司法試験受験経験から言える、司法書士試験合格には
重箱の隅をつつく勉強ではなく、基本となる知識の正確な理解

K.Sさん(30代)

◆受験回数 6回
◆主な受講講座
入門講座》入門講座速修生(山村クラス
中上級講座》中級コース、蛭町記述コース、演習コース
直前対策講座》択一クイックマスター総整理講座、プレ模試、全国公開模擬試験

私はこうして司法書士を目指す決意をしました

私は長く司法試験の勉強をしてきましたが、法科大学院を卒業後に受験資格を喪失したため、司法書士試験にシフトしました。司法書士試験にチャレンジした理由は、親が司法書士事務所を経営していたことが大きな要因です。また、試験科目が司法試験とかぶる科目が多かったことも挙げられると思います。

合格への道のり

6回目の受験でようやく合格するに至りました。最初の1年半は専業で、そのあとは補助者業務をしながら勉強をしてきました。合格までの試験結果ですが、3年目で午前のみ基準点クリア、4年目で午後のみ基準点クリア、5年目で総合落ちという内容です。今回無事合格しましたが、結果は択一で基準点プラス5問、記述で45点という状況でした。総合点ではプラス6点くらいで合格に至りました。順位は400番前半でした。
おそらく他の合格者と大きく異なる点は、私は今年の試験の自己採点を全くしていないということだと思っております。もちろん、仕事が消費税増税の影響で忙しかったことも一因にありますが、試験が終わった後に自己採点・自己分析をする気にならなかったというのが最大の要因です。試験が終わった直後は「今年の午後の不動産登記択一は何だ!?」という状況で自己採点する気になれませんでした。8月に入って択一の基準点を見たときは、逆に、「意外と周りもできていなかったなぁ」と勝手に安堵し、また自分の感覚的に基準点は超えていると思ったので、自己採点をしませんでした。そして、筆記の合格発表時に自分の番号を見るに至った次第です。
今年は合格に至らなかった方や、これから司法書士試験にチャレンジされる方は、この合格者は自己採点をしないでズボラに合格発表を知るに至った人間なんだなぁと思って、以下の合格体験記を読んでください(逆に言えば、こんなズボラな人間でも合格できると思ってください)。

伊藤塾を活用した学習方法

私が司法書士試験にチャレンジをはじめた頃は、まだ他の受験指導校も司法試験からの転向のコースがなかったと記憶しています。伊藤塾は「入門講座速修生」があったのでそれを受講することからはじめました。その後は、「中上級コース」や単発の講座をいろいろ受講させていただきました。以下、講座についてそれぞれ感想を述べていきます。

【記述式答案構成力養成答練】

記述の基礎固めに最適な答練だと考えます。この講座で答案構成という幹を作って、あとは個人のやり方で応用を利かせれば、午後の記述は十分戦えると思います。山村拓也講師の思考を講義を通じてトレースし、問題演習を繰り返すという勉強方法が王道ではないでしょうか。個人的には、問題作成者の方のお話を不動産登記・商業登記の最終回で聞くこともひとつの楽しみでありました。

【蛭町記述コース】

記述で自分の書き方が固まった受験生におすすめです。特に、過去問の論点で再構成した問題は非常に参考になります。蛭町浩講師の講義は非常に内容が高度ですが、「あれは実はそういうことだったのか」と気づかされることが多かったと思います。

【択一クイックマスター総整理講座】

択一の基準点を確実にとるための講座です。左の問題及び右の総整理を完璧にすれば基準点近くは必ずとることができると経験上思いました。上級者になればなるほど重箱の隅をつつくような勉強をしがちになると思います。しかし、司法書士試験はまずは基本となる知識をしっかり固めたほうが有用であり、かつ基本となる知識も時間とともに抜けていくので、知識の維持のため繰り返しが重要となります。この講座で使用するテキストは、基本の繰り返しとして試験対策上最適でした。私も最後までこのテキストを軸に使いました。ただ、この講座では不動産登記が薄いと感じたので、「択一登記法集中演習講座」を追加で受講することをおすすめします。この講座は過去問肢を丁寧に比較・解説していく講座です。

【全国公開模試】

全2回で他の受験指導校に比べれば破格の値段で受講できるというのが最大のポイントだと思います。模試は必ず会場受験をおすすめします。
私は福岡まで遠征して受講しました。朝一の高速バスで移動し、模試を受けるというハードなスケジュールを組みました。肉体的には本試験より厳しい環境で模試を戦ったので、本番も乗り切れたのではないかと感じています。また、自分と同じように他県から遠征してきた感じの方がおられたので、そういう姿を見てモチベーションを上げるきっかけにもなりました。
もちろん、伊藤塾の模試の内容は素晴らしいと思いました。伊藤塾は安易に細かすぎる知識を問うよりは、基本をひねった良問が多い印象でした。

自身の受験経験を踏まえた、成功例、失敗談など

以下では受験経験であれこれやってきたことを箇条書きであげてみたいと思います。

・睡眠時間は削らない

もちろん、勉強時間を作るために睡眠を削るのもありかもしれません。しかし、身体を壊すとその分勉強時間も減ることになります。私は睡眠を削らないほうが勉強効率があがると感じたので7時間くらいの睡眠はとっていました。

・試験日は受験会場に勉強道具は持ち込まない

試験の休み時間は休むことだけにしました。好きな音楽を聞いて目を閉じたりしていたり、机で寝たりしていました(アイス枕を机においていました)。会場で直前まで知識を詰め込むのもありかもしれませんが、その集中力が試験時間では失われてしまい、結果としてケアレスミスをおこすのではないかと危惧します。

・勉強は早朝

仕事が終わってからの勉強は明らかに脳が疲れ切っていて効率が悪いと感じました。そこで、早朝に1時間から1時間半、勉強することにしていました。日々の勉強は、朝晩合わせて3時間できればオーケーとしていました。基本的に択一のインプットメイン+記述のパターンを10分くらい(あまり時間)という感じでした。休みの日に記述を不登法1問、商登法1問を解くことで、記述の解く感覚は維持していました。

・基準点を超えたことがある人は択一答練・模試の予習はしない

最後の2年は択一の予習を全くしませんでした。要は、素の力で受講してどれくらい点を取れるかを試していました。仮に、直前に暗記をしてそれが答練に出て点をとれたとして、それが本試験まで知識として維持できるでしょうか。基準点をクリアできる力をつけた人は、択一答練・模試を素の力で受けてそのときの基準点をクリアしてみてください。

現在学習中、またこれから学習を始める方へのメッセージ

司法書士試験は合格するのに、相当量の勉強を行う必要があります。その覚悟をもって挑んでください。司法試験からの転向の方も午後は相当勉強しないと厳しいです。午後の3時間は訓練しないと知識だけでは難しいと思います。

今年不合格だった方へ

まず、来年は民法の改正を避けて通ることはできません。その対策をするために受験指導校を利用するのが安全だと思います。私も不合格だった場合は「択一クイックマスター総整理講座」と「記述式答案構成力養成答練」は最低限受講するつもりでした。古いテキストでの勉強はリスクがあります。来年は試験地も少なくなり、受験地に住んでいない地方の受験者には厳しい状況でありますが、頑張ってください。