合格後すぐに、企業法務中心の事務所を開設、
伊藤塾で合格し、本当に世界が広がりました

せがわ司法書士事務所
瀬川 知穂

■Profile
2006年 司法書士試験合格
2007年 東京都港区「司法書士事務所イトーリーガル」入所
2008年 東京都新宿区「司法書士法人NCP」入所
2009年 高知県高知市「伊藤まこと司法書士事務所」入所
2012年 高知県南国市「せがわ司法書士事務所」開設
 

はじめに

最初は司法試験合格を目指して、伊藤塾で司法試験対策講座を受講していたのですが、大学を卒業した年の択一試験不合格を受けて、心機一転、今までの学習経験を活かすことができ、かつ、試験勉強が実務により直結している司法書士を目指すことにしました。また、司法試験の勉強をしていた当時から、自分のなりたい法律家像は、「身近なホームロイヤー」といったものでした。それであれば、弁護士でなくても、司法書士の業務範囲で十分自分の夢をかなえることができること知り、司法書士になりたいという思いがますます強くなりました。

伊藤塾を選んだ理由

最初、司法試験の対策講座を受講するために伊藤塾に入塾したのは、大学の友人が多く通っており、高い評判を耳にしたからでした。司法書士試験に転進するにあたっても、伊藤塾の講座を選んだ理由は、元々塾生であったため、フォローなどの制度が充実していることを知っていたこと、また、受講料が安かったことが決め手となりました。私は入門講座山村クラス速修生(スピードマスター)の1期生だったのですが、山村講師の講義では、短期合格するための必要最小限の知識をメリハリをつけて教えていただけるので、自分で復習する際に覚えるべき・理解すべき事項が明白でした。また、早い時期からの、答案構成という手法を用いた初心者でも理解しやすい記述式対策も、本当に有意義でした。

現在の中心業務

5月に開業して以降は、不動産登記と商業登記が半々くらいです。不動産登記は、決済(取引き)、相続、贈与、(根)抵当権関係等で、商業登記は、会社・法人のニーズに応じて、設立、役員変更、増減資、機関変更、目的変更、解散等、多岐にわたっています。

地方での司法書士の活躍の場

都会の事務所は、さまざまな分野に特化した事務所も多いと思いますが、地方の司法書士は、いわゆる「街の何でも屋」であることのほうが多いという現状があります。また、人間的なつながりを重視する風土も根強く残っているので、一度依頼をいただいたお客さんが、別件でまた相談に来てくれて、それが仕事につながっていくということも多々あります。中には司法書士の職域外の相談であることもありますが、そういった時にはそれに応じた専門家を紹介できますし、「法律問題っぽいけれども、何をどこに相談していいかわからない」市民に対し、ホームロイヤー的役割を果たすことができるのは、「街の何でも屋」として市民に身近な存在であるからこそだといえると思います。また、「若い世代の司法書士」というところに限ってみても、ニーズはあると感じています。というのも、地方の年輩の方には、「センセイアレルギー」のような方も多く、「こんなこと司法書士にきいたら、馬鹿にされるんじゃないかと思って今まで相談できませんでした」という話を何度も聞いたことがあります。高齢化の進む地方で、子や孫のようで親しみやすく相談しやすい司法書士。こういったところにも、活躍の場は大いにあると思います。

結婚、出産後も仕事ができる司法書士の魅力

私は今年(2012年)5月に出産をしました。私のような個人事務所は、開業をしてしまえば、産休・育休といったものは自分で決めることになります。自分の判断で、一般企業と同様の育休のような形で休むこともできますし、出産後すぐに仕事をすることもできます。私の場合は、家族の協力を得て出産後すぐに、自分と赤ちゃんに負担のかからない範囲で仕事を始めました。結婚・出産という働く女性にとってはともすれば不利になりかねないターニングポイントにおいても、自分の判断で仕事が続けられたり、仕事の調整ができるというのは、司法書士(士業)ならではの魅力だと感じています。ちなみに、早々に仕事復帰してしまった私ですが、実は、仕事に集中する時間が少しでもできることによって、育児に余裕ができるというメリットもあります。一日中赤ちゃんといるともしかすると息が詰まってしまうこともあるかもしれません。仕事をする時間があることによって、それがいい気分転換になり、その結果育児にストレスを感じる度合いが下がっているように感じています。

職務姿勢の根底にある憲法の理念

普通、権利というものは目に見えないものなのですが、不動産登記においては、権利が「権利書」という形で目に見えてしまいます。また、土地や建物という、普通、人が一生のうちにする買い物のうちで一番大きな買い物であると考えられるものを取り扱うという点で、その「目に見える権利」にいろんな人権が絡んでくるものでもあると思います。このような中で働く人間として、やはり人権意識というものはしっかりもっていなければならないと思いますし、毎日そういった中で働くうちに、権利感覚を麻痺させてしまうようなことがないよう、高い意識を持ち続けなければならないと思います。

これからのビジョンと受験生へのメッセージ

実家のある高知に帰って司法書士を始めてみて、東京ではなかなか参加する機会のなかった活動(青年司法書士協議会やリーガルサポートなど)にも色々と参加するようになり、司法書士の職域の広さや、司法書士が様々なところで求められているということに改めて気づきました。その中で、私は、「身近な人々や、女性・子ども・お年寄りに優しい司法書士」になるという目標を実現させるべく、今後も様々な活動に取り組んでいきたいと思います。司法書士試験は、近年難易度も上がり、私たちの頃よりもますます大変になっているとお聞きします。どうか最後まであきらめず、頑張ってください。

せがわ司法書士事務所

■事務所住所

〒783-0006
高知県南国市篠原1403

■業務内容

銀行との取引に関する業務、各種不動産手続、各種商業登記、裁判業務

■現在の「ある一日のスケジュール」

09:00 事務所に出勤 郵便物の到着確認や郵送申請した登記の完了日の確認
09:45 法務局へ 完了した登記の回収
11:45 事務所に戻る
12:00 事務所にて昼食
13:00 登記書類の返却準備 回収してきた登記書類を返却先別に分け、返却する準備
14:30 銀行へ書類の受け取り
16:00 裁判書類作成 依頼者から預かっている証拠と照らし合わせながら訴状等を作成する
17:00 翌日申請する登記書類の準備
18:00 裁判書類作成の続き
19:30 終業