講師カウンセリングでは
学習状況や性格を踏まえた的確なアドバイスを

国家一般職 文部科学省 T.Kさん

 
合格者イラスト
◆ 出身大学 : お茶の水女子大学大学院 2年
◆ 受講講座 : 国家総合職コース、国家総合職ゼミ
◆ 最終合格 : 国家一般職
◆ 内    定 : 国家一般職 文部科学省
◆ 予定進路先: 国家一般職 文部科学省

※プロフィールは、2020年合格時点のものです。

はじめに

私が公務員を目指すようになったきっかけは、教育実習です。教員が行っている業務量の多さに驚いたからです。教員は授業以外に部活動や生徒指導、保護者対応等を行っており、担っている業務が多いことに加え、長時間労働が当然のものとして受容されていることも目の当たりにしました。長時間労働は教員の心身の健康だけでなく、教材を使い回し教材研究を怠る、生徒の個性や SOS に気づけないという形で生徒にも影響があるように感じました。当時教員を志望していた私にとって、これは衝撃的な出来事でした。
そこで「教員の労働環境を改善し、教育をより良いものにしたい。そのためには、学校の外側からの取り組みが必要だ」と考えるようになりました。教育の質を向上させ子どもの可能性を伸ばすことができれば、社会の利益になるからです。現状を改善するためには、教員以外にも国家公務員(文部科学省、厚生労働省、内閣府)、地方公務員、民間企業(教科書出版会社、通信教育会社、シンクタンク)等、様々な選択肢が存在しています。そこで夏季休暇を利用して、地元の教育委員会と文部科学省、民間企業のインターンシップに参加し、「自分の問題意識について効果的に取り組みを行えるのはどこか」という観点から比較検討を行いました。そこで取り組みが直接的で迅速に行うことができる国家公務員を選択しました。インターンシップを通して「こんな人たちと一緒に働きたい」と思える職員の方々と出会えたことも、決め手になりました。
インターンシップが終了し、すぐに受験指導校探しに着手しました。法学部出身ではない私が、短期間の独学で試験に合格するのは難しいと考えたからです。最終的に伊藤塾に入塾を決めた理由は、法律の学習に自信・実績を持っており、合格後を見据えた講義が展開されていること、そして受講生一人ひとりを大切にしてくださる雰囲気があることでした。
当初独学を検討した際、専門科目の参考書を見たことがあるのですが、条文の内容や判例を詰め込むような構成になっているものが多く、初学者には難解な印象がありました。しかし、伊藤塾の講義では、学習者が体系的に学べるよう講義が構成されているため、段階を踏んで法律の基礎を学ぶことができました。「わかったつもりになってとりあえず先に進めることができない」というカリキュラム構成によって、着実に力を伸ばすことができました。そして、公務員試験では問題が分野横断的に作られるため、単なる詰め込み学習ではなく、「なぜそうなるのか」について講義内で十分に説明があることで、このような問題にも対処できると感じました。こうした質の高い講義の裏には、講師の方々の徹底した過去問分析があります。分析をもとに学習項目がランク付けされているため、緩急をつけて学習を進めることができます。試験直前の電車の中や休憩時間には、重要度の高い項目に目を通して臨みました。
また、講義以外でも多くのサポートをしていただきました。入塾してから試験が終了するまで、定期的に講師カウンセリングを利用し、学習状況の確認や受験先の相談をしました。学習開始の時期が他の受験生と比べて遅く、短期間で実力をつけなければならなかったからです。講師カウンセリングでは、学習状況や個人の性格を踏まえた的確なアドバイスをいただきました。私の周りには公務員試験を受験する友人がいなかったため、学習状況についてアドバイスをいただけることは、学習を進めるうえで非常に役に立ちました。普段は Web での受講でしたが、講師カウンセリングを定期的に利用することで、講師と二人三脚で試験に臨んでいるような気持ちになり心強くなりました。
さらに、今年は新型コロナウイルスの影響で試験日程が変則的になったり、校舎に行けない期間が続いたりしましたが、オンラインツールを利用したサポート体制がすぐに構築され、これまでと同じように学習を進めることができました。非常に対応が早かったことに感動したのを覚えています。そして、思うようにいかず不合格が続いていた時も、講師が私のことを見捨てず、最後まで「伴走」してくださったことが精神的な支えとなりました。

 

私がとった勉強方法

専門試験(択一式・多肢選択式)について

法律科目は、憲法、民法、行政法の順番で、行政系科目は政治学、行政学、社会学を同時併行で学習を進めました。どの科目も「これ完」を繰り返し解き、短答演習で解答したものも含め、チェックボックスに○ ×と、誤答した肢の記号を記入するようにしました。正解できたとしても肢の外し方が誤っていた時には、同様に記入しました(例:ア)。こうすることで「できなかった問題ができるようになった」、「また同じ肢で間違えている」とわかるからです。
また、裏面の解説ページには必ずテキストのページ数を記入するようにしました。解説を読んで理解するだけでなく、テキストに戻って周辺の知識を確認するためです。テキストに記述が少ないものは、問題番号と問題文を転記し、試験直前にテキストだけ見直しても抜けがないようにしました。

基礎能力試験(多肢選択式)・教養試験(択一式)について

公務員試験では専門科目に比重が置かれており、私自身基礎能力試験(特に数的処理)は苦手だったので、専門科目の学習をメインにして、その隙間で基礎能力試験対策を行いました。専門科目の内容が基礎能力試験対策につながることからも、専門科目に力を入れたほうが良いと思いました。
学習は、数的処理と時事問題を中心に進めました。数的処理が大の苦手だったので、解説を読んでも理解できない部分は講師カウンセリングを利用して、理解できるようになるまで講師に質問しました。

一般論文試験・教養論文試験(記述式)について

一般論文の書き方に関する講義を受講して、まずは形式面を学びました。項目立てをしてから書きはじめることや、文字数の目安等を把握しました。講義では、扱われたテーマに対する大枠が解説されるだけなので、受講後に時間を計って原稿用紙に書き出しました。伊藤塾で配付された原稿用紙を用いることで、本番を想定して練習することができました。
時間がない状況での対策だったので、ある程度練習した後は、講義で配付されている資料等を用いて、出題が予想されるテーマの具体的な内容と、その対策について目を通す程度に留めました。試験会場に向かう電車の中や休憩時間に目を通せるよう、当日はそれらをまとめたものを持参しました。

面接・集団討論について

対策は伊藤塾をメインにしつつ、大学のキャリア相談や大学時代の友人にも相談しました。面接カードの内容は毎年同じようなものであるうえ、民間企業を併願する際にも必ず聞かれる項目であるため、早期から作成しておいても問題ないと思いました。
面接練習は、講師に「もう十分だ」と評価していただけるまで続けました。多くの人に見てもらうことで、場慣れすることや自分の癖を知ることができたと思います。

事前面談会・官庁訪問について

省庁の採用担当者ややりとりのあった職員の方と連絡を取り、そこでいただいたアドバイスを反映させて、面接カードを最終的に書き上げました。
面接は筆記試験と異なり人対人であるため、希望する省庁への熱意と、採用担当者への礼儀を十分に伝えることができれば問題ないと思います。官庁訪問 = 怖いという話が語られがちですが、多くの職員の方から仕事に関するお話を伺うことができて、私は非常に楽しかったです。

 

普段の生活と試験対策について

大学の授業は、修士1年の後期~2年の前期(学部生なら大学3年の後期~4年の前期)は試験勉強に専念できるよう、必修科目だけ履修しました。そのために修士1年の前期には必修以外の科目も履修し、自分の興味関心の幅を広げたり単位数を確保したりしました。
アルバイトは伊藤塾に入塾した 10 月から徐々に回数を減らし、2月頃からは全くしませんでした(今年は新型コロナウイルスの影響があったので、アルバイトをしたくてもできない期間もありました)。しかし、アルバイトをしなければ当然ながら無収入になってしまうため、それまでの期間にある程度の金額を稼いで貯金をすることで、数ヶ月間はアルバイトをしなくとも生活できるようにしました。
業務説明会については、官庁訪問の前から文部科学省が第一志望だと決めていたため、10 月頃から文部科学省が開催している個別の説明会に毎回足を運びました。業務説明会やインターンシップは、内定獲得に直接的に影響はありませんが、参加していると面接の場面で「説明会の参加者名簿で名前を見かけていましたよ」「インターンシップではどこの課へ行きましたか」と声をかけてもらうことができ、そのことによって円滑なコミュニケーションが取れました。

 

どのようにモチベーションを維持したか

学習を開始した 10 月~緊急事態宣言の出た3月末までは、平日は大学の図書館や研究室で、土日は伊藤塾で学習しました。家にいるとだらけてしまうため、必ず外へ出るようにしました。場所を決めることで、時間の使い方に無駄がなくなったと思います。緊急事態宣言以降は家で学習せざるを得なくなってしまったため、まずは机や椅子の配置を変えました。光が差し込む窓の近くに机を置き、無駄なものが目に入らないようなレイアウトにしました。次に、友人とビデオ通話をしたり、学校のチャイムのように一定時間で音が鳴るようアラームを設定したり(例:1時間勉強、10 分休憩)しました。こうすることで、(机に向かっている時間ではなく実際に頭を使っている)学習時間が明確になり、見通しを持って学習を進められました。気分転換の方法は、伊藤塾東京校周辺のランチを開拓すること、お風呂に入ること、外出した際には美味しいご飯やスイーツを買って帰ることでした。モチベーションは、伊藤塾で他の試験種の方が勉強しているのを見ること、対面の勉強会に参加すること、個別面談で職員の方とお話しすることで高めていました。

 

最後に 

公務員試験に向き合った期間は、人生で最も勉強し、人生で最も多くの感情を味わった期間でした。様々なことがありましたが、自分の選択に後悔はありません。また、「就職活動を通して自分は成長できた」と胸を張って言えます。
しかし、「人生で最も」に満足し余韻に浸るのではなく、ここからまた「人生で最も」を更新していかなければなりません。やっと入省というスタートラインに立つことができたのですから、今後は自身の問題関心である「学校現場や教育をより良いものにする」、そして「日本社会の発展の礎を築く」というゴールに向かって努力していきます。
最後に、お世話になった皆様へ。これまでご指導いただき本当にありがとうございました。仕事を通じて恩返しできるよう、精進してまいります。
これから公務員試験に臨まれる方へ。「自分に向き合い努力し続けてきた者だけに与えられる最高の舞台」を楽しんでください。