起業しようとしたのですが、自分にとって最適なのは、資格を取って独立開業することだと考えていました。

2015年5月掲載

司法書士前沢和彦事務所 前沢 和彦 先生

■Profile
2012年 司法書士試験に合格
*元外資系ブランド 経理財務マネージャー

先生は、いつから「セカンドキャリア」についてお考えになられたのですか。

何回かの転職を経て、ファッション関係の外資系企業に勤務していた40代半ばから、セカンドキャリアについて考え始めていました。
その当時、在職中の会社で定年まで勤め上げるイメージを持つことはできず、社内の競争も激しかったため、安心して働き続けられる環境はありませんでした。
そこで、起業しようとしたのですが、自分にとって最適なのは、資格を取って独立開業することだと考えていました。
ちょうどそれから数年後に、会社の経営陣が入れ替わったことをきっかけに、早期退職することとなり、専業で受験勉強を開始しました。

「セカンドキャリア」として、司法書士を選択したのはどうしてですか?

大学時代に司法試験の勉強をしていたことから、司法試験、司法書士、行政書士の資格取得を考え、さらに経理財務の仕事をしていたことから、中小企業診断士の資格取得も追加して考えました。
その中でも、試験勉強自体に興味が持てたことや、成年後見業務、簡裁訴訟代理権の取得などで業容拡大していた司法書士という資格に大きな魅力を感じました。
また、会社員時代の貯金を取り崩して受験生活を始めましたので、自分の努力次第で受験開始から開業までに要する費用や時間を節約できる点 でも司法書士はベストな選択だったと思っています。

これまでのキャリアから司法書士試験受験へとキャリアをチェンジさせるにあたり、気持ちの面でどのような切り替えをされたのですか?

資格試験に合格することや、合格後すぐに独立開業できるかまでの確信は持てなかったのですが、会社員として、これまで満足のいく結果を出せていたことから、方向転換には自信がありました。
また、久しぶりに取り組む法律の勉強は新鮮でしたが、あまり深入りせず、受験勉強と割り切って、短期合格するための方法論を追求しました。
もっとも特別なことをしたわけではなく、毎日コツコツとテキストを読み返し、憶えるべきことを憶えただけです。ただ、決意して受験勉強を始めた以上、自分に決して妥協せず、試験と真摯に向き合うことだけを、実践していました。

これまでの自分の経験や専門能力が司法書士の業務に生かされていると感じるのはどのようなときですか?

一般の方に馴染みがない法律用語を日常的に使っているため、お客様へ手続きの説明をする際や、相談業務の際はわかりやすい言葉を使うように気を遣います。
この時に役立っているのが、会社員時代に社内外へ決算数字をわかりやすくプレゼンしてきたことや、新入社員向けの研修を担当してきた経験です。
相手の立場に立っているつもりでも、専門用語を多用して、伝えたかったことが伝えられなかった苦い経験が、今に大きく役に立っていると思います。

セカンドキャリアとして選択した「司法書士の道」。
現実には、どんなことを感じる毎日を過ごしていらっしゃいますか?

会社員時代に比べると、自分のできる範囲が大きく広がったとともに、責任が重くなったことを実感しています。
これまでは、自分に与えられた職分を果たすことで足りましたが、今は、事務所経営に関わる全てをこなさなくてはなりません。つまり、仕事を取ってきて、それを適切に処理し、売上金を回収できたら、自分に給料を出すということです。
また、お客様は、面倒な手続を代わりにやってくれるから、報酬をお支払いいただくわけで、その求める結果(会社設立や、所有権移転登記など)を出すことが求められます。書類作成する過程で分からないこともありますが、いろいろ調べながら、何とか責任を果たしています。
このように業務を通じて、やりがいを感じられることが、ファーストキャリアとの大きな違いだと思います。

セカンドキャリアとして司法書士を目指そうかどうしようかと悩んでいる方に何かアドバイスをいただけますか?

司法書士試験は、試験科目が11科目もあり、年に1回しかチャンスがないので、うまくやれば受かるかも知れない程度の決意では、合格までたどり付けないと思います。
しかし、そこは、社会で様々な経験を積んで来られた方々であれば、独立開業や、試験合格などの目標をはっきり決めれば、それを達成するには何をどうすればいいか、綿密な計画を立てられるはずです。 
あとはその計画に従って、自分に厳しくやり切るだけです。そして、やり切ったあとに、人生の新たな可能性が広がっていることを実感できると思います。


Information
■ 事務所プロフィール
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