父が倒れて生活が一転、
相続や家族関係の悪化からやっと立ち直り、
今思うこと「自分と大切な人を守れる強い法律家になる!」

佐藤 桂子さん(40代)

◆受験回数 3回
◆主な受講講座
中上級講座》中上級コース、択一登記法集中演習講座
直前対策講座》プレ模試、全国公開模擬試験、直前パック

私はこうして司法書士を目指す決意をしました

 私は、父の死や母の介護等の家庭内の問題を通じて、介護・医療・福祉の分野での法的支援がまだまだ足りないことを実感しました。そして、権利擁護という考え方を知ることで自然とこれまでの自分自身の経験から法律家の道というものが見えてきたように思います。最初の動機は「自分と大切な人を守れる強い人間になりたい」という単純なものでした。
 友人を通じて司法書士という仕事のことは知っておりましたので、私の中で自然発生的に司法書士という選択肢が出てきました。夫は私の挑戦を快く受け止めて応援してくれました。

伊藤塾を活用した私の学習方法

〈1年目〉

 そして2015年の4月から他の受験指導校の初級コースで勉強をはじめました。初級の基礎講座がひと通り終わった2016年の1月に母の本格的な介護が始まり、全く勉強時間が取れない状況になりました。そしてそのまま1年目の本試験を迎え、択一式の基準点が超えられず散々なものでした。
 そして半年後の11月に、最愛の母が息を引き取りました。四十九日が終わり母の形見を整理していたところ、母の日記を見つけました。「司法書士試験に合格することを願っている。勉強の邪魔ばかりして胸が痛い。」と・・・。その日記を読んで、私はもう一度、司法書士の合格を強く決意しました。
 その後、家庭の事情がほぼ落ち着いて、2017年1月から2年目の勉強を始めました。

〈2年目〉

 まず、全く太刀打ちできない状態の記述式を何とかしなければ!と思い、ネットで合格者の情報を探しましたところ、ある合格者の方が山村拓也講師の「うかる!司法書士記述式答案構成力シリーズ」(日本経済新聞出版社)を絶賛していらっしゃいました。早速、2冊(不動産登記、商業登記)を購入しました。その時の驚きは今も覚えています。「こんな考え方があったんかー!!!」と目から鱗でした。
 それが私と伊藤塾との出会いでした。その日から毎日8時間くらい勉強しました。2年目の2月から直前までのこの時期が一番勉強した時期でした。2月3月で山村講師の本を3回繰り返しました。
 そして4月から始まる蛭町浩講師と「うかる!記述式」と宇津木卓磨講師の「うかる!択一式」を受講しました。蛭町講師の講義は凄くレベルが高いのにどんどん頭に残って行く感じで、金八先生みたい!と感激しました。特に商業登記は知らないことばかりで伊藤塾のレベルの高さを実感しました。
 宇津木卓磨講師の講義はテンポが良くて、メリハリがハッキリしていて要点がわかりやすかったです。
 プレ模試~公開模試の解説講義も充実していて、髙橋智宏講師の解説で区別がつきにくかった論点(例えば資本金の額が誤って多く登記したときは更正できるけど誤って少なくしたときはやり直しなど)の根拠がわかって二度と間違えないという現象がいくつかあったのも有難かったです。
 2年目はかなり頑張ったのですが、やはり1年勉強期間が空いたことで絶対的な勉強時間が足りず午前26、午後24、記述式38点という点で総合落ちでした。
 きっぱり諦めがつく点数だったので、伊藤塾の本試験問題分析会の後すぐに3年目の中上級講座を申し込みました。申込にあたっては分析会で直接宇津木講師にお会いしてアドバイスをいただきました。私は「行政書士講座などに浮気している時間はないよ!司法書士試験に専念して!」とハッキリ言ってくださったお蔭で、迷いなく7月末から勉強を再開することができました。

〈3年目〉

 3年目はほぼ順調に勉強を進めることができました。伊藤塾合格者の体験談はマネできるものは全てマネしました。主に取り入れたのは携帯の写メを利用することです。横断整理表とか苦手な所はどんどんテキストや答練のページを写メに撮って出かけた先でも見るようにしました。
 それとカラー付箋です。100均で売っている半透明の一番細い付箋を駆使しました。自分のダメさ加減別に色分けしてダメな色を少なくなるように努力すると視覚的にも自分の進歩がわかるので良かったです。直前期の4月に夫が身体を壊して病院通いが続きましたので少し勉強時間は減りましたが、平均で1日4、5時間くらいはできたと思います。
 勉強時間が取れない状況の中でも宇津木講師の講義ではやるべきところとやらなくても良いところをしっかりメリハリをつけてくれるので、講師に言われたことしかやりませんでした。年内の演習講座については第一回目からほとんど合格点を取れていたので、間違えた肢だけを繰り返してやりました。
 そして年明けに山村講師の「記述式答案構成力養成答練」が始まりましたが、あまりのスピードになかなかついていけずアップアップする状況でした。3月まで結局一巡しかできなくて直前期に突入しました。
 4月からの「うかる!記述式」を受けようか迷っていて、ガイダンスに参加しました。そこで蛭町講師にお会いして、まだ山村講師の講座が復習できてないと伝えると「うかる!」を受講するのは止めた方が良いとアドバイスしていただきました。宇津木講師からも同じアドバイスをいただきました。
 徹底的に受験生の側に立って合格させることだけを考えてくださる講師の姿に改めて頭が下がる思いでした。講師の方々のアドバイス通り、直前期は今までやってきた講座と教材を徹底的に復習することにしました。
 私は不動産登記法でイマイチ点が安定せず伸び悩んでいたので、3月の髙橋講師の「新・択一式登記法集中演習講座」だけは受講しました。この講座は私にはぴったりだったようで、不動産登記法と商業登記法のわかっているようでわかっていないところが埋まっていくような感じでした。薄いテキストなので何回も復習することができるのも良かったです。おかげさまで5月の公開模試の時には不動産登記法が得点源になって午後の方が良い点数になり、2回目の公開模試でも同じように安定して午後の点が出せるようになりました。一気に不動産登記法が得意になりました。
 5月終わりごろに宇津木講師に電話でカウンセリングをしていただきました。私は午前の科目の方が苦手で、特に憲法と民法がイマイチだと伝えました。宇津木講師は「勉強時間はどのくらい取れそう?」と聞かれたので、「3時間、5時間できる日も時々あります」と答えると、「憲法と民法はやっぱり丁寧に条文、判例を読んで理解するように、民訴系~供託は過去問だけでOK。過去問をきっちり昭和の問題からやって」とその時間内でできる科目ごとの勉強方法を教えてくださいました。きっぱりと「民法の過去問は捨てて」と言われたので、さすがに捨てることはできなかったけど、封印することはできました。そのアドバイスのお蔭で、本試験では憲法は全問正解、民法は18問(マークを間違えなければ19問)という結果につながりました。民法では今年は条文の細かい所を押さえているかを問われる問題がいくつかあったので、特に債権法の条文をきっちり読み込んだことも良かったと思います。

受験生の方へのアドバイス

 午後の択一式と記述式を解く順番で私はちょっと変わったやり方をしていました。「まず商業登記記述 50分~55分 → 択一式の商業登記法 15分以内 → 最初に戻って民事訴訟系・書士・供託 15分以内 → 択一式不動産登記法 最低30分確保 → 最後にゆっくり検討するため不動産登記記述 1時間」という配分でやっていました。
 理由は、多くの受験生は択一式から解きはじめるので試験開始後60分過ぎたくらいからバサバサと記述に移る人の紙の音が聞こえてきます。その時に自分がまだ解き終わっていないと焦って間違ってしまうのではじめから違うことをして時間競争の土俵から降りてしまうためでした。それと連続で記述を書くと手が痛くなってしまいスピードが落ちるからでした。商業登記の記述式を先に持ってきたのは、蛭町講師がおっしゃっていたようにとにかく書いてしまえという要素が強いのと、不動産登記記述より得意だったからだと思います。私は午後では科目ごとにブロック分けして目標の時間を決めていました。細かく時間を守ることで大幅にどこか特定の科目に時間を取ってしまうということが防げたと思います。
 こうして本試験までに色々と自分なりの順番を試してみるのも方法のひとつだと思います。
 もう1つ、午後の択一式の時間についてですが、知識が定着しないままに時間ばかり気にしても結局間違ってばかりになってしまいます。私の場合2年目がそうでした。60分なんて絶対無理と思っていました。そんな私でも3年目の公開模試の時点では大体60分以内、遅くても65分で解き終われるようになりました。午後の科目はほとんど暗記ものですので知識がしっかり定着してくると自ずと問題検討時間は速くなります。
 私は公開模試~本試験まで午後の方が午前より点が良く、30問以上をキープできるようになりました。覚えきるということをすると時間は後からついてきます。自信を持って肢を切れるようになると全肢の検討は必要なくなってきて多くて3肢くらいしか見なくて済みます。まずはテキストと条文をしっかり読んでインプットを徹底的に行い、知識を定着させてください。

最後に

 私は2年目の直前期に伊藤塾を受講しはじめました。伊藤塾の講義を受けて、それまで散らかっていてぼやけていた知識が形になってまとまっていくような感覚でした。
 蛭町浩講師、宇津木卓磨講師には何度もカウンセリングや対面の相談をさせて頂いて、精神的にも凄く支えていただきました。宇津木講師がいつもおっしゃっていた「過去も未来も考えるな。今目の前にあることを淡々とやるように」という言葉は私にとってはとても重くて深い言葉でした。私は伊藤塾のお蔭でこの試験に合格することができました。そしてなぜ法律家を目指したのか、という初心を忘れないように、祝賀会で伊藤塾長がおっしゃっていた憲法の理念を忘れずに、地域社会で役に立てるよう頑張っていきたいと思っております。本当に有難うございました!