インターネットは、時間・場所を自由に選べて、かつ2倍速で聴くことができたため、時間のなかった私にとって有用でした。

東京都庁

K・N さん
 

合格者イラスト
一橋大学法学部4年在学中
●最終合格: 東京都Ⅰ類A・B 国家総合職
●内定:東京都庁
●予定進路先:東京都庁 

受講講座法学既修者のための国家総合職(法律区分)プラス国家一般職・地方上級コース
 

はじめに

私は昨年度、法科大学院を受験しましたが、入学を辞退しました。そして大学を1年留年し、就職することに決めました。そこで、これまで勉強してきた法律の知識を活かしたいと考えた結果、公務員試験の受験をすることにしました。昨今の司法試験などの事情を考えますと、法曹から公務員へ進路を変更するという方も少なくないと思うので、特にそのような方にとって参考になれば幸いです。
伊藤塾の講座を受講したのは、私が公務員試験を意識した時期が遅かったことから、効率良く学習を進める必要があったことが主な理由です。受験指導校に通うメリットとして、合格に必要な教材が与えられるために何をどれ位勉強すれば合格できるのかが把握しやすいことがあると思います。

私がとった勉強方法

専門試験(択一式・多肢選択式)について

私は司法試験の勉強をしていたため、法律科目の専門試験についてはある程度対応できました。ですが、法科大学院入試の際は行政法が出題されるところが少なかったこともあり他の法律科目に比べ手薄でした。そのため、司法試験用の伊藤塾のテキストなどを読み返すなどして知識を確認しました。また、どの試験種においても過去問演習は必ず行うようにしました。過去問を解くことでその試験種の出題傾向をつかむことができ、正確な知識を身につけられたと思います。

専門試験(記述式)について

専門記述は国家総合職試験及び東京都Ⅰ類A・Bで課されました。国家総合職試験及び東京都Ⅰ類Aは事例問題のため、それまで行っていた司法試験対策が役立ちました。ただ、法律科目の問題は旧司法試験の論文試験の問題などと比べても問題文が非常に長いため、過去問などを通じて対策をとる必要があると思います。他方、Ⅰ類Bの専門記述は一行問題であり、私は比較的苦手だったため、過去に繰り返し出題されている論点などについてはテキストで確認をするなどの対策を行いました。専門記述で私が気をつけたことは、誰もが書くであろう基本的な知識を正確に書き、あてはめなどを丁寧にかつわかりやすく記述するということです。実際、どの試験種においても突飛な論点が問題となったということはなく、基礎的な知識が身についてるか否かを試しているように感じました。

教養試験(択一式)・基礎能力試験(多肢選択式)について

教養試験は数的処理で確実に得点できるか否かが大きなポイントだと思います。私は比較的得意であったため、さほど時間をかけずに済みました。また、知識問題については、大学受験で使用した科目以外は基本的に勉強していません。1科目の出題数が少ない上に出題範囲が非常に広いため、中途半端に様々な科目に手を出してもあまり得点に結びつかないだろうと考えたためです。もっとも、時事は出題数も多く、面接や教養論文の対策にもなるため、勉強する必要性は高いと感じました。

教養論文試験・一般論文試験(記述式)について

教養論文は出題テーマについての知識がなければ書きづらいことが想定されたため、まずは頻出テーマについての知識(時事含む)を身につけました。それに加え、やはり記述試験なので読み手を意識した文章を書くことを強く意識しました。その練習として、私は模試などを利用し、評価を受ける場を多く設けるようにしました。また、とりわけ地方自治体の試験では、政策知識があれば書きやすいという印象を受けたので、各自治体のホームページなどで政策について調べておくということも有効だと思います。

面接対策について

面接対策としては、「面接対策BOOK」を重宝しました。このテキストには過去の受験生が質問された内容も掲載されているため、本番の雰囲気をつかむことができました。また、面接直前期には同じ公務員試験を受験する友人と模擬面接をし合いました。これは相手の自分に対する評価を知ることができ、面接する側の視点で相手を見ることができるという点で面接対策としてとても有効だったと思います。

受講形態と伊藤塾の学習個別フォロー

伊藤塾のインターネットフォローは非常に役立ちました。私は公務員試験の学習対策時期が非常に遅いこともあって、学習の効率性が求められました。この点、インターネットフォローは時間・場所を自由に選べかつ講義を2倍速で聴くことができたため、試験まであまり時間が残されていなかった私にとって有用でした。

直前期と試験当日

直前期はあまり手を広げずに自分がこれまで何回か解いてきた問題集を使用し、知識の定着を図ることを意識しました。もっとも、知識系の問題、特に時事は勉強したらその分点数が取れるので、試験直前期を勉強する機会と位置付けて集中的に勉強するようにしました。試験当日については、睡眠時間を十分確保しておくことや時間に余裕を持って試験会場に行くことなどの他は特に意識しませんでした。

合格、内定と進路決定

私は公務員試験の勉強、面接対策をしていく中でさまざまな公務員の仕事について学ぶ機会がありました。その中で、最も魅力に感じ、かつ「ここで働きたい」という気持ちがブレなかったのが東京都でした。おそらくそのような思いもあり、東京都の対策は他の試験種と比べ最も時間を割きました。結果的にそれが最終合格及び内定につながり、自分の中で一番納得のいく結果が得られたと感じています。

モチベーションの維持について

公務員試験の学習においては1人で黙々と勉強する時間が長くなると思うので、国や自治体に足を運んで説明会に参加することや、大学の友人と話す機会をできるだけもつよう努めていました。このことが長期間にわたる公務員試験のモチベーション維持につながったと思います。

最後に

今年度の公務員試験においては、特に国家公務員の削減がなされ、実際大幅に採用数を減らした試験種もあります。そのようなことを聞くたびに自分は公務員試験を突破できるのかと不安を覚えていました。そのような状況下でも、何とか合格できたのは「ここで働きたい」という気持ちを強くもてたことと、自分の周りの人々の支えがあったことだと思っています。このことを忘れることなく、来年以降仕事をしていければと思います。