坂本講師は膨大な人文科学をユーモラスたっぷりに講義してくれるので、必要な事項が効率的に覚えられます。

海上自衛隊(防衛省Ⅱ種)

T.Oさん(23歳)
 

国公立大学法学部卒業
◆最 終 合 格/国家公務員Ⅰ種(法律職)、防衛省Ⅱ種、奈良県Ⅰ種(警察行政)
◆内   定/防衛省Ⅱ種、奈良県庁(警察行政)
◆予定進路先/海上自衛隊(防衛省Ⅱ種)
◆受 講 形 態/在宅インターネット
◆伊藤塾受講講座/
〔入門講座〕国家Ⅰ種法律職本科生+リーガルトレーニング
〔オプション〕行政系4科目セット、併願会計学 

※プロフィールは、2010年合格時点のものです。

はじめに

私は大学入学時から公共性の高い職業に就きたいと考えており、漠然と公務員、中でも国レベルで広く社会に貢献できる国家公務員になりたいと思っていました。
大学1年時に公務員試験について調べ多くの科目を短期間に学習する必要があることを知り、少しでも早いスタートを切ろうと大学2年の春、伊藤塾に入りました。数ある受験指導校の中で伊藤塾を選んだのは、司法試験で定評ある伊藤塾であれば法律科目をみっちりマスターできると考えたことと、受講料がリーズナブルで教材費がすべて含まれていたことが大きな理由です。
実際に入塾してみると、主要科目はもちろんマイナーな科目の対策もきっちりしてもらうことができ、安心感を持って勉強を進めることができました。また公務員試験は就職試験の一種なので情報が大事ですが、講座を受講する中で必要十分な情報が得られたと思います。
なお、私は受験1年目に国家Ⅰ種の官庁訪問に失敗し、2年目で他試験種で内定を得ました。いわゆる再チャレンジ組なわけですが、同じくもう一度公務員試験に挑戦しようと思っている方や当初希望していた官庁から内定を得れなかった方の参考になればと思い、この体験記を書きました。

私がとった勉強方法

(1)専門科目試験(択一式)について

法律科目:講義を聴き、「これ完」などの問題集を解き、出題された条文・判例を「公務員試験六法」(三省堂)でマークしていくというのがオーソドックスな勉強方法かと思います。レジュメはビジュアルで理解することができ、大変わかりやすく復習で重宝しました。また私は法学部ですが、あらかじめ伊藤塾の講義を受講していたことで、大学の専門科目の理解もスムーズになったような気がします。総じて法律科目はあたり外れが少なく、いったん身につければ大きな得点源になると思います。
経済科目:経済原論は理論が大変難しく感じ苦労しました。ただ公務員試験は理論を深くわかっていなくても、計算方法がわかっていれば答えを出すことはできます。一通り講義を聴いて十分内容がわからなくてもとりあえず問題をやってみることが大切です。計算パターンを押さえておけば苦手な人でも本番である程度は稼げます。
行政科目:政治学や国際政治にはもとから関心があり大学でも専攻していたので、個人的には一番好きな分野です。特に相澤講師の講義は、豊富な知識をもとに複雑な事象を簡潔に講義してくれるため、とてもわかりやすく、またテキストも大変見やすかったです。ただ近年、特に国家公務員試験で時事的な要素を混ぜたマニアックな問題が出されることもありますので、必ずしも得点源にしやすいとはいえないかもしれません。

(2)専門科目試験(記述式)について

法律科目:近年は事例問題がメイン(特に国家Ⅰ種)になっており、初めのうちは何を書いてよいのかもわかりませんでしたが、伊藤塾の記述対策を受ける中で、論点の抽出法や理論構成の仕方についての技術が自然と身についたように思います。また記述対策の中でも、そのつど基本事項の確認がなされ、択一の対策にも役立ったと思います。さらに添削を受けることによって自身のレベルを的確に把握でき、自信を持って本番に臨めました。
行政科目:法律科目とは違い、いわゆる一行問題が中心ですが、その分基本事項を正確に覚えて記述する必要があります。といっても特別なことをする必要はなく、伊藤塾のテキストを(記述することを意識して)繰り返し復習することで十分対応できると思います。

(3)教養科目試験(択一式)について

教養試験は範囲が広いうえに出題も限られるため(また多くの場合に配点もそれほど高くない)、どれくらい力を入れるかは人それぞれだと思います。数的処理、人文科学、国家Ⅰ種試験では英語など、出題数の多い科目を中心に勉強するとよいでしょう。講座では坂本講師の講義がよかったです。膨大な人文科学を短時間でユーモラスたっぷりに講義してくれるので、必要な事項が効率的に覚えられます。

(4)教養科目試験(記述式)について

まず当然のことですが、公務員になる以上、新聞やニュースで社会の様々な問題に関心を持ち、自分なりの意見を持つようにすることはベースとして大切です。そのうえで実際書く段階ではやや意外かもしれませんが、自分の主張や個性をあまり強く押し出しすぎない方がよいのではないかと思います。というのも公務員には社会の諸問題をバランスよく調整することが求められますから、一方的な意見や極端な論理構成はあまり好まれません。あくまでも行政官としてどうすべきなのかを記述するものだということです。

(5)面接対策について

もともと話すことが苦手なうえ、これといった正解があるわけでもなく、面接では苦労しました。とはいえ事前の準備は大切です。どのような質問がされるのかをあらかじめ把握しているのとしていないのとでは大きな違いがあります。その点で伊藤塾の「面接対策BOOK」には過去の事例が豊富に掲載されており大変役立ちました。本番でも、「これは『面接対策BOOK』に同じような質問が載っていたな」と思うことが多々ありました。
また、面接も経験を積むことが大事です。選択肢を増やす意味でも積極的に民間企業の就職活動も行うとよいです。民間の志望動機を考える中で、公務員への思いが強まり志望動機が明確化するという経験をよくしました。また私は受講できませんでしたが、伊藤塾の模擬面接を利用することも大変有効かと思います。

(6)官庁訪問について

この段階になってくると適性や相性に左右されることも大きいです。私は国家Ⅰ種で官庁訪問をしましたが、希望官庁から内定を得ることはできませんでした。原因としては自分自身の準備不足もあるかとは思いますが、希望官庁の求める人物像に合わなかったのが大きいのではないかと思います。ただ国家Ⅰ種に限らず、ある官庁でだめであっても他の官庁が評価してくれるということはありますから、あきらめずにくらいつくことが大事です。

自宅での学習と伊藤塾の学習個別フォロー

私はインターネット講義を受講しましたが、それで不便を感じることはありませんでした。むしろマイペースな自分には、好きなときに講義を好きなだけ聴けるこの形態がぴったりだったと思います。 

直前期と試験当日

私は緊張しやすいため試験前にはよく寝られないことが多いのですが、それまで努力し培ってきたものはその程度のことでは崩れません。どんな状態であってもそれまで自分がやってきたことを信じて、全力を出すことに集中してください。もちろん前の日、よく寝ておくに越したことはありませんが。 

合格、内定と進路決定

海上自衛隊(防衛省Ⅱ種)、奈良県から内定をもらいました。もともと日本の安全保障に関わる仕事がしたいと考えていたので、迷わず海上自衛隊に進路決定しました。複数の内定をもらうと迷うこともあるでしょうが、あまり打算的にならずあくまで自分のやりたいことから選ぶのがよいと思います。 

モチベーションの維持について

やはり希望官庁・職種のパンフレットを見たり、業務説明会に参加することがモチベーション維持につながったと思います。

最後に

私は受験2年目で内定を得ることができましたが、その過程で深刻に将来について悩むことが幾度もありました。しかし絶対に公務員になるんだという強い意志と周囲の人の支えで何とか乗り越えることができました。折りしも空前の就職難の時代でもあり、なかなか1回の挑戦で希望進路にたどり着けないかもしれません。むしろ、最初から考えていたとおりの進路に進める人の方が少ないのではないでしょうか。公務員試験は就職活動の一種であり、理屈ではどうにもならないこともありますが、ぜひ選択肢を広げて偶然の出会いを大切にして乗り切ってほしいと思います。
最後に再チャレンジを目指される方もいらっしゃると思いますが、今度こそという闘志を忘れず持ち続けて頑張ってください。必ず試験会場で、1年目より成長したと実感できると思います。自分の目指す道と伊藤塾を信じて最後まで走り切ってください。 

(2010年9月・記)