模擬面接では本番以上に厳しく接してくれるうえ、評価も的確です。

東京都庁

T.Iさん(21歳)
 

慶應義塾大学文学部人文社会学科4年在学中
◆最 終 合 格/東京都Ⅰ類B、国家公務員Ⅱ種
◆内   定/東京都庁、特許庁(国家Ⅱ種)
◆予定進路先/東京都庁
◆受 講 形 態/在宅インターネット
◆伊藤塾受講講座/〔入門講座〕地方上級・国家Ⅱ種本科生+択一・記述トレーニング
※プロフィールは、2010年合格時点のものです。

はじめに

私は漠然と、社会に貢献できる仕事に就きたいと考えていました。大学2年生の春ごろ、友人が公務員を目指しているという話を聞き、私もそれに触発されて伊藤塾に入り勉強を開始しました。それが公務員になろうと思ったきっかけです。志望動機は各自治体や各省庁を研究していく中で見出しました。
伊藤塾の講義は要点をわかりやすくコンパクトに伝えてくれるので、文学部生であった私でも内容を理解することができました。もちろん自分自身の努力が必要不可欠ですが、伊藤塾はフォロー制度も充実しており、あらゆる面でサポートしてくれます。公務員試験は勉強から面接まで対策すべきことが多く、独学では合格を勝ち取ることは難しかったのではないかと感じます。 

私がとった勉強方法

(1)専門科目試験(択一式)について

私は文学部生であったので、専門科目の学習の際には困難を感じることもありました。伊藤塾のカリキュラムに沿って法律科目や経済科目から学び始めたものの、苦手意識からか解答のコツをつかむまでには時間がかかりました。しかし公務員試験の場合、試験種によっては苦手な科目を捨てることができます。私は経済科目を完全に捨てる代わりに、自分でもしっかりと得点できそうな政治学や行政学、社会学、経営学などの科目を重点的に学びました。
これらの科目は知識を定着させるために、講義で指摘された重要キーワードをノートにまとめるなどの方法を採りました。また法律科目に関しては初めから判例の概要すべてを理解しようとはせず、まずは解答に必要なポイントだけを端的に覚えるという工夫をしました。どちらの対策にも共通するのは、「これ完」を何度も繰り返し解いたということです。自分の受験する自治体の出題科目を早いうちに把握しておくことが重要であると思います。

(2)専門科目試験(記述式)について

専門記述は東京都Ⅰ類Bの試験で出題されました。私は自分の得意とする政治学、行政学、社会学、経営学の4科目を用意して本試験に挑みましたが、本番では見事に読みを外され、自信を持って解答できたのは3科目中1科目のみでした。このように専門記述とは大変リスクの高い試験です。専門記述は科目を絞ってテーマを覚えるよりも、1科目につき数テーマでもいいのでとにかく多くの科目に対応できるようにする方が得策であると思います。私は結果として東京都Ⅰ類Bの試験に最終合格することができたものの、この専門記述の出来が足を引っ張る原因となったと思います。
記述のコツとしては、重要な論点を読みやすく簡潔に挙げていくことにあると思います。ダラダラとした文章では印象も悪く、得点につながりにくいのではないかと思います。暗記をする際にも文章で覚えるのではなく、キーワードで覚えていくのがよいと思います。できる限り無駄な文章は省き、要点を端的に伝えるのがよいと思います。

(3)教養科目試験(択一式)について

教養択一は、文章理解と数的処理でしっかりと得点できていれば十分合格圏内に辿りつけると思います。人文社会や自然科学などは膨大な内容を包含しているので、完璧に対策することはほぼ不可能であると思います。
私は数学が苦手だったため、数的処理に大変な苦手意識を持っていました。しかし私はテキストや「これ完」の問題を繰り返すことで、本番でも得点できるようになりました。教養択一は時間との勝負なので、直前期には時間を計ってひたすら過去問を解いていました。

(4)教養科目試験(記述式)について

私は伊藤塾のテキストを読むことで、特定のテーマに関する知識や現状の課題の背景、それに対する一般的な解決方法といったものを学びました。また日頃から新聞を読むことで、時事問題に対して何かしらの意見を表明できるように習慣づけました。
東京都の場合は教養論文が非常に重要になってくると聞いていたので、都政について幅広く研究し、本試験では具体的な施策名を挙げながら記述しました。教養論文は軽視しがちですが、対策は重要であると思います。

(5)面接対策について

私は伊藤塾の模擬面接を受講しました。模擬面接では講師の方が本番以上に厳しく接してくれるので、本試験への心構えができます。評価も的確です。私は模擬面接で志望動機の甘さを指摘されていなければ、受かることはできなかったのではないかと思います。また、私は伊藤塾の「面接対策BOOK」を熟読しました。面接前日に読み返しては、本番のイメージトレーニングを繰り返していました。
面接の対策としては、あくまでも回答の方向性を決めておく程度でよいと思います。暗記したことを淡々と喋るのでは熱意が伝わりにくいので、その場で考えて自然に話すことが重要だと思います。私は初め面接に対して苦手意識がありましたが、3~4回目で手応えを感じるようになりました。

(6)官庁訪問について

官庁訪問はうわさ通り拘束時間が長く、心身ともに疲れました。待っている間は、ひたすら志望動機または自分のやりたいことを再確認していました。官庁訪問では、「どうしてもこの官庁に行きたい」という熱意を伝えることが何よりも重要であると感じました。志望動機の説得力を高めるためにも、事前の省庁研究は不可欠であると思います。

自宅での学習と伊藤塾の学習個別フォロー

受講形態は在宅インターネットでしたので、自宅または大学のパソコンで講義を受けていました。インターネット講義の優れたところは、自分の都合にあわせて受講することができる点です。少しの時間でも講義を受けることができるので非常に使い勝手がよく、手早く知識を修得することができました。また、ある程度理解している分野に関しては倍速で聴くこともできるので、効率的な学習ができたと思っています。公務員試験は科目が多い分、教材の量も膨大です。在宅ならば気の向いた時にすぐに教材を引き出せるので、このインターネットシステムは実に理にかなっていると思います。

直前期と試験当日

直前期はひたすら過去問を解いていました。得点率を見て自分の立ち位置を計るという目的もありましたが、どちらかといえば本番の試験の感覚を身につけるために行っていました。特に教養択一は時間との戦いなので、素早く正確に解答する感覚を磨くことに努めていました。また、それに加えて数的処理の「これ完」を毎日欠かさずに解いていました。試験当日は緊張しましたが、「ここまでずっと努力してきたのだから絶対に受かってみせる!」と自信を持って挑みました。

合格、内定と進路決定

結果として、第一志望の東京都から内々定をいただくことができました。その後に、補欠合格をもらっていた特許庁から内々定のお誘いを受けたのですが、辞退させていただきました。最終的に東京都を選んだ理由としては、やはり地方行政に携わりたいと思っていたのと、都庁の施策を自分も推進していきたいと思ったためです。

モチベーションの維持について

公務員試験は長期にわたって行われるので、心理的な負担も大きいかと思います。私も民間就職で早々と就職先を決めていく友人たちを見ては、自分は大丈夫なのだろうかと不安になることが何度もありました。試験のことばかり考えていると自分を追い詰めてしまいますので、適度な息抜きも必要であると思います。私は友人と遊びに出かけたり、音楽や映画の鑑賞を通して気分転換およびストレスの解消を図っていました。また、合格体験記や自治体のパンフレットなどを読んで、意識を高めていました。

最後に

私は第一志望であった東京都から内々定をいただくことができ、心から満足しています。これまで私を支えてくれた家族や友人には本当に感謝しています。
都政は都民の方々からの協力があって初めて成り立っているものですから、私は都民のニーズを積極的に聞き入れることのできる職員になりたいと思っています。
内定をもらうまでの道のりは長いです。筆記試験の勉強開始から最終合格の瞬間まで不安になることは幾度となくあると思いますが、それは周りの皆も同じです。試験期間中は適度に息抜きを取り入れつつ、辛抱強い気持ちで頑張ってください!「公務員試験は努力すれば報われる」という言葉を信じて頑張ってきた結果、私はここまでやってくることができました。

(2010年9月・記)