これまでの学習を活かして公務員試験受験を決意。専門科目対策としては「これ完」と過去問で十分でした

中央区

渡邊 裕一さん(24歳)
 

中央大学文学部東洋史学科 卒業
■最終合格 :特別区Ⅰ類、国家公務員Ⅱ種、国税専門官
■内  定 :中央区
■予定進路先:中央区
■受講形態 : 在宅インターネット
■伊藤塾受講講座
〔公務員試験対策〕 地方上級・国家Ⅱ種+択一・記述トレーニング、併願会計学
〔司法試験対策〕 法科大学院・新司法試験コース 本科生+リーガルトレーニング

※プロフィールは、2010年合格時点のものです。

はじめに

私は人の役に立つ仕事をしたいという思いがあって、初めは法曹を目指し、伊藤塾の法科大学院・新司法試験コースを受講していましたが、就職への焦りと経済的事情、そして今まで勉強してきた法律を活かせるという理由で大学を卒業して1年目の8月頃から公務員試験の勉強に切り換えることにしました。
当初は独学での勉強も考えましたが、短期間で効率的に学習したいと思い、伊藤塾の公務員講座を受講しました。
伊藤塾を選んだ決め手は、インターネット環境の充実と受講料の安さです。

私がとった勉強方法

(1)専門科目試験(択一式)対策について

専門科目試験対策としては、私は「これ完」と過去問しかしていません。というより、これで十分だと思います。重要なことは、下手にあれこれ手を広げずに、「これ完」を何度も繰り返し解き、知識を正確に定着させることだと思います。「これ完」は本当によく作り込まれた問題集で、講義後の復習用としてだけでなく、試験直前期にも知識の総点検用として大変重宝しました。
また、科目が多くて大変だと思いますが、捨て科目はできるだけ作らない方がよいと思います。選択式の試験の場合など、それだけ点を稼ぐ可能性が広がるからです。法律系科目、経済系科目、行政系科目をうまく回して、「これ完」を各科目最低3回は解くことをおすすめします。特に経済学は、放置しているとすっかり忘れてしまうことがあると思うので、少しずつでもいいので、毎日触れていた方がいいと思います。

(2)専門科目試験(記述式)対策について

私は国税専門官試験でのみ専門記述試験があったので、あまり対策に時間はかけませんでしたが、過去問を見て経済学が書きやすそうだと判断し、経済学のみ記述対策をしました。経済学での記述のポイントは、図を正確に描けるかどうかだと思います。経済学担当の青野講師の講義では、どんな問題でも図を使ってわかりやすく解説してくださるので、楽しみながら勉強することができました。また、知識としては、択一の知識で十分書けますので、後は知識を整理し、正確に作図することができるかが勝敗の分かれ目になると思います。

(3)教養科目試験(択一式)対策について

実は私が最も対策に時間を割いたのがこの教養科目試験です。とりわけ数的処理が苦手で、始めは本当に自分が解けるようになるのか不安でしたが、講師に何度も相談し、適切なアドバイスをいただいたおかげで、少しずつ不安が解消していきました。数的処理を勉強するうえで大事なことは、(1)午前中に解くこと(頭が一番働いており、本番の試験も午前中にあるため)(2)少しずつでいいので毎日解くことの2点だと思います。また、始めはあまり時間を気にせずに正確に解くことを心がけてください。スピードは問題をこなしていくうちについてくるので初めのうちは特に気にしなくても大丈夫です。
人文科学・社会科学・自然科学については、個人差はあると思いますが、捨て科目はあまり作らない方がいいと思います(私は、数学と物理のみ捨てました)1点の価値は同じですので、手広く勉強した方が簡単な取りこぼしも防げるからです。

(4)教養科目試験(記述式)対策について

教養論文試験対策に関しては、実際に自分の手で書いてみて論文の文体に慣れることが一番だと思います。日頃から新聞やニュースなどで社会的関心を持ち、いくつか重要な論文のテーマがありますので、それについて1,000~1,200字程度で自分なりに意見をまとめておくことができればよいと思います。そのためには、行政の対応やそれに対する自分の意見を整理しておいた方がいいでしょう。そして、できれば書いた論文は、講師や友人などに見てもらい添削をしてもらった方がよいです。客観的な視点から見てもらうことで、自分では気づきにくいところも見直してもらえるからです。

(5) 面接対策について 

面接対策で重要なのは、面接カードと面接に慣れることです。近年、面接のウエイトが大きくなってきているようで、特に東京都庁や東京都特別区、県庁や市役所などの地方上級試験では筆記試験の配点を上回るという話も聞きます。従って、面接対策も十分にこなした方がよいのですが、実際、対策は筆記試験が終わった後でも十分に間に合うと思います。面接の配点比率が高いとはいえ、やはり筆記試験を通らないことには面接自体を受けることができませんので、まずは筆記試験でよい点数を取るためにも、筆記試験の勉強に集中した方がいいと思います。
面接では、志望動機、自己PR、学生時代に頑張ったことなど、質問されることはどの自治体も基本的には同じですから、後は自分の志望する官庁や自治体のホームページ、刊行物などを見て、現在どういった政策に重点的に力を入れているのか、相手側はどのような人材を求めているのかをしっかりと分析し、それが将来自分のやりたいことにどうつながるのかを見極めておいた方がよいと思います。
私は、伊藤塾の模擬面接を利用し、自分の意見をはっきり伝えられるよう何度も繰り返し練習しました。また、面接カードで悩んだ時には担当である柳原講師や相澤講師に相談し、適切なアドバイスをいただいたおかげで、本番までには納得のいく面接カードに仕上げることができました。面接カードで第一印象が決まるといっても過言ではないので、面接カードはしっかりと対策しておいてください。

受講形態と伊藤塾の学習個別フォロー

私は在宅受講(インターネット)で受講していました。もともと自宅で勉強するのが苦手な性格なので、講義の復習や「これ完」の演習は伊藤塾の自習室や自宅近くの図書館を利用しました。伊藤塾の自習室は、空調が適度に効いており、周りも集中して勉強しているため、勉強するには最適な環境でした。私は、一ヶ所で長時間勉強するのが苦手なので、気分転換のためにも、自宅、自習室、図書館を交互にうまく利用するよう心がけました。
伊藤塾のインターネット講義は、自分の好きな時間に学習でき、倍速機能もついているので、とても効率的に勉強できたと思います。

直前期と試験当日

私は、直前期は「これ完」の総点検と過去問、そして教養論文試験対策をしていました。久しぶりに解いた科目などは意外と忘れてしまっているものもあったので、満遍なく見直すことをおすすめします。また試験は朝から始まりますので、生活を朝型に改め、体調管理に気を遣っていました。
試験当日は十分な睡眠を取ることと、余裕をもって行動することを心がけました。また、会場に持っていく参考書などは、時事のテキストなど最小限に抑え、余分なことは頭に入れないようにしていました。

合格、内定と進路決定

私は、中央区(特別区Ⅰ類)、国税専門官、国家公務員Ⅱ種に合格しましたが、その中で中央区を選んだ理由は、東京の中心で仕事をすることに魅力とやりがいを感じたことと、中央区は現在、子育て支援に最も力を入れているのですが、私も子育て支援に興味があったので、自分のニーズと合っていると感じたからです。

モチベーションの維持について

公務員試験は本当に長丁場になりますので、毎日勉強しているとモチベーションが低下してくることもあると思います。そのような時は思い切って休んでみることも大切だと思います。私は、大好きなサッカーの試合を観たり、二度寝をするなどして気持ちをリフレッシュさせていました。また、勉強でストレスが溜まったときには、講師や友人に相談したりしました。誰かに悩みを話すことによって、気持ちが楽になり、勉強に集中することができたと思います。

最後に

私は将来、区役所職員として区民から信頼される公務員になりたいと思っています。そのためには、区民のニーズを正確につかみ、それを区政に反映させていくことが大切だと考えています。
また、私は結果的に受験した公務員試験全てに合格したわけですが、それは択一で安定した点数を取ることができたからだと思っています。ぜひ、「これ完」の問題を自分のモノにするまで何度も何度も繰り返し解き、自らの手で合格を勝ち取ってください。
最後に、私を支えてくれた方々に深くお礼申し上げます。
(2010年9月・記)