2021年司法書士試験に1回の受験で合格した40代のお二人に、司法書士試験受験の、不安や実際の勉強について本音を語っていただきました。
いのうえやすえ です。
2021年の司法書士試験に1回で合格することができました。小学校3年生と5歳の子供がいます。地方公務員として働いてきましたが、司法書士試験受験を決意し仕事をやめて勉強に専念しました。
ふかみずあきこ です。
2021年司法書士試験に1回で合格することができました。独身で家族と暮らしています。接客業で働いていましたが、仕事をやめて司法書士試験にチャレンジしました。
なぜ、司法書士試験受験を考えたのですか。
深水さん
接客業をしていましたが、お客様とのトラブル対応には法律の知識が必要なときがありました。また従業員同士の相談にも、法律知識の必要性を感じました。そこでまず民法を勉強しようと行政書士という資格にたどり着きました。
井上さん
民法を勉強してから、接客時のトラブルに役立ちましたか。
深水さん
いままで、お客様への説明が不明確でトラブルが大きくなることがありましたが、民法を学ぶと、事例を整理して説明できるので、お伝えすべきことを判断してお答えできるようになり、トラブル回避に役立ちました。
井上さん
わかります!私も公務員で、住民の方のクレームには、会話に法律を持ち出すことはしませんが、これ以上のクレームは“職務強要罪”にあたると知って、余裕を持って、クレーム対応ができました。法律を知っているだけで自分の気持ちに余裕ができます。
井上さん
勉強開始には40代という年齢が大きかったです。第二の職業を考えると年齢で切られることもあります。しかし司法書士は40歳でも、50歳でも、60歳になっても、自分で働ける資格だと知りました。ですから法律を勉強したいというよりは、年齢を考え、これからの人生の保険にしたいというのが司法書士受験のきっかけでした。
深水さん
私もこの先の人生を考えると40代は最後のチャンスだと思いました。今なら、まだ勉強もできるけれど、この先はもう後がないという、微妙な年齢でした。資格を取得すれば、人生を見直す最後のチャンスになると思いました。
井上さん
同期合格者には50代の方も60代の方も70代の方もいらっしゃるので、今となっては40代が最後のチャンスではない資格だと思います。でも20歳ころから働き、20年くらい仕事をして、定年まであと20年強と、ちょうど折り返しなので、40代はセカンドライフを見直すきっかけになる年代でした。
法律を勉強することに不安はなかったですか。
深水さん
法学部出身ではないので法律知識も皆無、不安しかなかったです笑。司法書士試験は法学部の方が勉強する資格だと思っていたので、私には入りこむ隙間なんかないと受験決断には相当の覚悟をしました。
井上さん
深水さんは行政書士に合格してから、司法書士も受験していますがどうしてですか。
深水さん
まず民法を勉強したいと思い行政書士を勉強しました。その後、相続関係など、仕事の幅を広げたいと思うようになり司法書士にステップアップを考えました。
井上さん
私も文学部でしたから法律には馴染みがありませんでした。でも公務員試験では割と広く浅く勉強したので、“まぁ初めてではないぞ、だから頑張れるな”と軽い気持ちでした。しかし司法書士は用語がとても難しく、細かい知識でびっくりしました。ただ80歳の方が合格していたので、それなら頑張れば合格できる、やってやれないことはないだろうと思いました。
井上さん
実は私は脳トレのゲームアプリで、最初のチャレンジは脳年齢80歳と診断されました笑。
深水さん
え~!こわい!!
井上さん
聴いた話だと脳細胞は毎日何万単位で死ぬらしくて・・でも、やっていくうちに脳年齢20歳と判定されたときがありました!
深水さん
すご~い!
井上さん
身体も、筋トレを始めて、ぽよんぽよんだった下腹が、すこし引き締まって、筋ができてきました。だから40代を超えても、脳も筋肉も鍛えればまだまだいけると思い、心の支えになりました。司法書士試験も“なんとかなりそう”って思いました。
深水さん
私は、前職ではワーキングプア的な感じでした。AI化も進み、この先雇用も不安定、やっぱり手に職をつけたいと思いました。その時は、もう“やるしかない、やってみよう”と。記憶力の面でも仕事の関係上覚えることが多くなって、歳をとってからのほうが記憶力が良くなった実感があります。
井上さん
それはすごい!
深水さん
お客様とのトラブルの時は、その時の状況を記憶する必要があり、記憶力が確実によくなっていきました。「記憶力は覚える能力ではなく、覚えたことを思い出す能力が大事」と聞いて、記憶を思い出す力を鍛えれば“私でもいけるのかもしれない、だったら頑張ってみよう”と思いました。
井上さん
自分でもできるかもしれないと思える瞬間って嬉しいですよね。
独学で受験することを考えたことはありますか
最初は独学で頑張ろうと 市販のテキストを読みましたが一つも頭に入ってこなくて・・
わかるー!私もそうでした。
これでは無理だと諦めて伊藤塾で勉強することにしました。
私も最初は独学でやろうとテキストを買いました。そうしたらあの漢字の多さ。文章一行にひらがなが4つくらいしかないんですよ笑。それでなんかもう“無理だぁ!”と思いました。
たしかにテキストは漢字ばかり続きますね。
もう本当に字も小さいし、漢字ばかりが並ぶし、字面で読んでもなに言っているのか全然わかりませんでした。だから私も独学は無理だなと思いました。ですから独学に早々見切りをつけたのが良かったと思っています。 40代だから、 1年でも早く合格したいと独学を諦めたのが正解でした。
私も 無理に独学で頑張らなくてよかったです。
伊藤塾を選んだのは、 一回で合格できた秘訣中の秘訣と心底思っています
受験指導校はコストがかかりますが、どのように思いましたか
もう、“えいやー”って感じでした笑。
受講料を払うときに計算したのですが、入門講座の受講料をコマ数で割ると、マッサージに行くより安かったんです。マッサージって1時間 6000円とかかかりますが、それを考えると入門講座の受講料は、むしろ安く感じました。マッサージは一時的な快楽に過ぎないけれど、 入門講座は一生モノの人生の投資、同じお金を使うのだったら絶対伊藤塾でしょうと思いました。
私の姉が資格を持っていて 「資格は合格後に戻ってくる金額が大きいので、受験は大変でも、合格後の結果は全然違う、元をとって余りある」と背中を押されて納得しました。それも目指したきっかけです。
なるほど、経験者のアドバイスは重いですね!いい言葉をかけてもらってよかったですね。
今思うと、マッサージは日常生活のご褒美、入門講座は自分への投資だと思います。だから
これからしっかり、投資分を回収します!笑
そういえば入門講座は法律改正フォローがありました。法改正を自分で調べるのはとてもたいへんです。新しい法律が施行されて、どういう効果があって、どのように出題されるか、一人だったらとても無理です。試験直前までフォローしてくれて助かりました。
入門講座は講義だけでなく、テキストやドリル、模試もついていて、 後で買い足す必要がないオールインワンなので、実は本当にリーズナブルだと思います。
入門講座はどんな講座でしたか
深水さん
私は秋からスタートのコースで勉強しました。すでに講義が配信されていて、自分のペースで勉強できたので私にはあっていました
井上さん
私はライブクラスにあわせて配信するコースだったので配信ペースに合わせて受講していました。ペース配分について自分で考える必要がなかったので私には楽でした。
深水さん
入門講座はわかりにくい内容も丁寧に教えてくれていましたが、最初は全然わからず、聴いているだけでも難しいと思っていました。しかし、しばらく勉強してから、もう一度テキストを見直すとその部分が理解できるようになっていて驚きました。
井上さん
まあ、それはすごい。
深水さん
感動しましたよ。講義の最初のころにメモしろといわれてメモしていて、その時はその意味すらわからず読み飛ばしていましたが、後で見直した時に、すっきり頭に入ってきました。自分も勉強していて理解が深まり理解できるようになっていく喜びが大きく、やる気になりました。
入門講座の良かったところを教えてください
初学者向けに丁寧な講義でとてもわかりやすかったです。例えば、「ここは難しいから、今すぐわからなくてもいいですよ」と声をかけてくれます。メンタルのフォローはとても助かりました。
メンタルフォローは、すごくありがたかったですよね。それが無かったら、自分だけがわからない、と思ってしまいます。だから 「ここはみんなわからないよ」と言ってもらえるので安心しました。受験生同士の連帯感を感じました。
“わからないのは私だけじゃないから大丈夫!”っていう感じですね。webで受講していると他の受験生は見えないし、“もしかしたらみんなできているのに、自分だけできていない”と思ったら、へこんでいたと思います。
私も講師の励ましに何度も救われました。「ここは半分でいい」とか、「もうここは、ざっとでいい」とか、ことごとくメモしました。 わからかったところも、ざっとでいいと書いてあると落ち着くので、すごく助かりました。
講師の声がけはものすごい頼りにしていました。
私は仕事を辞めていたので、家で勉強か、子供の保育園の送迎か、のどちらかで世の中から取り残されている気がしていました。講義では時事ネタを話すこともあって、コロナの話とか、趣味の話とか。その言葉に“ああ、そうなのね”みたいにWebに向かって話していました。なんか独居老人がテレビと話しているみたいですが笑。
私も!講師の言葉に声を出して応えていました。
Webの講義ですが受講生との一体感が伝わるような雰囲気が入門講座にはありましたね。
雑談も自分に語りかけてくれるように面白く、“よし頑張ろう”という気持ちになりました。
そうそう、講義内容だけでなく人生についても考えさせられました。
山村講師の言葉で覚えていることはありますか。
「成績は合格直前に伸びる」と言っていました。成績が低迷していたので、本当に励みになりそれだけを信じていました。あとは 「失敗ノートを作ってください」と言われて、試験直前に作ったのですが、そこから面白いように成績が伸びました。直前になってからですよ。また、成績が低迷して、もう無理じゃないかなと思って・・・そんな時「しんどいと思っている時が一番合格に近づいている時ですよ」って優しく声をかけてくれて泣きそうになりました。
それはほろっときますよね。
いつもは厳しいけれど、その時は優しいと思いました笑。
やはり受験指導のプロだと思います。プロをなめたら駄目ですね。どの時期にどんな励ましをするか“この時期は受験生がこう思いがちだから、こういうことを言って”というのがありましたね。
あと、試験当日は緊張するから、会場に下見に行った方がいいと言っていました。こんな具体的なことまで、想像もしていなかったので助かりました。 試験当日のメンタルをあらかじめ把握していますね。
そうそう、私も覚えています。「試験前日は寝むれないけれど、寝むれなくて当然」って。それが当たり前と思って、前日を迎えるのか、 不安なまま当日を迎えるのか、天と地ほど差があると思います。でも私は寝むれました。“わりと寝れるわね”と思いましたが笑。
受験勉強中は、一日をどのように使って勉強していましたか。
私は夜型で朝は9時位に起床、自宅だと勉強できないので11時から19時まで自習室で勉強していました。19時まで勉強して、帰ってから家事や家族と雑談とかしていました。勉強するのは昼の時間だけと決めていました。性格的にも集中してやった方がはかどるタイプでしたから。
11時から19時まで8時間ですが時間配分はどのようにしていましたか。
わりと集中してやっていました。お昼休憩に外でご飯食べて、あとはずっと勉強。コーヒー飲むくらいで。
集中力すごいですね!
私は、小学生の子を7時半に送り出して洗濯、下の子を保育園に送って、だいたい9時、それから15時か、16時くらいまでが勉強時間でした。私は長い時間集中するのが苦手で、ポモドーロテクニックっていって25分集中して5分休憩を繰り返し、タイマーかけて勉強していました。夜は子供が寝た後1時間くらいをほぼ毎日、土日は子供優先にして日中は勉強せず、夜だけ2時間くらい勉強していました。 生活のリズムに勉強時間を定着させられたのがよかったと思います。
ある本で、 「なにかを続けられないのは、意志が弱いからではなく、続けていける仕組みを作っていないからで、大事なのは仕組化すること」と書いてありました。私はこの“勉強する仕組み”をうまく作れていたのだと思います。
そうか、私の場合は自習室に行くということですね。
そうそう。
毎日必ず自習室に行くように決めていました。つらい時もありましたが、“ともかく行くぞ”って。それが良かったのかもしれないです。
スイッチの入れ方ですね。その時その時で、勉強したり、しなかったりだったら、無理だったかもしれない。
勉強していてつらかったことはありますか?
もう、つらさしかないです笑
本当ですね、私もそう。
毎日毎日、机に向かうだけで結構なしんどさでした。テキスト読んでもわからないし、そこを抜けるのは本当に忍耐の連続でした。 “とにかく我慢してこの講義を終わらせよう”みたいな時もありました、特に民事訴訟法ですね。
うわー。一緒、一緒です。もう、民事訴訟法で、私、何回泣かされたことか。
つらかったですね。
トンネルが長い長い。抜けるかなと思ったら、まだ続くし。
なんだろう、“バラモス”倒したと思ったら、“ゾーマ”が出てくるみたいな(ドラゴンクエスト)笑。
やっつけたと思ったのに、ラスボスがまだおったみたいな。
そうそうそう。 民事訴訟法は本当にしんどかったです。
この時は本当に無理かもしれないと思いました。模試が始まる試験直前期で、でも“このトンネルを抜けないとダメだ!でもとにかく単語の意味だけでもわかるようになれば乗り切れるかもしれない”と思い勉強を続けました。
つらかったですね。たとえば“却下”と“棄却”とか言葉遊びみたいです。いままでは“なんとなく”で生きてきたのですが、民事訴訟法は“なんとなく”を許してくれない。四角四面で、まぁ新鮮っていえば新鮮でしたが。
法律は、言葉の持つ意味をめっちゃ重要視していますからね。
私は民事訴訟法から司法書士の勉強をしていたら、やめていたと思います笑。でも 民事訴訟法の時には主要4科目が終わっていて、主要4科目勉強しているから嫌でもやらなきゃと思いました。カリキュラムはうまくできていると思いました笑。
その、つらかった時期を乗り越えられたのはなぜですか?
退職して挑んでいたので、合格するしかないという気持ちですね。あとは、“毎日必ず自習室に行く”と決めたのが良かったです。気持ちが乗らなくても自習室に行くことから始めて。自習室では何も勉強せず youtube見てたときもありましたが笑。
え?自習室で youtubeですか。自習室で!驚きの発言ですね笑。
でも 自習室に行けば、やる気がなくても、自然に勉強を始めることができました。
自習室だったら寝そべるわけにもいかないですもんね。家だったら、だらだらだらだらして、お菓子とか食べてとか、自習室ではとりあえず座ってないといけないですからね。
周りも真剣に勉強している方が多いのでサボれない。
でも、 youtube見ていたんですよね笑。
あははは
私も退職していたというのが、めちゃめちゃ大きかったです。減り続ける預金口座、請求が来る国民健康保険、請求が来る市民税みたいに。 生きているだけでお金がかかります。それなのにお給料入ってこないし。もう“合格して職につくしかない”みたいな。背水の陣でしたね。
合格するために大事だと思うことはなんですか?
絶対に諦めないでやり抜くことです。これはどんな時でも徹底していました。勉強が手につかなかった時も、直前期で伸び悩んだ時も、 とにかく“やめない、やめたらそこで終わり、だから絶対に諦めない!”それだけは心に決めていました。
わかります。私も合格するという意識が大事だと思います。合格できる確証はありませんが、“合格するぞ!”という意識を欠かしたことはありませんでした。“合格できたらいいなー”ではなくて、“合格するぞ!”という意識を常に持っていたことが重要だと思います。勉強方法とかテクニカルな面も大事ですが、やはり意識がとても大事です。
受験勉強は気持ちから作り出していましたね。メンタルはすごく大きいと思います。
“なりたい自分になる!”深水さんも私も、“合格するしかない”という気持ちが大きかったかもしれないです。
そうです、後がないっていう気持ちですね。
合格するぞ!って聞こえはいいですけど。実はそれしかなかったんですよね、結局のところ。
ある意味追い込まれていたのかもしれないですね。
でも逆に言えば、それだけの 意識さえ持てたら合格できる試験だと思います。
合格した今、思うことはありますか?
自分自身はそんなに変わっていませんが、周りの変化が大きくて、「良かったね」と言ってくれますし、親には心配ばかりかけてきたので、ほっとしています。
私は、今まで、きらりと光るなにかを持ち合わせていませんでした。仕事も真面目に、家庭も大事に、幸せに生きてきましたが、輝けるものがありませんでした。でも今回、 司法書士試験に合格して、“誰かの役に立てる”、やっと自分に期待が持てるようになりました。
私も自分自身で、自信が待てるようになりましたし、 司法書士試験に合格してから、すばらしい仲間や、司法書士の先生など素敵な出会いが広がりました。
最後に、これから司法書士試験の勉強を始めるみなさんに、メッセージを
司法書士試験は難しい試験ですが入門講座はわかりやすく講義するので、続けていけば確実に理解することができます。私は約2年かけて1回で合格できましたが、 集中することができれば、絶対に合格できる試験だと思います。不安もあると思いますが努力をすれば必ず合格できます。ぜひチャレンジしてみてください。
司法書士試験は難しいと思っているかもしれませんが、勉強を始めてみたら、また違う景色が見えてきます。最初は難しいと思っても、意外に面白いかもしれない、勉強を始めてみないとわからないことも多いので、 興味を持ったらまずは挑戦してみてほしいと思います。合格すればこれからの人生は変わります。自分に期待を持てるのは素敵なことです。みなさんも頑張ってみてください。