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お客様に相談され、誠実に応えていくことで司法書士の業務領域は無限大に拡がっていく

 2007年5月掲載

司法書士 坂本正道事務所  大岡由奈 先生 (司法書士)

 
■Profile
2005年度 司法書士試験合格
司法書士 坂本正道事務所に勤務

自分自身の努力と勉強で選択肢を拡げて、やりがいのある業務に創りあげていけること。
試験合格以上の喜びがそこにあります。

 

資格を取って性別を問わず一生できる仕事がしたい

私は、大学卒業後、3年ほど法律とは無縁の職についていたのですが、何か開業できる資格をとり、一生続けられる仕事をしたいと考えるようになりました。そんな時、女性の司法書士の先生と面識ができ、「法律を使った、こんな仕事があるんだ」と知ったのが、司法書士という専門職との出会いでした。それまで、司法書士がどんな資格なのかどんなことをするのかすら知らなかったのですが、法律の世界に少し魅力を感じ、街の法律家として人々の役に立ちたいと思い始めました。理工学部ということもあって、法律を勉強したことは無かったのですが、興味は持っていましたので、抵抗なく法律の世界に踏み入れることができました。
 実際に司法書士になった今思うのですが、業務の幅広さを実感しています。例えば登記を一つとっても、単に登記申請だけでなく、相談されていくうちに相続や遺言の問題が派生してきます。法律家として社会に貢献できるのは勿論ですが、広く勉強すれば、書類作成だけにとどまらない自分のカラーを出した業務ができることを実感しています。
 

司法書士はサービス業!法律家として、自覚と責任をもって仕事に臨むことが大切

現在は自宅から30分ほどの、司法書士事務所にお世話になっています。この事務所では“司法書士はサービス業”であることを教わりました。とにかく「今日できることは今日する、明日は何が起こるか分からない」というスタンスで臨みます。今日か明日にお願いします、と言われれば、今日するのが基本です。他の事務所であれば2、3日かかるところを1日でやる、これが当事務所の方針です。謙虚な姿勢でお客様のニーズに応えていく、信頼を裏切らない仕事をする、大阪市内であれば自転車ですぐに駆けつけて最新の資料をお届けする…など、といったお客様に対する姿勢はもちろんのこと、単に登記申請するといった手続だけでなく、法律家として、自覚と責任をもって仕事に臨む姿勢の大切さを学びました。

受験勉強と実務とのギャップに日々奮闘!

今の私は、ただ単に資格に合格しただけの知識しかありません。実際、実務に入り分からないことだらけです。択一式試験だったら解けるのに、仕事になると単純なものではありません。試験を解く知識と、お客様と取引をしていて要望に応えることは別物なのだと実感しています。だからこそ、これからが本当の出発だと考え、毎日が勉強です。

頼りにされる、感謝される、これこそ司法書士のやりがい

合格してからは、親戚や知人から様々な相談をされるようになりました。これはすごくうれしいことです。その中には「これは司法書士の仕事?」という案件も出てきます。しかし、その方々は司法書士の業務の領域に関わりなく、本当に困っていることを相談しているだけです。ならば自分が分からないことでも徹底的に調べて、どうすればいいのか、どこを案内すればいいのかをアドバイスできるようにしたいと考えました。法律家が「業務外だから分からない」などと言ったらおしまいです。以前、清算された会社の社会保険の問題や賃金未払いの問題を相談されたのですが、どのようにしていいか分からず、労働問題に詳しい先生に相談に行きました。それをきっかけに、今は労働法を一生懸命勉強しています。また、最近はお金に関わること、特に税金に関しての相談も多いので税法の勉強もしたいと思っています。
 私の目指す司法書士像は、近所の人が集まってきてお茶を飲みながら「実は今こんなことで悩んでるんやけど…」というところから、少しでも、法律によって助けられる機会を人々に提供するためにも地域に密着した司法書士になりたいと思います。法律とはどうしても、敷居が高いように思われがちで、人々にまだまだ、なじみが薄い部分があるのは事実でしょう。ですから、将来的に、私は、敷居の低い、気軽に相談できるような身近な法律家になりたいと思っています。
 今、司法書士の仕事の内容は多岐にわたっています。可能性は無限大でしょう。これから、実務経験を積みながら、司法書士としての自分像を見つけていきたいです。そして、自分にあった、自分らしい仕事、司法書士としての社会的立場を通して、社会に貢献できればと考えています。
 それに加えて、重要なことは、ホームロイヤーであることに加えて2、3の専門科目を持つ司法書士になるということです。つまり、この分野については絶対的自信があるといえるような専門医的存在の司法書士になりたいです。現時点では、その専門を何にしようかと漠然ですので、これも実務経験をつむにつれて自分で見つけていきたいです。よろずや的に仕事をこなしていくのもひとつでしょうが、これからの時代、依頼者の問題解決のためには他のエキスパートに転嘱することが賢明なこともあると思います。だからこそ、普段に人的ネットワークを張り巡らせることは大切だと考えています。将来的に、他資格者、他分野の人々とチームを組んで、依頼者の問題解決に力を注いでいけるような、社会生活上の医師としての役割を担っていきたいです。

これから勉強を始める皆さんへ

司法書士試験は難しい試験ですが、努力すれば絶対に合格できる試験です。実務家登用試験なので合格すれば、すぐに仕事をしていくことは可能でしょう。しかし大事なのは資格をとってそれをどのように活かしていくかです。自分自身の努力と勉強で選択肢を広げて、やりがいのある業務に創りあげていくことができる資格です。皆さんもぜひ頑張ってください。

Informathion
■事務所プロフィール
司法書士 坂本正道事務所(大阪市北区西天満)  司法書士は現在3名
<業務内容>
不動産登記、商業登記、その他訴訟案件など幅広い業務内容を扱っている
■受講講座
大藤努の択一パワーアップゼミ
■現在の「ある一日のスケジュール」
8:45 仕事の準備
9:00 銀行から押印書類、本日申請
10:00 相続の相談  会社法の疑問点を登記前に法務局に確認
13:00 登記事項証明書で調査のため法務局東神戸の法務局に登記申請
17:00 役員変更の商業登記押印書類の郵送返送分を本日付で東京に郵送申請
19:00 相続戸籍取り寄せの準備
20:00 明日の準備