フルタイムで働きながら、そして主婦で家事をこなしながらの受験勉強は簡単なものではありませんでした。
1年間で絶対合格する、という目標について自信や確信が待てたことはありませんでしたが、この目標をあきらめたことは一度もありませんでした。

手に職をつけるなら“すし職人”?
それとも“司法書士”

 私は大学卒業後、特に資格を意識せず法律事務所に就職しました。そこで勤務しているうちに、手に職をつけて一生働ける仕事をしたいという思いが強くなりました。さて資格を取ろうと考え、行政書士試験や、それこそ“すし職人”までさまざまな資格が選択肢に上がりましたが、現実的に考えると司法書士だと思い受験を決意しました。
 早く合格したかったので受験指導校を利用し、いくつか候補を探しました。その中でも伊藤塾を選択した一番の理由はガイダンスで山村講師の話し方やその方法論に接し「これならいけるかも」と思ったからです。スタッフの対応にも、“やればできる”という安心感があり迷わず決めました。

知らず知らずのうちに効果が上がっている!
入門講座の講義

 入門講座は、法律の勉強が、特に民法の講義は楽しく受講できました。しかし次の不登法では、登記の全体像がわからず、覚えることも増えたので、ちょっと戸惑いました。それでもやることはやる、ひたすら繰り返すことを必死に続けていました。意味がわからなくても、講師に覚えろと言われたことはひたすら覚えていきました。とにかく、始めたからにはやらない訳にはいかないと、黙々と勉強しました。後で考えるとこれがよかった、内容があまり理解できていなくても、覚えることで、後から内容が頭に入ってきます。理解できていないことを覚えることは辛いのですが、講師の言うことを信じてやっていれば、自然と理解できるようになっていました。
 山村講師はモチベーションも気にされていて、「受験勉強は前人未踏なことをやっているわけではない」「試験範囲は膨大だが合格する人はみんなやっている」「試験当日に合格ラインに入ればいい」「合格する年には何かがある」などの言葉はよく覚えています。特に「合格する年には何かある」は私の頭に強く残り大きなモチベーションとなりました。
 またカウンセリング制度や質問制度も十分活用しました。質問は聴きに行くのが恥ずかしいと思うときもあるのですが、理解に役立ち、利用していない人はもったいないと思います。結果的に今年合格できましたが、公開模試で合格判定に達したことはなく、しかし「試験当日に合格ラインに入ればいい」という言葉を信じてあきらめずに勉強しました。 
 試験直前になってわかったのですが、模擬試験を受験して、入門講座のテキストを見返すと、わからなかったことや、重要なところはすべてテキストに記載されていました。また該当箇所の周辺には、講師が言った、重要なポイントが書かれていました。当時は言われるがまま、書き込みをしていただけだったのですが、有効活用できるテキストが自然とでき上がっていて、びっくりしました。私は入門講座しか受講していないので、言われたことをやるのがあたりまえだと思ってやっていたのですが、たとえば書式の勉強を早くから始めることなど、入門講座での勉強は合格のための理想的なカリキュラムだったようです。勉強スタイルは、講義の受講以外は、集中できる朝の出勤前に3時間、それと休日にまとまった時間勉強するだけで、夜は主人の食事の支度や家事のために一切勉強しませんでした。この極端なメリハリも、学習効率からすると効果的だったのかもしれません。今年の試験が終わっても合格できたという実感はありませんでしたが、受験勉強中、合格できないと思うことは一度もありませんでしたし、いつでも絶対合格するつもりで勉強していました。

合格する年には
なにかがある

 山村講師の「合格する年には“なにか”ある」、その“なにか”が訪れたのは年末のことでした。働き盛りの父が突然亡くなったのです。前日まで何事もなく元気に働いていた父の死は、私にとって大きなショックで落ち込みは大きいものでした。受験勉強などできないくらいに悲しかったのですが、なぜか山村講師の「合格する年にはなにかがある」が頭にうかびました。そして、この悲しい出来事は逆に私の受験勉強にあらためて火をつけました。このことが原因で合格できなかった、と絶対に思われたくない、合格できなかったことの言い訳にしたくない、そんな気持ちが私の胸にふつふつとわいてきたのです。そのような思いから、すぐに受験勉強を再開した私は、周りからは親不孝と思われたかもしれません。しかし合格できた今は、本当の意味の親孝行ができたのではないかと思っています。

悔しさが私の活力、
信じ続けた一発合格

 私は試験勉強を始めてから1年、1回の受験で合格することができました。働きながら、主婦をしながら、父の急死を乗り越えての受験勉強でした。どれも勉強のしやすい環境ではありません。しかしそれが理由で合格できなかったとは絶対に言いたくありませんでした。絶対に1年で合格したかったのです。
 勤務している法律事務所では経験上、私が答えられる案件はあるのですが、資格の裏づけがないので説得力がありません。法律の世界は資格に対する信頼がとても厚いのです。それがくやしかった。もし資格があれば、そこに説得力が生まれる、そして自信が持てる、そのように考えました。1年間の受験勉強中は、夢に出てくるくらい、いつも法律のことを考え、講義で答えられなかったことが悔しいと思うようになりました。とにかく、不合格になって2年目も受験勉強をすることは想像しませんでした。絶対に1年で合格するという思いを常にもって勉強しました。司法書士になりたい、それ以上に、今まで体験した“悔しい”という気持ちを解消したくて、勉強を続けられたのだと思います。今は、好きなことができる、あたりまえの生活がとてもうれしく感じています。また、やりきったという喜びと充実感にあふれています。