講義やテキストの内容、憲法の理念・精神… 伊藤塾で学んだものは今も大いに役立っています

2008年2月掲載

【滋賀県】 たけまえ司法書士事務所 竹前浩和 先生 (司法書士)

■Profile
2005年 司法書士試験合格
2006年 滋賀県草津市にて「たけまえ司法書士事務所」開設

司法書士を目指した理由

大学に入学する時から漠然と法律に携わる仕事をしたいと考えており、その後、友人が目指していたことから司法書士に興味を持ちました。仕事の内容を調べるうちに、自分も司法書士になりたいと強く思うようになっていきました。具体的には、予防法務を目的とする登記業務と、治療法務を内容とする民事訴訟業務の双方を仕事の内容にしている点に魅力を感じました。また、他資格に比べての独立開業のし易さや、一般的に言われている平均年収なども目指したきっかけの一つです。

入塾のきっかけと講座の感想

私は、社会人としては5年半ほど働いた後で、母校の法職課程を利用して司法書士試験の勉強を始めました。そして、母校の司法書士試験対策コースが、伊藤塾と提携していたため伊藤塾に入塾し、司法書士入門講座を受講することにしました。私が受講した入門講座は、入門という名前を冠していましたが、司法書士試験合格に必要十分な内容が全て含まれており、この講座だけで合格のための十分な力がついたと思います。

現在の主な業務

 債務整理(任意整理・自己破産・個人民事再生)やその他の簡裁訴訟等代理業務の割合が大体7割程度ですので、現在の中心業務は多重債務問題です。残りの3割は不動産登記業務・商業登記業務です。
具体的な仕事の内容としては、色々あるので一概には言えませんが、例えば、
・破産申立書の作成及び提出
・個人民事再生申立書の作成及び提出
・借金について利息制限法による引き直し計算を行い、その結果、債権者と借金の減 額交渉や分割払いの交渉をしたり、また払いすぎた利息があるときは、これを取り 戻す過払金返還請求訴訟をする
・内容証明郵便を送り、代理人として相手方と様々な交渉を行う
・様々な民事・家事事件の相談(もちろん登記も) などです。
また、依頼される方も多様ですが、以下の様なケースが多いです。
・借金問題など多重債務に陥って困っている方(クレサラ問題)
・悪質商法にひっかかって困っている方(過剰与信問題)
・賃貸物件から強制的な立ち退きを求められて悩んでいる方や敷金返還トラブルで 困っている方
・知人にお金を貸したが返してもらえずに困っている方
・会社でのセクハラ被害に悩んでいる方
・慰謝料請求をされて困っている方(被告事件)
・離婚問題で悩んでいる方
具体的な仕事の流れ
 一概には言えませんが、上記の過払金返還請求についていえば下記の通りです。
 
(1)借金・多重債務問題についての相談を受ける。
(2)代理人として債権者へ受任通知を出し、依頼者への督促、取立て行為を止めると共に、取引履歴の開示を求める。
(3)取引履歴が開示されたら、様々な証拠書類と照らし合わせて虚偽事項がないか確認して、利息制限法の引き直し計算を行う。
(4)債権者へ過払金についての返還請求の通知を出す。
(5)債権者と交渉し、過払金の返還を受ける(又は交渉が決裂し、訴状作成し、訴訟を提起する)。

司法書士ならではの仕事とは

司法書士ならではの仕事といえば、やはり登記業務であり、特に不動産登記業務では、取引の立ち会い等で、人・物・意思の確認を司法書士がしっかりと行い、正確な物権変動を登記することにより、市民の権利保全と社会における取引の安全に役立っていると思います。また、弁護士同様、債務整理や市民間の紛争解決を中心とする簡裁訴訟等代理関係業務を通じても、困難に直面している市民の方々の問題解決にお役に立てていると思います。

やりがいを感じる瞬間

多重債務に陥って困り果てて来所された方の債務整理を行い、借金問題を解決した後の依頼者の笑顔を見た時は、司法書士になって本当に良かったと感じます。特にヤミ金を相手にした時や、負債・債権者の多い個人事業者の破産申立など困難な案件をやり終えたときには、とても大変な仕事であった分、特別なやりがいを感じました。

今後の司法書士業務の拡大について

やはり、超高齢化社会の到来に伴って必要とされる関連業務が、今後の司法書士の活動領域として一層拡がってくると思います。具体的には、成年後見等の申立や後見人等の就任、そしてこれらに付随する財産管理業務や遺産管理なども将来的に拡がっていく仕事であると考えています。また、多重債務問題だけでなく、悪質商法がらみのトラブルやこれに伴うクレジット過剰与信問題にも、司法書士がより積極的に関与していくべきであると思います。

必要とされる「プロフェッショナリズム」

プロフェッショナリズムというか専門家としては当たり前のことなのですが、法改正が頻繁に行われ、司法書士がかかわる様々な業務分野がめまぐるしく変わる現在の実務状況の中では、常に研修等を通じて最新の法的知識(法令・判例・実務)に精通し、幅広い分野の勉強を継続していかなければならない厳しさを日々実感しています。また、独立開業すると、全て自己の責任・判断で決定しなければならないことを、自身の経験として実感しました。

精神の支柱にある「憲法の理念」

伊藤塾で憲法を学んだことによって、あらためて憲法の理念・精神について考える機会ができてよかったです。そのことによって、法律実務家としての価値判断を求められる時に、憲法の理念・精神がその判断基準になっていると感じられます。特に簡裁訴訟代理権を取得してからの司法書士は、紛争解決のために様々な場面での価値判断を求められるので、伊藤塾で憲法を学んだことが役立っていると思います。

伊藤塾で得たもの

伊藤塾で使っていたテキストは非常に分かりやすく、実務に出てからも事務所に常置してたまに見ています。特に実務に出ると、受験勉強時代とは異なる勉強が必要となり、実務についての新たな知識を得る反面、受験時代に学んだ基本的な知識も少しずつ忘れていってしまうので、そんなときに曖昧になった知識の確認のために、机の中に全教科分のテキストを入れて利用しています。優れたテキストは、実務に出てからも役に立つので、そのような意味で、伊藤塾で学んだことや、ずっと使えるテキストが今も役に立っていると思います。

これからのビジョン

司法書士の業務範囲の仕事は、どんな依頼も出来る限り受認していきたいと考えていますので、常に最新の幅広い知識を得るべく研修・勉強を続け、オールマイティな実務家になりたいと考えています。

受験生へのメッセージ

長い受験勉強の間には、外野からの様々な声が邪魔になったり、何度も諦めそうになったりすることもあるでしょうが、そんな時は、講師の言葉を信じ、合格後の自分の姿を想像してみてください。また頑張る力が出てくると思います。この司法書士という試験はやるべきことをやれば必ず合格できる試験ですので、伊藤塾を信じて最後まで諦めずに頑張ってください。皆さんと実務の世界でお会いできることを楽しみにしております。


Information
たけまえ司法書士事務所
 
■業務内容
債務整理(任意整理・自己破産・個人民事再生)、簡裁訴訟等代理業務、不動産登記業務・商業登記業務
 
■住所
〒525-0028
滋賀県草津市上笠4丁目4番31号 上林ビル2F
 
■現在の「ある一日のスケジュール」
8:00 起床・シャワー・朝食
9:00 出勤後、仕事の準備
10:00 簡易裁判所での口頭弁論期日に出席
11:00 法務局へ登記申請と書類の回収、謄本の取得等
13:00 昼食
14:00 事務所で書類の整理や登記申請書類や訴状の作成・利息の引き直し計算
15:00 電話相談
16:15 理事会など(司法書士会の会務) *月に3~4回程度
20:00 事務所へ帰り、明日の仕事の準備
21:00 退勤
21:30 帰宅 
*夕食が遅くなることが多いので、独立するとほぼ確実に太ります(笑)。