受験指導校を利用するメリットはペースメーカーとモチベーションの維持です。

経済産業省

S・Y さん
 

合格者イラスト
東京大学法学部4年在学中
●最終合格:  国家総合職
●内定:経済産業省 
●予定進路先:経済産業省 

  受講講座 :〔入門講座〕 国家総合職(法律区分)本科生+リーガルトレーニング

はじめに

大学入学以前から国家公務員を目指していました。はじめは単純な憧れが理由でしたが、大学に入学し進路選択を迫られる中で「自分が死ぬときに、人生をかけて何を残せたのか」という問いに答えるためには、この国の将来世代のために働くことが最も適していると考えるようになり、国家公務員を目指す気持ちを強くしました。
公務員試験のための勉強時間を1年間とりたかったので大学3年の4月に伊藤塾に申し込みました。 受験指導校を利用するメリットは、 ペースメーカーとモチベーションだと思います。特に勉強しはじめの初期にはモチベーションの維持に役立ったと思います。 

私がとった勉強方法

専門試験(多肢選択式)について

私の公務員試験対策は専門科目の多肢選択式対策が全てといっても過言ではありません。具体的な方法としては、 まず1回講義を聴く (ライブorインターネット)、次にレジュメを1回見直す、そして1つのトピックを見直し終えるとその部分の「これ完」を解く(憲法なら13条を見直し終えたら、「これ完」の13条の部分を解くというような感じ)、そして最後に「これ完」だけ1回解く、という方法でした。「これ完」の1回目の際には、解説で出てきた判例を全て公務員試験六法で確認しチェックしていました。私は法学部生だったので、この回数で何とかなりましたが、やはり「これ完」を三回程解くのは必須だと感じました。本番の試験で出る部分がきちんとまとめてありますので、全ての問題を解かなくとも、問題を選んで3回解いておくといいと思います。

専門試験(記述式)について

専門試験(記述式)については、正直特別な対策はしていませんでした。一次試験後に対策をはじめ、伊藤塾の記述過去問演習と記述予想問題演習を1ヶ月かけて解いていました。同時に憲法と行政法はレジュメをもう1回見直し、民法はテキスト(法曹志望と同じもの?)の「問」の部分だけを全部見直していました。この民法のテキストは良くできていて、「問」の部分に論文の論点(あるいは択一の論点も)になる部分が網羅されているのでためになりました。 
私は法学部生で、論述での解答に慣れていたので問題ありませんでしたが、できるだけ上記の記述過去問演習と記述予想問題演習を時期通りに解き、一次試験後は直前対策講座を受けた方が良いと思います。

基礎能力試験(多肢選択式)について

基礎能力試験は正直ほぼ対策なしで臨みました。数的処理を1日数問解いていた時期もありましたが、法律科目を優先して中途半端になってしまいました。その結果本番でも基礎能力試験の結果は散々たるものだったので、来年以降受ける方にはぜひとも数的処理と人文自然社会科学と時事はきちんと対策をすることをおすすめします。

政策論文試験について

政策論文試験は伊藤塾の2回分の演習問題を解いただけでした。基本的な文章力を備えていて、論述にも慣れているならば全く問題ないと思います。ただ時間内に最後まで書ききることだけは注意しましょう。

面接対策・模擬集団討論について

伊藤塾の模擬面接を一回受け、大学で友だちと何度か模擬面接をして、本番に臨みました。模擬面接で他人から言われることは的を射ていることもあれば射ていないこともあるので、それほど気にせずに自然体で本番に臨みましょう。ただ模擬面接を通して本番の雰囲気に慣れることができるのは大きなメリットだと思います。

官庁訪問について

官庁訪問対策としては、友だちと政策勉強会を開いていました。官庁の方々は色んな質問を学生にぶつけてたり、業務説明に対する反応などを見て、その学生がどんな人間かを全体的につかんでいます。なので、官庁訪問用のキャラ作りをしたり、付け焼刃の知識を身につけても意味はないでしょう。パンフレットに載っていることをしっかり把握しておき、自分はどこに興味を持ち、どのような仕事がしたいかについて想像を膨らませておくことが必要だと思います。また官庁の方々のお話に対して自分の考えをしっかり述べることのできる「考える力」がなにより大事だと思います。
また、情報収集は大事です。官庁訪問への不安を解消したり、予想外の事態に陥る機会をなるべく減らすために、上記の政策勉強会や伊藤塾の冊子などを見て情報を集めておくことはかなり有用だと思います。

受講形態と伊藤塾の学習個別フォロー

私は4~6月までは、ライブで講義を聴き、それ以降は主にインターネットで講義を聴いていました。単純に学校や他の用事で校舎にくることが難しくなってしまったからなのですが、ペースメーカーとしての受験指導校の役割を活用するならば、ぜひともライブで受けることをおすすめします。
またインターネット上の「塾生の部屋」では、24時間講師に質問できるようになっており、かなり頻繁に利用していました。

直前期と試験当日

私は直前講義を別にとっている余裕がなかったので、直前期はいつものレジュメや「これ完」をつかって一人で勉強していました。
試験当日は、専門科目試験と基礎能力試験の順番が逆になっていて驚きましたが、他は特に問題ありませんでした。法律科目の択一を丁寧に解きすぎて時間がなくなるという通常では有り得ないことがありましたので、来年以降受ける方は時間配分には気をつけてください。

合格、内定と進路決定

志望先は、自分が国家公務員を志す理由は何なのか?何がしたいのか?その軸を明確にして、どの省が一番それに合うのかを基準に決めました。

モチベーションの維持について

友だちとの勉強会を開くなどしてモチベーションの維持をするようおすすめします。なにより身近にいる仲間でありライバルである人たちと触れ合うことが一番のモチベーション維持に役立ちます。

最後に

理想と現実の狭間でもがきながら常に最善の選択を考え続ける公務員になりたいと思っています。
今の時代、国家公務員を志望するというのは、待遇面や他の魅力的な職業の存在を考えれば非合理的な選択です。それでも国家公務員になるという信念と目的を持っている人間は、試験にも受かりますし採用もされます。ぜひ自分の人生について深く考えて、国家公務員を目指してください。