合格への道案内をしてくださったのは真の法律家を育てたいという伊藤塾の理念でした

2012年5月掲載

【大阪府】大川法律事務所 大川 朗子先生 (司法書士)

■Profile
2006年 司法書士試験合格
2006年 大阪市北区「大川法律事務所」入所
2008年 簡裁訴訟代理等能力認定考査合格

司法書士を目指した動機

私は、短大卒業後、某航空会社に就職。客室乗務員として19年半、主に日本の空を飛び回りました。退職後、夫の法律事務所を手伝っているうちに「法律っておもしろい。法律に関わる仕事がした!」と強く思うようになりました。
司法書士を目指したのは、受験資格制限のない門戸の広い資格試験であったこと、登記業務に興味をもったこと、人生経験を活かせる資格であったことなどが決め手です。

現在の主な業務

私は現在、夫の法律事務所の一員として働いています。事務所は、一般民事の他、特色としては、刑事事件、労働事件、医療事件、行政事件を多く取り扱っていることです。
私は司法書士として、不動産・商業登記、債務整理、簡裁事件等の他、家事事件、成年後見、民事再生、破産申立等の書類作成を担当しています。

司法書士会や団体などの活動、役職など

大阪司法書士会北支部理事、社会福祉法人よつば福祉理事、社団法人リーガルサポート総務委員を務めています。

やりがいを感じる瞬間

先日、司法書士になりたての頃に受任した依頼者の方から、お手紙をいただきました。
病に倒れた夫の債務整理、その方がお亡くなりになった後の相続放棄の手続きといった事件でした。
当時、ご依頼者は、いろいろと心労も重なっておられたようでしたが、いただいた手紙には「法的な力のすごさを目の当たりにし、今は静かに平安な日々を過ごしています」とつづられていました。
私にとっては、受任事件の一つにすぎなくても、依頼者の方にとっては、人生の一大事であることが少なくありません。法の力で自らの人生を切り開くお手伝いをさせていただけるこの仕事に、私は誇りと大きな責任を感じています。
また、新居を購入されるなどの慶びの場に立ち会えることも嬉しいことです。立会では、当事者の方々の慶びの思いがより一層輝くようにと心がけています。

司法書士に求められる「プロフェッショナリズム」とは

誠実に、確実に、迅速に、そして分かりやすく、だと思います。

伊藤塾で得たもの

4回目の試験でも合格点に届かなかった2003年秋、私はこのままでは合格できないと危機感を募らせていました。その頃、伊藤塾で、少人数ゼミ形式の「合格力養成ゼミ」が開講されることを知り、早速、申し込みました。
ゼミは、講師からどんどん飛んでくる質問にすぐに反応して答えを返すという形式で進められ、まさに1000本ノックのような緊張感のある内容でした。質問に備えるためには予習が欠かせなかったこともあり、ゼミを通して、辛抱強くテキストを読み、六法にあたるという姿勢を培っていただきました。  
2005年には山村講師の「答案構成力養成ゼミ」を受講しました。
山村講師の記述式をどう解いていくのかという方法論に、目から鱗が落ちる思いで熱心に聴き入ったものです。この時録音した講義テープは、その後、家事をしている間など、少なくとも100回以上は聴いたと思います。家族も覚えてしまったのではないでしょうか(笑)。
同じように蛭町講師の講義テープも数え切れないほど聴きました。
蛭町講師のおかげで実態判断のプロセスを大切に、一つひとつ確実に判断する、という姿勢を教えていただきました。
そして、密度の濃い数々の講義はもとより、講師の方々からは、なによりも「熱い心」「誠実さ」を教えていただいたと思います。
伊藤塾との出会いがなければ、合格どころか受験を諦めてしまっていたのではないかと思います。
合格への道案内をしてくださったのは、伊藤塾の講師の方々、スタッフの方々であり、真の法律家を育てたいという伊藤塾の理念でした。
本当にありがとうございました。

これから広がる司法書士の職域・業務

高齢化社会を迎え、親子・親族関係も希薄になる風潮もあり、今後、成年後見の制度を利用される方々も、ますます増えることでしょう。成年後見業務において司法書士が果たす役割、期待は今後大きくなっていくと思います。
また、私は月に1回程度、法テラスの情報提供職員として、ご相談者の電話を受けていますが、法的知識はもとより法律家へのアクセスがなく困っておられる方々が、本当にたくさんおられることを実感します。弁護士は、大都市や裁判所近くに集中する傾向があります。街の身近な法律家として、司法書士は予防的司法の役割も含めお役に立てるものと思います。

これからのビジョン、どのような司法書士を目指されますか

私には二人の息子がいます。だからというわけではありませんが、労働法や契約のことなど法的知識をほとんど得られないままに社会に出て行く若者がたくさんいることに胸が痛みます。
日々ご相談をお受けする中で、ほんの少しでも法的な知識があれば、最悪の事態が回避できたはず…と思うことが少なくありません。
そして、トラブルや不合理な事態に陥ったときに、一人で悩まないでほしいのです。いろんな相談機関があることを、ぜひ知っていてほしいと思います。
司法書士の資格は、人生の後半戦で天からいただいた贈り物と思い感謝しています。せっかくのいただきものですから、スキルを上げていくのはもとより、少しでも社会のお役にたてるよう取り組みたいと思っています。
具体的には、もっと法教育に取り組んでいきたいと思っています。

これから司法書士を目指す受験生へのメッセージ

これをお読みになっておられる方々のなかには、「忙しいし勉強時間がとれるだろうか」「合格率が低くて大変そうだ」と司法書士試験にチャレンジするかどうか思案している方もおられることでしょう。資格試験に合格するには、司法書士試験に限らず、やはりそれなりの勉強時間、強い意思と覚悟が必要だと思います。効率のよい勉強方法はあっても、楽をして受かる道はないのです。
どの受験生も、満足に十分な時間をとれていると実感することなどできないのではないかと思います。司法書士試験は、多くの科目をまんべんなくこなさなければならない試験ですので、これだけやったから大丈夫とは実感できないものです。そこで、割り切る気持ちも必要になると思います。誰にとっても一日は24時間、限られた時間の中で「人にはやれることとやれないことがある」と割り切るのです。私の場合、仕事はともかく、家事はできるだけ省略しました。
また、勉強を始めた当初から私が心がけたのは、「講義は必ず一番前の席で受ける」「臆せずに質問する」「少しぐらい体調が悪くても休まない」の3点でした。「やるぞ」という態度が気持ちを後押ししてくれると思ったからです。
私は、49歳、7回目の試験でようやく合格を手にすることができました。
受験時代に何度もくじけそうになりましたが、その度に「きっとどこかに、私の合格を待っていてくれる人がいるはず」と自らを励ましました。「母親が諦める姿を子に見せてはいけない」という夫の言葉も胸に響きました。
合格まで長い道のりでしたが、司法書士の資格を得たことで、たくさんの出会いを得、様々な経験をさせてもらい、人生の面白さは何倍にも拡がりました。
途中で諦めてしまわなくて本当によかった!と、今、心から思います。
最後に、これから司法書士を目指す皆さまに、私自身も受験時代に励まされた伊藤塾長の言葉を贈ります。
「もうあきらめようと思ったときが、実はいちばんゴールに近い。あきらめてはいけない。」

(2011年3月・記)


Information
事務所プロフィール
大川法律事務所
〒530-0047
大阪市北区西天満4-3-4 御影ビル7階
■ 業務内容
民事一般、不法行為一般、家事一般、倒産一般、消費者問題、不動産登記、商業登記
■ ホームページ
http://www.okawa-law.com/
■ 基本的な一日の業務の流れ」
起床後、朝食の準備、家事など
09:30 事務所に出勤 メールチェック 業務確認
10:30 不動産取引決済
12:30 申請
13:00 昼食
14:00 法律相談 書類の整理・作成など
19:00 例会、研修会、飲み会、ダンスのレッスン…など
22:00 帰宅