法律の知識を用いて人の役に立ちたい。公務員と法曹を併願することは自然なことでした。

厚生労働省

M.K さん(22歳)
 

◆ 出身大学 :首都大学東京都市教育学部4 年 ◆ 受講講座 :入門講座 司法試験入門講座本科生+リーガルトレーニング オプション講座 公務員試験数的処理対策講座、労働法対策講座、法律区分直前政策論文試験対策講座、模擬面接
◆ 最終合格 :国家総合職 法律区分
◆ 内  定 :法務省(入国管理局)
◆ 予定進路先:法務省(入国管理局)

※プロフィールは、2017年合格時点のものです。

はじめに

もともと司法試験志望だった私は、司法試験を目指すにあたり、最も実績のある受験指導校に入りたいと考え、大学3年の4月に伊藤塾に入塾しました。もっとも、特に法曹に興味があったわけではなく、単純に、法律の知識を用いて人の役に立ちたいという漠然とした考えで司法試験対策をはじめました。そのため、まさに国民のために働ける公務員と法曹を併願することは私の中では自然なことで、7月ごろには公務員試験対策も少しずつ始めました。

私がとった勉強方法

専門試験(多肢選択式)について

司法試験予備試験(以下予備試験)との併願だったので、法律科目は基本的に予備試験対策をメインに行っていました。労働法以外の法律科目は予備試験対策で十分です。労働法については国家総合職向けの労働法講座を個別に受講し、十分な対策ができたと思います。

専門試験(記述式)について

記述式についても、予備試験対策が基礎になりました。もっとも、予備試験と公務員試験では問われる内容や問いかけの方式に差があるので、何らかの形で公務員試験の記述問題に触れておく必要があると思います。大きな枠組みや論証の流れについては予備試験対策がそのまま通用します。

基礎能力試験(多肢選択式)について

私は数的処理が苦手だったうえ、知識分野の問題もほとんどわからない状態だったので、基礎能力試験には非常に苦労しました。基本的に法律科目に時間を割きつつ、直前期には毎日30分程度の数的処理対策を継続しました。知識分野については、伊藤塾の直前対策講座で時事を学ぶにとどめ、それ以外はすべて手を付けませんでした。知識ゼロのところから一点を取りに行くより、可能性のあるところで得点を稼ぐ方が効率的と考えたためです。文章理解については、時間さえあれば解ける問題が多いと思うので、短い時間で解く訓練をしておけばよいと思います。

政策論文試験について

一次試験後に政策論文対策講座を受講し、対策しました。確実な解法がないため、非常に不安に感じていた科目です。基本的な文章作成のルール、法的三段論法等については予備試験対策で学んでいると思うので、その型に自分の考えを流し込めばある程度のものにはなると思います。もっとも、「自分の考え」というのは無から生まれるものではなく、それまでに学んだ知識や持っていた問題意識から生まれるということを痛感しました。新聞等を通して社会に目を向け、自分なりの問題意識を持っておくべきだったと思います。

面接について

人事院面接については、伊藤塾の面接対策講座や模擬面接を利用して対策しました。模擬面接は本番と近い形式で緊張感をもって行うことができるので、非常に良い練習になりました。また、自分の面接カードを友人に見せたり、その内容について話し合ったりすることで、自分の言葉が他人からどう見えるのかをチェックしました。

官庁訪問について

志望動機や自己PRについてのQAはきちんと事前に準備していました。また、説明会や白書を通して自分なりの考えや問題意識を持とうと心がけました。官庁訪問で問われるすべての質問について対策するというのはほぼ不可能ですが、自分のやりたいこと、そこでの課題、それに対する解決策はかなりの頻度で問われます。その点についてきちんと受け答えができたときは会話が特に弾んだように感じました。そのため、早い時期から新聞、ホームページ、白書等に目を通し、少しずつでも自分の考えを深めることが重要だと思います。

普段の生活と試験対策について

勉強を始めたのが3年からだったので、もともと時間的余裕がなかったうえ、大学の硬式野球部に所属していたので、勉強時間について制約がありました。さらに、予備試験と併願していたため、公務員試験対策に割くことのできる時間はより限られていました。もっとも、入省後はより過酷なスケジュールに直面することもあるだろうと考え、その訓練として前向きにとらえていました。好きな音楽や決まったルーティンを利用し、気持ちの切り替えを心がけました。

「内定と進路決定」の理由

テロ対策等を通じ国家の治安対策に携わりたいという思いがきっかけで、法務省の入国管理局を選びました。もっとも、外国人労働者の受け入れや観光立国施策の推進等、治安対策に限られない幅広い使命を負っていることも魅力でした。公務員か法曹かの迷いはありました。しかし、司法試験に年齢制限はないので、働きながらでも地道にチャレンジすることができると思い、公務員を選びました。

どのようにモチベーションを維持しましたか

説明会の資料やパンフレット等に目を通し、入省後の自分をイメージすることでモチベーションを高めていました。また、モチベーションを下げる要因(疲労、ストレスなど)を減らすことも心がけ、不調を感じたらすぐに気分転換を行うようにしていました。

最後に

試験対策については、セオリー通りに勉強すれば十分だと思います。期限を決めて、一つひとつ課題をクリアすれば合格レベルに達するはずです。一方で、官庁訪問は容易ではありません。早い時期から志望省庁、そして社会全体に関心をもって自分なりの考えを養っておくべきだと思います。予備試験と併願されている方については、本当に大変だと思います。しかし、それだけ価値のあるチャレンジだと思っています。私は現在、論文式の結果待ちです(ほぼ確実に不合格ですが)。感想としては、「あの時、あの勉強をきちんとしていれば」、「あの無駄な時間がなければ」という思いでいっぱいです。ですので、W合格は決して遠いものではなく、やり方一つで掴み取れるものだと感じています。ぜひ、貪欲に、W合格を目指してください。きっと達成できると思います。私も、一年でも早く司法試験に合格できるよう、気を引き締めて頑張っていきます。そして、法的思考やバランス感覚に優れ、かつ熱いハートを持った立派な官僚になりたいです。