司法書士業務とマネージメント力 二つの強化が業務展開の幅を拡げる

 2007年5月掲載

株式会社 ベストファーム 代表取締役 斉藤浩一 先生 (司法書士/土地家屋調査士)

■Profile
1960年生
1982年 司法書士試験合格
1984年 土地家屋調査士試験合格

斉藤先生の事務所は株式会社の形式をとられていますが、どのようなメリットがあるのでしょうか。

 専門性を高めていく職人的な方、新規顧客をどんどん開拓する営業向きの方など、司法書士にも様々なタイプがいます。複数の司法書士が集って、それぞれの長所を活かせば、理想的な組織になるのではないかと以前から考えていました。1999年に税理士や社会保険労務士、一級建築士の方と一緒に「福島合同事務所」を開設したのですが、営業日や時間、スタッフの雇用、事務所の賃貸契約や光熱費など経費の面で、やはり組織的な壁を感じていました。また、法律系資格のプロフェッショナルで集った方が、満足いくサービスを提供できるとも思いました。そこで、2003年4月に株式会社化したわけですが、これは雇用や設備投資の面でやりやすさがあるのはもちろん、医療法人と医師の関係のようなもので、法人として永続的にノウハウを残しておけるというメリットがあります。また、資格の有無に関係なく多様な雇用形態がとれるのも大きいですね。当社には法務局を退職したベテランの方と資格を取得して2~3年目という新人がいますが、経験と情熱、発想力をお互いに補っている形になっているので、組織のバランスが非常にいいんです。

サービスの特長・コンセプトを教えていただけますか。

 裁判所の手続きは弁護士や司法書士、登記関連は司法書士や土地家屋調査士、市町村役場等への行政手続きは行政書士などといった具合に、業務ごとに専門家は特定されています。しかし、医師における内科や外科、耳鼻科などのようには、法律分野の専門家は一般的には明確に区別されていない部分もあります。お客様の立場からすれば「どこで」、「誰に」、「いつ」、「いくらで」頼めばいいのか悩まずにコンビニに行く感覚で気軽に利用でき、また何でも解決できる所があればいいと思ったことから、「手続きコンビニ ベストファーム」として展開しています。私自身、司法書士と土地家屋調査士の資格を持っていますが、「一つのところで問題が全て解決できるのは便利だ」と会社設立前からよく言われていたんですね。ワンストップ(一箇所)サービスをコンセプトに、複数の有資格者が同一法人に所属し、より専門的な知識を持って、迅速に法的サービスをご提供することはとても重要な事だと思います。

司法書士として活躍するためには、今後どのような力が必要だと思いますか。

 受験生時代は合格がゴールに見えますが、司法書士としては合格はスタートラインに立ったに過ぎません。個人事務所にしろ、法人化するにしろ、安定した経営をしていくためにはマネージメント力をつけることが必要です。法人組織だと、経営が得意な人と専門実務が得意な人が組めば、いい形で機動すると思います。また、本で覚えただけでは、企業法務はできません。企業法務への需要が増えて行く中で、司法書士法人として経営を実際に体験しておけば、お客様へのより効果的なアドバイスにもつながると思います。

今後のビジョンを教えていただけますか。

 現在は福島県内に事務所が3つあるのですが、2008年には仙台や東京にも進出したいと思っています。今後は、フランチャイズ制度も選択肢の一つだと考えていますが、その場合は均質なサービスの提供が必須条件となります。経営者・資格者・従業員の人材育成が非常に重要になるので、司法書士としての実務面やマネージメント面での、基礎からの実力養成を目的とした社内人材育成制度を整えていきたいと思っています。体系に沿ったトレーニングを行い、単位制で卒業する“社内ユニバーシティー”をイメージしています。独立志向の方には、スキルアップができるよい機会を提供できると思っています。「ベストファームに入って、独立すれば間違いなし」と言われるような制度を整えていきたいと思います。目的や目標があれば、日々の実務への取り組み方も違います。独立するまでの当社での仕事にも大きく寄与するので、お互いにとってメリットがあるわけです。多様・高度化するお客様からの要望に応えられるよう、当社の業務内容や形態も変化させていきたいと考えています。

★CLOSE UP
債務整理
 
■任意整理
裁判所を利用せずに、司法書士が債務者(借りた側)に代わり、債権者(貸した側)と交渉を行い「払う」方向で債務整理を進めます。依頼者の収入や家計から確実に返済していける金額を算出し、支払い計画を立てます。司法書士や弁護士が受任すると債務者への催促や取立てができなくなります。
将来利息のカットや一括返済の場合の借金減額などを交渉します。
 
■自己破産
返済のめどが立たず、どうしても借金が返済できない方の生活再建を目指す制度です。裁判所に破産の申立てをし、残債務の免除・免責を受けます。
日常生活に必要な生活必需品や家財道具は処分の対象にならないので、通常の生活を続けることが可能です。ただし借金の原因が、浪費やギャンブル等の場合は免責が受けられない場合もあります。
 
■特定調停
特定調停は、裁判所を利用する任意整理のようなもので、自分で借金の整理をする方法としてよく使われます。裁判所が選ぶ調停委員が仲介役となり、債権者との交渉を行います。簡易で費用が安く済むのが特徴ですが、時間がかかります。司法書士は依頼があれば書類作成や代理として口頭弁論などを行います。
 
■過払金返還請求
過払金とは、消費者金融に払い過ぎたお金のことです。
利息制限法を超えたグレーゾーン金利の支払を長期に渡って行っていた場合に、過払金が発生している可能性があり、返還を求めることができます。一般的には7年以上取引を継続していれば過払金が発生している可能性があるといえるでしょう。
利息制限法に基づいて再計算をし、過払金を取り戻すのが過払金返還請求です。過払金返還手続は多くの場合、任意整理などの債務整理手続の受任により開始となります。
 
成年後見手続
 
成年後見制度は、認知症、知的障害、精神障害などが理由で判断能力を欠く方、または判断能力が不十分な方の財産を管理したり、不利益な契約を結んだりしないように保護し、支援する制度です。成年後見制度には大きくわけて「法定後見制度」と「任意後見制度」の二つがあります。
 
■ 法定後見制度
 
既に判断能力を欠いている方、または判断能力が不十分な方が対象となります。
本人の判断能力の程度や事情に応じて「後見制度」「保佐制度」「補助制度」の3種類に分けられます。
 
「後見制度」
本人を代理するため、後見人が選任されます。常に判断能力を欠く状況にある人で、物事の判断ができない方が対象となります。
 
「保佐制度」
本人を支援するために保佐人が選任されます。判断能力が著しく不十分な方が対象となります。保佐人の同意なしでは、法律で決められた一定の重要な事項をすることができません。
 
「補助制度」
本人を支援するために補助人が選任されます。判断能力が不十分な方が対象となります。大体のことは本人が判断できるが、難しい事項に関して、あらかじめ補助人の同意が必要となります。
 
■ 任意後見制度
 
現時点で判断能力が十分な方が対象となります。
将来への不安(認知症になるなど)を抱いている方などが利用することができます。
この制度を利用するには、まず後見人となる人との契約が必要となります。また、この契約は公正証書で結ばなければなりません。この契約を任意後見契約といいます。
後に、自分の判断能力が落ちたと判断したときは、家庭裁判所に申立てをすれば任意後見人が契約書で定められた仕事(財産の管理など)をすることになります。任意後見監督人が家庭裁判所より選任され、任意後見人が適正に後見の仕事をしているかどうか監視することになりますので安心です。


Informathion

JR池袋から徒歩5分の好立地にある
「ベストファーム池袋店」

■事務所プロフィール
株式会社 ベストファーム
 
■業務内容
債務整理・破産、相続登記、建物新築登記、商業・法人登記、遺言作成、成年後見手続、少額訴訟、土地測量・境界確定
■事務所
<池袋店 東京本部>
〒170-0013 東京都豊島区東池袋1-25-17 
ウエストビル1階
Free Dial : 0120-165-018
<川越店>
〒350-1123 埼玉県川越市脇田本町6番地1 
川越伊東ビル6階
Free Dial : 0120-165-018
<石川店>
〒963-7836 福島県石川郡石川町塩沢字広畑44-1
(福島合同事務所内)
TEL:0247-26-7320
<郡山店>
〒962-0201 福島県郡山市大槻町字御前43番地
TEL:024-962-7866
<いわき店>
〒970-8026 福島県いわき市平字新川町15番地1
TEL:0246-35-6233
■グループ案内
司法書士法人 ベストファーム、土地家屋調査士法人 ベストファーム、
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■ホームページ
http://www.bestfirm.co.jp/