警察庁:藤山 智将さん インタビュー

警察庁:藤山 智将さん

警察庁 長官官房 人事課 課長補佐
藤山 智将(ふじやま ともゆき)さん

2005年 警察庁入庁
入庁後の略歴/携わった業務 2005年 警察庁入庁 警視庁渋谷警察署・警視庁刑事部捜査第二課(ハチ公前交番での勤務や現場の刑事として凶悪事件を追いかける警察官として原点の日々)
2006年 警察庁長官官房人事課(採用活動に情熱を注ぎつつ、警察の人的基盤を強化するための政策の企画立案に奔走)
2008年 警察庁交通局交通企画課(超高齢化社会を迎え、高齢運転者支援をコンセプトとする道路交通法の改正に従事)
2009年 警察庁長官官房会計課(警察庁・都道府県警察の予算編成を担当し、「モノ」「カネ」で現場を支える仕事に没頭)
2010年 米国コロンビア大学国際公共政策大学院(国際安全保障を専攻し、各国の留学生と共にインテリジェンスや国際テロ対策等を研究)
2012年 警視庁刑事部捜査第一課管理官(殺人事件等の捜査指揮。パソコン遠隔操作事件の指揮官として一大プロジェクトを担当)
2013年 警察庁刑事局組織犯罪対策部組織犯罪対策企画課課長補佐(グローバル社会におけるマネー・ローンダリング対策をさらに進化・発展させるための犯罪収益移転防止法改正に担当補佐として奮闘)
2014年 福岡県警察本部刑事部捜査第二課長(町長らによる贈収賄・官製談合事件、現職議員による公職選挙法違反事件、暴力団トップによる所得税法違反事件の捜査指揮)
2015年 現職

国家公務員を志した理由と、警察庁を選択された理由をお聞かせください。

 世のため人のための仕事をしたいという漠然とした思いから国家公務員を志しましたが、学生時代は民間企業や法曹も含め、幅広く自分が進むべき道を模索していました。その中で、国民の安全・安心を守る警察の仕事は国の礎・根幹を支える仕事である、そして、揺るぎない使命感を持ちながら、正義を貫きながら働き続けることができ、自分の人生を賭するに値する仕事であるという確固たる初志を抱くに至り、警察庁の門を叩きました。

職場としての警察庁の魅力などをお聞かせください。

 「警察庁はいくつになっても正論が主張できる職場だ」というのはある先輩の言葉です。政策を企画・立案し、実行していく際、様々な利害や情念が絡み合います。それを調整していくのは大事な仕事ですが、国民の安全・安心を確保するというミッションを背負っている警察庁では、社会正義の実現を判断基準として、正しいこと、間違っていることを正々堂々と主張していかなければなりません。ぶれない確固たる信念を抱きながら、正義を貫ける職場。それが警察庁です。
 また、我々は、都道府県警察という現場があり、交番・駐在所、警察署、警察本部を始め、全国に張り巡らせたネットワークの中で、現場の警察官とともにこの国の治安を守っています。現場と一心同体で、全国警察のヘッドクォーターとして、常に現場を背負いながら、あるべき治安のグランドデザインを描く職場。これもまた警察庁の大きな魅力です。

これまで従事した業務の中で 印象に残ったエピソードなどをお聞かせください。

 道路交通法改正や犯罪収益移転防止法改正といった法律改正のプロジェクトも心に残っていますが、これまでの警察人生で最も心に残っている仕事は、警視庁捜査第一課管理官の時の仕事です。世間を揺るがしたパソコン遠隔操作事件の4都府県合同捜査本部の指揮官として、100名近い捜査員を率いながら、幾多の困難に立ち向かい、地べたを這いつくばるような地道な捜査に加えて、国際捜査共助を円滑に進めるべくFBI捜査官と膝詰めで交渉したり、民間事業者とオペレーショナルな連携を進めたりするなど、新たな打ち手を次から次に繰り出し、仲間と共に奔走し、結果として事件を解決することができました。
 この捜査は、日本警察のサイバー犯罪捜査の転換点となっただけでなく、政府のサイバーセキュリティ政策を発展させる契機ともなり、現場の捜査が社会に問題提起し、社会を変えていく力、マイナスをプラスに変えていく力を持つのだと実感し、その手触り感のある充実感は、共に闘った仲間達の汗と涙の思い出とともに私の心に深く刻まれています。

学生時代にやっておくべきこと、あるいは、ご自身がやっておけばよかったと思われることがあれば、お聞かせください。

 何でも構わないので、自由な時間を目いっぱい使って何かに一生懸命打ち込んでもらいたい。ゼミなどの勉学や部活・サークル活動、アルバイトやボランティア、旅行などの趣味でも何でもいい。一つのことを一生懸命没頭して取り組むこと。そうすることで、困難な壁にぶつかることもあるだろうし、周囲からの助けに感謝することもあるかもしれない。新たに見えてくる世界があるかもしれない。そういう経験が、広い意味で自分の見識を広げ、人間を磨くことになるのだろうと思います。

警察庁で求める人材の人物像についてお聞かせください。

 こういう人に来てほしいという決まった人物像はありません。多様なバックグラウンドを持った人が、国民の安全・安心を守るというミッションの旗の下に志高く集まることが警察庁という組織を強くすると思っており、そこには、性別、学歴などは全く関係ありません。
 強いて言えば、自らの内にも弱さがあることを認め、それでも夢や希望を失わない人、他人の痛みや悲しみに思いを寄せられる人、正義なきことへの怒りと憤りを胸に抱き、仲間とともに涙することのできる人。そういう人にぜひ警察庁の門を叩いてほしいと思っています。
 
(2015年10月・記)