記憶していますが、担当は森講師でした。森講師の巧みなトークと使用している教材に心を打たれ、伊藤塾編「うかる!行政書士総合テキスト」「うかる!行政書士総合問題集」及び「うかる!行政書士直前模試」を買い揃え、テキストと問題集による「反復演習」に取り組みました。
と同時にもはや「背水の陣」と認識し、伊藤塾の行政書士試験対策講座である「完全網羅!条文マーキング講義 憲法」「民法総復習講義」のほか、「公開模試」にも参加させていただきながら、記憶の曖昧なところや間違えたところを丹念にチェックしていくこととしました。
記憶を確実にしていくプロセスは、いつの間にか揺るぎない「確信」に変わるようになり、試験当日も気持ちを楽にして臨むことができました。2年目は200点にわずかに及ばない「198点」で、何とか合格できました。
 

3 私の合格のポイントと反省のポイント

もうすぐ60歳となるということ、また月のほとんどが地方出張で自宅にいるのはほぼ週末だけという事情の中で、勉強時間の確保が最大のポイントでした。
幸いにも早起きが得意なため、勉強時間は「朝型」に特化することとし、毎朝3時に起床し出張前の「朝勉」と、出張時の移動で生じた「スキマ時間」を活用しました。
資格取得に取り組む社会人にとって、勉強時間の捻出と学習時間の絶対量の不足は悩みのタネではありますが、短い時間でゴールにたどり着く習性は、社会人ならではの経験則の賜物でもあり、これを最大限生かしつつ時に割り切って対処してきました。
とはいえ、計画どおり進まないことの焦りは完全には払しょくできず、そんな時は伊藤塾から配信されるメールマガジンの「夢はカナエール」をチェックしながら、逸る気持ちをコントロールさせていました。私にとっては、十分すぎるくらいの「精神安定剤」でした。
 

4 伊藤塾の講師陣について教えてください

森講師の温かいご指導と弁舌爽やかなトークは、ややもすると無味乾燥となりがちな法律学習に対し、十分すぎる栄養素を与えてくださったように思えます。特に初対面の人に対してもニコニコと明るく振舞われる姿勢は、同じ社会人としても大いに参考となりました。ありがとうございました。
また、日本中を熱狂させたラグビー日本代表チームでしたが、元祖「笑わない男」とはこの人を置いて他はないと認識される志水講師には、講師の講義を受講して合格できたと報告させていただき、笑っていただければ幸い(?)と思っています。お世話になりました。
 

5 最後に

「人生100年時代」を迎えつるある今日、また人生の岐路に立たんとしている私にとって、これからは社会貢献を通じて「自分の夢」を再現してみようと考えています。
今回幸いなことに行政書士試験に合格できましたが、既に取得している宅建士や1級ファイナンシャルプランナーやCFP資格も生かし、高齢者の方々に喜んでいただける仕事に邁進したいと思います。その際には伊藤塾で培った学習ノウハウを生かして「特定行政書士」になり、きめ細かいサービスの提供を実践したいと考えます。
なお、行政書士の合格まで2年間にわたって、時に叱咤し時に温かく支えてもらった妻に対しては感謝の気持ちでいっぱいです。この年で合格できたのは、妻の支えもあったからだと再認識しています。ありがとうございました。
最後に、この体験記が資格試験に挑戦される50代の方々へのエールになれば幸甚です。