地元の沖縄県の方々から信頼される司法書士を目指していきたいと思っています

2010年6月掲載

【沖縄県】 司法書士 安里順一司法書士事務所  安里 純弥 先生 (司法書士)

■Profile
2008年 司法書士試験合格
2009年 沖縄県中頭郡「安里順一司法書士事務所」入所

司法書士を目指した動機

通信制の大学を卒業後、ぶらぶらとバイト生活を送っていました。父が司法書士をしていたこともあり、周りの知人から司法書士という資格について聞く機会はありましたが、当時の私は司法書士に全く興味がなく、まさか自分が司法書士試験を目指すことになるなんて思いもよりませんでした。
その折、ひょんなことから父親が開設している司法書士事務所を少しの間、手伝うことになりました。
当初は小遣い稼ぎぐらいにしか思っていませんでしたが、不動産取引や裁判業務を現場で目の当たりにする中、依頼者の要望に応え様々な事件を解決させる司法書士に魅力を感じ、司法書士の資格取得を目指すことにしました。

事務所の主な業務内容・現在担当している業務

不動産登記が7割、商業登記が2割、裁判業務1割程度です。
 
1.不動産登記
依頼内容は、売買、担保設定、相続など色々ですが、おおまかな業務の流れは、①依頼内容の確認、調査→②必要書類の請求、受領③書類の作成→④決済日の立会→⑤登記申請→⑥登記完了といった流れになります。
沖縄は相続登記において特殊な案件が多いと感じます。具体的には相続登記の前提としての「戸籍の訂正」(戦災滅失の影響)や「渉外不動産登記」(戦前・戦後移民者が多くいたため現在も外国に住む相続人が多い)「不在者財産管理人の選任」(相続人の一人が本土へ出稼ぎに出た後行方不明なっている等)などが挙げられます。

2.商業登記
依頼内容は、会社法の施行による定款変更の相談、会社設立、役員変更登記が多いです。
おおまかな業務の流れは、①依頼内容の確認→②変更する内容の協議及び調査→③書類の作成→④必要書類の請求、受領→⑤オンライン登記申請→⑥登記完了の流れが一般的です。田舎では、会社の登記義務を知らない経営者の方々が多くいるように感じます。会社登記の相談があった場合は、必ず会社に変更事項がないか(代表者の住所変更が代表的な例)注意喚起するようにしています。

3.債務整理
依頼事件は、債務整理がメインです。債務整理は、債権者と交渉して借金の返済期間の伸張や返済額の減額をさせたりして、過払金を取り戻し、他の借入の返済にまわすことで依頼者の返済を楽にすることを目的とする一方、同時に「本人の生活を再建する」という目的も含んでいます。ですから、依頼者とはできるだけ密に話し合いの機会を持ち、なぜ多重債務状態に陥ったか、これからどう生活を改善していけば同じような状況にならないかなどを常に考慮し手続きを進めるようにしています。

やりがいを感じる瞬間

ある日、国民生活センターをとおして20代の若い女性からヤミ金の相談がありました。女性の話しによると、祖母が親族を保証人にヤミ金に手をだしてしまった結果、返済不能に陥り、保証人の親族を巻き込み執拗に返済の催促をかけられていること。保証人になった身内に迷惑をかけたこととヤミ金の執拗な催促に耐えかねて祖母が自殺未遂してしまったこと。その後も保証人への催促は止まず更にエスカレートしており、どうしていいかわからなくなった末、相談にきたということでした。
祖母がまた同じ過ちを繰り返しかねない状態であるとのことでしたので、受任後、急いでヤミ金の連絡先を聞き、直接交渉することにしました。時間はかかりましたが何とか事件を処理することができ、女性に「もう心配しなくていい」旨を伝えると、泣き崩れながら「祖母にもう安心していいと報告することができます、本当にありがとうございました。ありがとうございました。」と感謝の言葉を頂きました。そのとき司法書士という業務に遣り甲斐を感じた反面、併せて司法書士の社会的責任の大きさを強く感じた出来事でした。

司法書士に求められる「プロフェッショナリズム」とは

依頼者の要望に対して、丁寧かつ迅速に事件を処理することはもちろんのこと、最善の解決策の提案も専門家として大事だと思いますし、また、依頼者が正確に事件内容を理解し安心して手続きを進めることができるよう、可能な限り分かり易く事件内容を説明することも登記・法律の専門家として司法書士にもとめられるスキルではないかと思っています。まだまだ、先輩方の力を借りなければ一人前に仕事をこなすことのできない私ですが、将来的には、上記の力を備えられた司法書士になれるよう日々努力を怠らず業務をこなしていきたいと思っています。

伊藤塾で学んだことが現在活きている部分

1.伊藤塾に入塾したきっかけ
 ①所講師のストリーミングを聞いて、直感でここだと思ったこと。
 ②父が司法書士受験時代にお世話になった蛭町講師が伊藤塾にいたこと。
上記の2つが入塾した最大の理由です。
2.塾で学んだことが現在の業務に活きている部分
伊藤塾のテキストは実務でもよく使用します。特に登記法のテキストは貴重です。判例や登記先例がきれいにまとめられており、実務書籍よりも優れているのではないと感じさせるほど内容が充実しています。ちなみに私の事務所のスタッフも先例や用語を調べるときによく伊藤塾テキストを利用していますが、初学者でも分かり易いテキストの解説や図はすごく評判がいいです。

これからのビジョンと受験生へのメッセージ

司法書士業務のあらゆる相談や依頼に対応できるよう日々勉強を怠らず、地元の方々から「あの事務所で相談してよかった」と言われるような、信頼される司法書士を目指していきたいと思っています。そのうえで、これからは債務整理以外(まだまだ勉強不足ですが…)の分野の民事事件(とくに消費者問題)にも力をいれていきたいと考えており現在勉強中です。
司法書士試験は簡単な試験ではありませんが、努力すれば必ず報われる試験であると、私は感じています。
現在勉強中の方々は、勉強が進むにつれ、まわりの皆が自分よりできるのではないか、もしかして自分はこの試験に向いていないのではないかと悩み苦しむことがあるでしょう。しかし、悩み苦しく感じているときは、自分がこの試験と真剣に向き合っている姿勢の表れであり、着実に合格に近づいている証拠だと、私は思います。所講師がいう「苦しければ最高、苦しくなければ最低」という言葉は、正にそのことをおっしゃってるのだと思います。
伊藤塾講師、スタッフの方々を信じて最後まで頑張ってください。近い将来、同じ司法書士して皆さんと会える日を心からお待ちしています。

(2010年5月・記)


■事務所プロフィール

2列目、安里純弥先生の隣が
父親である安里順一先生

安里順一司法書士事務所
〒904-0103
沖縄県中頭郡北谷町字桑江618番地7 
TEL.098-936-5253
安里順一事務所のみなさん
2列目、安里純弥先生の隣が父親である安里順一先生
■業務内容
不動産登記手続、 会社・法人登記手続、 簡裁訴訟代理関係業務、裁判所提出書類作成 など
 
■現在の「ある一日のスケジュール」※基本的な一日の業務の流れ
08:30 事務所に出勤(掃除や今日の業務の準備)
09:00 一日のスケジュールを確認し、スタッフと業務処理の打ち合わせ
09:10 書類作成(裁判、登記等)
10:00 登記立会(担保設定や売買等)ないし裁判所期日
12:00 昼食
13:00 書類作成ないし依頼人と面談・打ち合わせ
15:00 登記立会(担保設定や売買等)
16:00 残務整理、来所者の相談業務、債権者との交渉等
19:00 帰宅