現場第一主義! 司法書士として一人でも多くの方に 法律問題は解決できるということを伝えていきたい

2012年2月掲載

【兵庫県】 福田司法書士事務所  福田 陽子 先生 (司法書士)

■Profile
2006年 司法書士試験合格
2007年 神戸市東灘区「泉水司法書士事務所」入所
2008年 神戸市中央区「福田司法書士事務所」開設

司法書士を目指した動機

27歳のとき、2003年秋開講の入門講座の受講を開始しました。私は大学生の時からボランティア活動に携わり、社会人の方が専門的な知識を活かしながら活動する姿を見てきました。彼らのように私も何か社会に役立つ仕事がしたいという希望は常にあり、法律職ならそれができるのではと思いました。ちょうど、改正司法書士法が施行され、司法書士に簡易裁判所における訴訟代理権が与えられた年でもあり、この資格に挑戦してみようと思いました。

現在の主な業務

【債務整理】
●最近の傾向
最近は、住宅ローンを抱えた方の相談が多数寄せられます。不況の影響で、給与が住宅購入当初の予想よりも上がらず、また子供の教育費なども年々増加することから、住宅ローンの支払いに支障をきたし、生活費が足りず負債を増やす方が増加しています。近年は、過払い金の回収により債務整理を行ってきましたが、これからは破産や再生が増えるのではと言われています。
●司法書士が取り組む自殺対策
2010年も自殺者が三万人を超えましたが、この中には多重債務など法律問題を苦に自殺した方も多く含まれます。私が所属する兵庫県司法書士会では、自殺対策委員会を立ち上げ、司法書士による自殺対策に取り組んでおり、私も委員の一人として活動しています。債務整理の仕事では、精神的にも追い込まれ鬱病に罹っている方に対応する場合がありますが、私の依頼者の方にも実際に自殺未遂を経験された方がいらっしゃいました。面談の際、司法書士が対応を誤れば、さらにその方を精神的に追い込んでしまう危険性があります。委員会では、そのような専門家による二次被害が起きないよう、メンタルヘルスに関する研修を実施しています。また鬱や依存症患者の自殺の防止は、精神科医など他の専門家や団体と連携が必要不可欠です。その実践として平成22年2月より兵庫県精神保健福祉センターにおいて、メンタルケアと法律相談を同時に行える相談会がスタートしました。私も相談員として参加していますが、司法書士として、一人でも多くの方に法律問題は解決できるということを伝えて行きたいと思います。

【成年後見】
●チームで取り組む後見
高齢者の生活は、ケアマネージャー、ヘルパー、地域包括、役所など多くの関係者に支えられています。これらの方との連携なし
に、後見業務はできません。私たち司法書士は、独立して仕事をしていますが、後見ではチームという意識も必要です。連携の取れた支援をするために、関係者会議を開くこともあります。
●現場主義
被後見人のことをより理解するためには、その方のお宅を訪問するのが効果的です。時にはゴミで荒れた家に入らなければいけないこともあります。現場に足を運ぶことで生活の志向や、職業や、趣味や信仰など、よりパーソナルな部分を知ることができます。本人の意思表示が難しいからこそ、後見人がその方を知る努力をすることが大切だと思います。
 
【登記その他業務】
独立して2年ほど立ちますが、債務整理や後見など司法書士の業務としては新しい分野の仕事が多く、それに比べれば登記その他業務の件数はまだまだ少ないのが現状です。独立した同期も、同じような状況の方が多いようです。しかしながら、今は人とのつながりを作る時期。商工会などの集まりや、他士業の方との交流も大切にしています。そんな中から仕事の依頼者になってくれる方も現れつつありますので、一つ一つの仕事を誠実に取り組み、依頼者の輪を広げていきたいと思います。

伊藤塾で得たもの

●法律知識の基礎
伊藤塾では、まず所講師の入門講座を受講しました。法律の勉強は初めてでしたが、所講師の説明もテキストも分かりやすいものでした。入門講座は、司法書士試験で必要な勉強範囲を網羅しており、安心して勉強することができました。入門講座で得た法律知識は、大切な基礎知識として日々の業務に役立っており、今でもテキストは手放せません。
●司法書士試験の合格と簡裁代理権の認定
その後受講した蛭町講師の中上級記述式講座では、記述式の問題を解くための思考ルートを徹底的に叩き込まれました。記述式が苦手で、大量の問題文を前に途方にくれていた私を合格レベルに引き上げてくれました。また蛭町講師の講義では、要件事実論を取り入れていたので、合格後も簡裁代理権の考査に自信を持って望むことができました。
●友人
実は私には、受験生時代、同じ受験生の友達がいませんでした。仕事をしていて時間的制約もあり、伊藤塾では講義を受けるだけで帰ってしまう生徒でした。ところが合格後、伊藤塾の入門講座を同じクラスで受講していた司法書士の仲間達と偶然にも再会し、今ではよき友人よき仕事仲間としてお付き合いをしています。伊藤塾出身の縁は合格後にもきっとあります。

社会人経験のメリット

●社会人としての基礎が出来ている
社会人として挨拶、言葉遣い、ビジネス文書の作成、仕事関係者への報告・連絡・相談、これらがきちんとできることは当たり前、できなければ信頼が得られません。残念ながら司法書士事務所には、一般企業のような新人研修の機会は少ないと思います(合格者に対する司法書士会等の専門研修はあります)。様々な経歴の合格者がいますが、社会人としての基礎ができている人はその点では有利だと思います。
●家庭の経験も活かせる
受験生の中には、専業主婦の方もおられると思います。司法書士として仕事をするにあたって不安もあるかと思いますが、家事や育児などの経験も大いに活かせます。債務整理では、依頼者の家計の見直しを行いますし、相談者が主婦の場合もあります。また後見では、被後見人のより良い生活をサポートします。これらの仕事では、家庭生活の経験が大いに活かせます。

これから合格を目指される方へ

伊藤塾に入塾された皆さんは、数ある受験指導校の中で、伊藤塾を選ばれたのですから、どうか講師と教材を信じて試験勉強に取り組んでください。それが最短で合格する秘訣だと思います。また、伊藤塾のテキストには合格に必要な知識が厳選されていますので、他のテキストを購入する必要もありません。後は反復継続するのみです。がんばってください。


Information
事務所プロフィール
福田司法書士事務所
〒650-0024 神戸市中央区海岸通3丁目1番1号KCCビル4階
 
■ 業務内容
不動産登記、商業登記、債務整理、成年後見、裁判 など
 
■ 現在の「ある1日のスケジュール」
09:30 事務所出勤 スケジュールの確認、書類の整理・作成
12:00 昼食
13:00 債務整理の依頼者と面談
15:00 被後見人のお宅訪問、担当ケアマネージャーと打ち合わせ
18:00 兵庫県司法書士会の自殺対策委員会会議
21:00 帰宅