数十年後を見据えて日本全国を網羅した
政策立案をできるのは国家公務員だけ

中央省庁 N.Tさん

 
合格者イラスト
◆ 出身大学 : 東京大学理系学部4年
◆ 受講講座 : 国家総合職 教養区分2次試験対策パック
◆ 最終合格 : 国家総合職教養区分
◆ 内    定 : 中央省庁
◆ 予定進路先: 中央省庁

※プロフィールは、2020年合格時点のものです。

はじめに

これまで高度経済成長を経た日本の繁栄を自分は生まれた時から享受してきましたが、これからの世代はそれが当たり前ではなくなるかもしれません。日本のGDP は2050 年には世界7位まで落ちると言われていますが、その中でいかに国民の豊かさを守り抜き、安定した国家を維持できるかが非常に重要であると感じました。
もちろん民間企業でも社会に大きな影響力を与えることはできますし、インターン等でお会いした職員の方々も情熱に溢れていて素晴らし
い人ばかりでした。しかし数十年後を見据えて日本全国を網羅した政立案をできるのは国家公務員だけだと感じ、霞ヶ関での就職を目指すようになりました。近年行政が複雑化し、1つの省庁だけでは諸問題を解決できなくなっていますが、その中で内閣官房や他省庁と協力しながら政策を進めていく職員の方のお話を聞き、幅広い知見に圧倒されました。海外留学や他省庁出向を含めた多様なキャリアパスの中で様々な分野の専門性を身につけて、自分も多様な視点から政策を考えられるようになりたいと考えております。

 

私がとった勉強方法

基礎能力試験(多肢選択式)・教養試験(択一式)について

数的処理、判断推理、資料解釈は「スー過去」シリーズと過去問で対策しました。総合職は「スー過去」では物足りないので、2度繰り返して大体の傾向をつかめたら過去問にシフトしました。この分野は時間勝負なので、“短時間で解答を出すことができそうか”をいかに早く判断できるかがポイントだと思います。問題集や過去問では常に時間を意識し、完璧な正解を出すことを目指すのではなく、この問題は自分に解けるのか、短時間で選択肢を絞り込むことができるのかということを念頭に置きながら取り組んでいました。本番では少しでも難しそうと感じたら2択まで絞って後は運に任せるといったことも必要になってきます。
英語・現代文は過去問を数年分解きました。この分野はできれば全問正解したいところです。
知識問題はセンター試験で使った科目を「スー過去」シリーズで復習しました。初修の科目まで手を出す余裕はなく、他には「速攻の時事」(資格試験研究会)で時事問題を詰め込んだ程度です。

 

一般論文試験・教養論文試験(記述式)について

余裕がなかったというのもあり、論文試験のブログや「無敵の論文メソッド」(実務教育出版)を読んだくらいで、過去問を解くこともしませんでした。現状分析・理想・具体的な政策・予想される影響を順序立てて論理的な文章を書く必要があり、やはり一度は過去問を解いて第三者に添削してもらうべきだったと思います。
その点、伊藤塾の論文の講座を受講されている方は講師の方に添削していただけると思うので、ぜひ有効活用してください。

 

⾯接・集団討論について

伊藤塾の教養区分の政策課題討議・企画提案・人物試験対策講座では本番さながらの問題・時間配分で模擬練習をし、講師の方からフィードバックをいただけます。これらの試験は1人では対策するのが難しい試験なので、大学の友人も活用しながら練習すると良いと思います。企画提案試験ではお互いの政策を披露して質疑応答をし合うなどして練習すると効果的だと思います。

 

事前面談会・官庁訪問について

まずは志望省庁の説明会に参加することが大事だと思います。いろいろな職員の方のお話を参考にしながら自分なりの志望動機を作り上げることで、説得力のある説明ができるようになると思います。
同時に、特に関心のない省庁の説明会にも参加することで、なぜここの省庁ではダメなのかという“ 志望しない理由” も説明できるようにしておくと良いと思います。

  

普段の生活と試験対策について

運動系サークルで新入生の指導係をやっていました。私はこのスポーツを中学からやっていたのですが、大学から始める人もそれなりの数います。中高の部活では最初の基礎の部分は顧問が教えていて、自分は一番最初の部分から人に教えるということをしてきませんでした。サークルで基礎から人に教えることで改めてこの種目の基本的な部分を自分でも見直すきっかけとなり、人に向けてアウトプットすることの重要さを実感しました。

 

民間企業の就職活動について

公共性の高い業界ということでインフラ系の会社のインターンに参加しましたが、エントリーはしませんでした。インターンでは民間企業ならではのメリットも限界も感じられましたが、そのようなことを事前面談会や官庁訪問でお話しして説得力のある説明ができたとは思います。
ただ、やはり周りの志望者の多くは内定を持って事前面談会に臨んでいるため、内定を持っていた方が自信を持って公務員就活に挑めたかもしれません。

 

どのようにモチベーションを維持したか

試験勉強をする中で、時には気持ちが折れそうになることもあるかもしれません。そんな時はぜひ霞ヶ関の説明会に足を運んでみてください。自分の憧れる省庁の庁舎で憧れの職員のお話を聞き、自分も将来こんな人たちと一緒に日本の未来をデザインすると想像してみてください。もしかしたら政策論文の助けになるかもしれません。また、出身大学や席次が採用に影響している等の情報が飛び交って不安になることもあるかもしれませんが、自分と職員の方を信じて最後まで諦めずに頑張ってください。

 

最後に

公務員の不祥事時に対する批判や長時間労働の影響で、世間的にはかつてのように国家公務員は花形職業ではないかもしれません。しかし、自分としては民間企業や他省庁、大学院進学も含めて様々な進路を検討する中で、一生をかけるに値する省庁から内定をいただけたと感じています。仕事を選ぶうえで一番大切に考えたことは一生誇りに思えるか、自分の正しいと思っていることを堂々と主張できるかという点です。政と官のあり方が問題となっていますが、時の政治状況に左右されることなく一貫して前向きな仕事をできる職場であると感じました。今抱いているこうした内定先への理想や憧れというものを忘れることなく、自分がなぜ公務員を目指したのか、なぜこの省庁を選んだのかということを常に胸に抱きながら公務に励んで参りたいと思います。
これから就活される方は、ぜひ公務員に限らず幅広い企業の説明会やインターンに参加してみてください。就活生は特権を持った立場で、社会人になってからでは手に入れられない情報を無料で入手できます。その中で数十年後にどんな自分でいたいかということを念頭に置きながら仕事を選ぶと良いと思います。
最後に、試験対策でお世話になった伊藤塾の関係者の皆様、これまでの人生で支えてくださった全ての皆様に感謝を申し上げたいと思います。