同じような問題が繰り返し出題されるため、「これ完」で十分対応できます。

金融庁

水島 達哉さん(22歳)
 

中央大学法学部法律学科4年在学中
◆最 終 合 格/国家公務員Ⅱ種、裁判所事務官Ⅱ種、国税専門官
◆内   定/金融庁(国家Ⅱ種)、裁判所事務官Ⅱ種、国税専門官
◆予定進路先/金融庁
◆受 講 形 態/通学フレックス
◆伊藤塾受講講座/
〔入門講座〕地方上級・国家Ⅱ種本科生+択一・記述トレーニング
〔オプション〕併願会計学

※プロフィールは、2010年合格時点のものです。

はじめに

私はリーマンショックを機に金融の分野に興味を持ちました。この分野においては未然に策を講じて事が起こらないようにしていくことが重要だと考え、政策をつくり、事前救済を行う国家公務員を志望するようになりました。
そして、私は法学部ということもあり、大学3年まで経済学や政治学を学んだことがなかったため、1年で効率よく対策するために受験指導校に通うことにしました。近年の公務員試験では面接の重要性が増していますが、伊藤塾は面接対策も他に比べて充実していたので選びました。

私がとった勉強方法

(1)専門科目試験(択一式)について

法律科目は基本的な知識があったため、入塾当初からひたすら「これ完」を解きました。また、法律は判例が問われるので、講義で扱っていないものも「これ完」の肢にあれば「公務員試験六法」(三省堂)で調べていました。経済科目も基本は講義→「これ完」でしたが、応用問題にも対応できるように、ただ答えや解き方を覚えるだけでなく、なぜその答えが導かれるのかを意識していました。専門科目は1日1科目ではなく、3科目以上(法律、経済、政治を1科目以上)解くことで科目ごとの勉強の間隔が空き過ぎないようにしていました。

(2)専門科目試験(記述式)について

裁判所事務官Ⅱ種試験対策としては、憲法の択一知識をしっかりと身につけることが重要だと思います。裁判所事務官Ⅱ種試験は一行問題なので、持てる知識を箇条書きで書き出すだけでも点数につながります。私はこれに加え、各条文の趣旨なども書けるようにしていました。
国税専門官試験では、私は民法を選択しました。国税専門官の法律科目は事例が出されることが多いため、知識を持っているだけでは点数につながりません。私は司法試験用の軽めの論文問題集を使っていました。

(3)教養科目試験(択一式)について

数的処理・判断推理は講義が開始された11月から毎日欠かさず5問ずつ解いていました。「これ完」は10回近く解いたと思います。というのも、公務員試験は同じような問題が繰り返し出題されるため、「これ完」の問題を覚えるだけでも、合格点は十分取れるためです。文章理解については講義を受けただけという感じです。資料解釈はどの試験種も2~3問しか出ませんが、解き方のコツさえわかれば簡単に解けると聞いていたので、講義を聴いたうえで週に2日は問題を解いていました。
知識分野は高校で学んだ科目や大学受験で使った科目に絞って取り組みました。ただ、地理と思想は上記のいずれにも当てはまりませんが、先輩方から費用対効果がよいと聞いていたので手をつけました。実際これらはキーワードを覚えるだけで点数に結びつきました。また、知識分野の勉強は3月頃からやりました。配点が低いうえに暗記が中心なので、優先順位としては専門、知能分野を上に持ってくるべきだと思います。

(4)総合試験(記述式)について

教養論文の配点が低い国家公務員を志望していたことから、4月頃までこれといった対策はしていません。実際に書く訓練は公務員試験の模試を受けることで補っていました。また、内容面については市販の対策本を一読し、後は新聞やテレビで時事ネタも取り入れるようにしていました。地方上級を目指す人は、その自治体の対策も調べておくといいと思います。

(5)面接対策について

伊藤塾の「面接対策BOOK」に書かれている質問事項を中心に想定問答を考えておきました。本格的に取り組んだのは全ての一次試験終了後でしたが、4月頃から少しずつ考えていました。実際、一次試験が終われば、勉強していた時間を全て面接対策に充てられることから時間は十分あるので、一次試験前に焦って対策する必要はないと思います。ちなみに、私は一週間で裁判所事務官Ⅱ種試験の面接対策をしました。面接カードなどは、民間企業に内定をもらっているものを中心に友人に見てもらい、毎日書き直しました。自分が表現したいことが他人に伝わっているかどうかは、他人に読んでもらわなければわからないので、できるだけ他人に読んでもらった方がいいと思います。
また、模擬面接は、伊藤塾で1回だけ受けました。プロである講師の方々からの質問への受け答えを経験することで、本番はさほど緊張せずに臨むことができました。

(6)官庁訪問について

国家Ⅱ種の官庁訪問では、とにかく「志望動機とやりたい仕事がしっかり言えるか」に尽きると思います。実際これがしっかりしていない人が途中でいなくなっていました。私はやりたい仕事に関しては局ごとに言えるようにしていました。
官庁訪問(本省)では朝早くから夜遅くまで一日中拘束されます。肉体的にも精神的にも辛いとは思いますが、面接では笑顔を絶やさないようにすることが内定への近道だと思います。

受講形態と伊藤塾の学習個別フォロー

私は、家では勉強に集中できないことから通学フレックスで受講していました。通学フレックスもインターネットを利用して受講するため、わからないところは何度も聴いていました。また、忘れてしまったところなども後から聴き返していました。 

直前期と試験当日

直前というより4月以降は全専門科目の「これ完」を1週間で解いていました。インプットはほとんどせず、もっぱらアウトプットだけを行っていました。
試験当日は「速攻の時事」(資格試験研究会)以外の参考書は見ませんでした。見れば見るほど焦ってしまうと思ったためです。また、会場の下見をしていなかったので、試験会場へは開門時間前に着くようにしていました。 

合格、内定と進路決定

私は東京都Ⅰ類Bと神奈川県Ⅰ種に最終合格し、都庁から内々定を受けた時点で県庁は辞退しました。私が都庁を選んだのは、首都である東京が先進的な貧困問題に取り組み、成功させることで、日本全国の自治体に影響を与え日本の貧困問題を東京から解決することができると思ったからです。 

モチベーションの維持について

上述しましたが、私は1月頃から志望官庁での説明会に参加していました。それ以前からも大学で行われた説明会に参加していました。説明会に参加して職員の話を聴くたびに、「自分もこの仕事がしたい」と思え、モチベーションの維持につながりました。また、公務員を目指す友人同士で語り合うこともモチベーションの維持につながっていたと思います。

最後に

どんな試験も受かることはゴールではなく始まりに過ぎません。私はこれから国家を支える役目を全うしていきたいと思います。
昨今の不況下で公務員の志望者が増える一方、国家公務員を中心に採用は激減し、倍率は急騰しています。しかし、しっかりと対策を行っている人は結果を出しています。強い意志を持って頑張ってください。

(2010年9月・記)