助けを求めている方のお役に立ち、喜んでいただけることにやりがいと充実感を感じています

2012年2月掲載

【沖縄県】 美の浦(よしのうら)事務所  仲眞 竜也 先生 (司法書士)

■Profile
2009年 司法書士試験合格
2010年 簡裁訴訟代理等能力認定考査合格
2010年 「美の浦(よしのうら)事務所」開設

司法書士を目指した動機

自分が司法書士になろうと思ったのは、30歳を過ぎてからでした。当時はプログラマーとしてサラリーマンをしていましたが、プログラマーは会社内部でプログラムを組むのが仕事で、「利用者の喜ぶ顔」に出会える場面もなく、朝から夜遅くまで機械的な仕事の毎日を送っているだけで、やりがいを感じないまま仕事をこなしていました。
それと、将来へ不安もあり、もっとやりがいのある、一生の仕事としてできる職について、独立したいと思うようになりました。そんな時、司法書士という仕事があるのを知りました。最初は、司法書士の仕事について全然知らなくて、「人気のある資格なので受けてみよう」という気軽な気持ちで始めました。勉強を進めていくうちに、登記業務の重要性、法律家として、弁護士とは違う、日常生活の中にある司法書士の存在に面白味を感じ、自分も社会的に何か役に立てるのではないかと思うようになり、合格後をイメージして、勉強を頑張ることができました。

現在の主な業務内容

不動産登記と債務整理が中心です。まだ開業したばかりでもあるので、登記業務は知り合いからの依頼が多く、その他は金融機関からの設定・抹消の依頼が多いです。債務整理は相談会などから依頼へとつながって受けています。設定登記の場合は、特にスピードが要求されるので、依頼があるとすぐに登記識別情報(登記済証)の有無や所有者の住所の変更の有無の確認、設定契約の内容の確認など前もって準備し、申請当日は書類がそろい次第すぐに申請します。設定とは逆に、相続登記には若干時間がかかります。戸籍を取って、相続人を調べると、ハワイやブラジルなど外国へ移住している場合もあります。また、沖縄では戦争で戸籍が焼失していることが多く、実務では、試験の勉
強では習わないイレギュラーなことがよくあります。
債務整理については、合格後、実務経験も無いまますぐに開業したというのもあり、全く知識が無かったのですが、研修で使ったテキストを読み、それでもどうしていいのか分からないことは先輩方に聞いたりしてこなしています。また、今後は成年後見の要求が増えていくと考えられるので、後見人として活動できるよう、社団法人「成年後見センター・リーガルサポート」への登録をしました。高齢者の方や判断能力の劣る方々の手助けになれればと思っています。

やりがいを感じる瞬間

司法書士の仕事をして嬉しく思う時は、依頼者の役に立てていると感じた時です。依頼者から感謝の言葉や、喜びの言葉を頂いたときにそう感じます。ちょっとした相談に答えてあげたり、登記業務もそうですが、債務整理では特にそう感じます。長い間、業者への支払いに苦しんでいた方の場合、事情を聴き取ると、相当辛い思いをしているのがよく分かります。そして、受任をし通知を送付して、取り立てが止められることを説明すると、少しは気が楽になるようで、それが表情にも現れてきます。それから、取引履歴を取寄せ、利息制限法に引き直し計算後、過払いになっていたりすると、これまでの長年の債務から解放され、喜んでもらえます。その時は微力ではありますが、役に立てて良かったと強く感じます。
移転登記の少々ややこしい案件で、他の事務所で断られ、相談に来た依頼者がいらっしゃいました。自分が成長するためにも難しい案件も受けてみようと思い受任したのですが、その時も「本当に受けてくれるんですね」と喜んでいらっしゃいました。司法書士として当然の仕事をしているとは思いますが、それで依頼者に喜んでいただけるので、やりがいのある良い仕事に就いたなと思います。

司法書士に求められる「プロフェッショナリズム」とは

依頼者に信頼され安心を与える。スポーツ選手もそうであるように、「この場面で、この人ならちゃんと結果を出してくれる」と依頼者に思われるようになることだと思います。そのためには、絶えず自己研鑽に励むことです。そして自分の限界を知ることも必要だと思います。迅速かつ的確な結果を出すためには、場合によって他の事務所を紹介することになるかもしれませんが、依頼者にとって最終的に望んだ通りの結果につながれば、評価を落とすことも無いと思います。自分の力を知ることによって自信と誇りをもって仕事ができるのではないでしょうか。そして力が劣る分野があれば、それを補うように勉強をします。司法書士は士業で全ては自己責任です。時にはその責任の重さに押しつぶされてしまそうになります。そうならないために、自分の仕事に自信と誇りを持てるように、勉強と経験を重ね、間違った判断をしないよう、絶えず自分を鍛え上げ、磨いていかなければならないと思います。

伊藤塾を選んだ理由と受講された講座の感想

最初は勉強仲間にすすめられて蛭町講師の記述式対策講座を受けたのが始まりでした。その頃は既に3回受験していて、勉強もほとんど独学だったので、記述問題に対しては記憶と練習問題を数多く解けば何とかなるだろうと考えいました。しかし、ただ問題の数だけをこなしている感じで、それだと得点にバラツキがあって伸び悩んでいる時期でもありました。そういう時期に蛭町講師の実体判断、架橋判断、手続判断という思考プロセスに出会い、量より質への勉強方法へと変えることによって得点の底上げができたと思います。講義で使うテキストもすごく充実しており、論点が数多く記載されているので、結果的に択一の勉強にも役立ちました。記述試験は時間の無い中での判断が求められ、わずかなミスが大失点になったりします。私は時間がもったいないと思い、下書き等を一切せずに答えを解答用紙に載せていたのですが、それだと登記の前後関係を間違うことがよくありました。しかし、山村講師の講義で「答案構成」を学び、答案構成をしっかり作る事によって、そういった間違いを大幅に減らせました。択一では基準点は超えても、あと2、3問を取ることができずに悩んでました。30問を取ることなんて無理かなとも思っていた時期で、過去問以外にも手を伸ばし、推論問題を一生懸命勉強したりして、その時期に高城講師の講義を受講しました。高城講師は講義で「絞り込みと繰り返し」と、よく言っていました。それからは、過去問と講義の問題に集中し、絞り込みと繰り返しを徹底しました。そうすると、核となる肢というのが分かるようになり、より正解へ近い組み合わせというのが選択できるようになり、30問の壁を超えることができました。
試験前には向田講師の「記述式“リアル答案”徹底解析講座」、「択一クライマックス総整理」も受講しました。「記述式“リアル答案”徹底解析講座」では、採点基準が見えてきたり、答案の書き方といった得点の稼ぎ方を教えてもらいました。「択一クライマックス総整理」は、制限時間内でとにかく多くの問題を解くもので、絞り込みと繰り返しの勉強方法の延長線上にあるもののように思いました。先にも述べたように、午後はどうしても時間が足りなくなるので、瞬間的に肢を選択する必要があり、その訓練にはすごく役立ったと思います。
伊藤塾の講師の方々は皆「熱い思い」を持っていると思います。受験生の事を親身になって考え、面倒を見てくれていると感じます。私が沖縄在住で、インターネット講義でしか講師の方々に会うことができなかったことだけが残念です。そんな講師の方々の熱い思いと指導力のおかげで、結果が出せたのだと思います。

今後のビジョン、合格を目指す受験生へのメッセージ

後は成年後見にも力を入れていきたいと思います。司法書士の成年後見への要求は、ますます増えていくと思います。また、消費者問題への勉強もしていきたいと考えています。高齢者を狙った、強引な訪問販売や電話による勧誘販売等悪質な業者による被害が深刻化しています。身近なくらしの法律家として、必要とされ、評価され、社会的に弱い者にとって司法書士の存在は、ますます大きくなっていくと思います。
試験に合格した後も、自分自身は何も変わりませんが、「司法書士」ということで世の中から頼りにされ、助けを求められます。法律を勉強すると、誰もが社会的弱者の力になりたい、助けたいと思うことがあると思います。仕事をしていく上で苦労もありますが、そういう方々の手助をし、社会に役立っていることの喜びを感じられることの方が大きいと思います。受験勉強は大変ですが、その苦労は合格後に必ず役に立ちます。1日1日目標を持ち、必ずそれをクリアできる力を付けてください。気がつけば、それは大きな力になっていると思います。1年でも早く合格できることを願っています。頑張ってください。

(2011年3月・記)


Information

美の浦(よしのうら)事務所
〒901-2204
沖縄県宜野湾市上原1-1-3
 

■ 業務内容
会社登記、債務整理、不動産登記、成年後見
 

■ ホームページ
http://www.yoshinoura-yuisen.com/
 

■ 現在の「ある1日の仕事のスケジュール」
08:30 出勤 清掃 メールチェック
09:00 書類整理や作成 電話対応
09:30 外出 銀行での立会
11:00 書類作成
13:30 外出 登記所を回り書類の回収
      沖縄県司法書士会へ書類の提出
16:00 書類作成 相談・電話対応
18:00 外出 依頼者との打合せ
19:30 書類作成
22:00 帰宅