合格に求められる知識量を効率的にかつ実践的に覚えることができました。

 
合格者イラスト

Rさん
◆所属大学: 明治大学 法学部
◆受講講座: 司法試験入門講座、国家総合職ゼミ

はじめに

国家公務員を志望した理由

国際社会における人々の交流のなかで、日本国民が安全で効果的に社会経済活動を行うための基礎を作り、日本国と日本国民・企業が世界中で繁栄し、活躍する未来を創りたいと思い、国家公務員を志望しました。
契機となったのは、大学2年の夏に短期留学したことでした。このでき事をきっかけに、日本人の世界中における社会経済活動を成り立たせるための基礎となっている国際関係を作る仕事は、大変にやりがいがあるに違いないと考えました。世界を豊かにし、日本を繁栄させている具体的な取り組みは、国民個人の社会経済活動にほかなりませんから、政府の取り組みのみが日本を豊かにするわけではありません。しかし、国民一人ひとりの社会経済活動が日本の繁栄と結びつくためには、政府が環境を整え続けることが不可欠なのです。
グローバル化した現代社会において、日本国と日本国民が繁栄するためには、そのための国際社会を創ってゆかねばなりません。私は、国際関係の形成と発展に主体的に関わり、日本国民の全ての社会経済活動の基礎となる国際環境を創り上げてゆきたいと思っています。
 

伊藤塾を選んだ理由、伊藤塾のココが教養区分合格につながった!

私は、大学進学当初、司法試験合格を目指しました。法律の学習をはじめるにあたって、予備試験・司法試験指導における伝統と実績の高さから伊藤塾を知り、体系マスター・基礎マスター・論文マスターを主軸に、盤石な知識と運用力を身に着けるカリキュラムがあると分かったことが伊藤塾を選択した決め手だったと思います。
国家公務員を目指す契機となったのは、上述のように、大学2年の夏に短期留学したことだったため、大学2年の10月ごろに、国家公務員を志しました。その同時期に国家公務員試験の合格も目指したことになります。
私は、専門知識の配点よりも政策立案力や文章表現力の配点が大きい教養区分の合格を目指しました。そこで私は、伊藤塾の公務員試験講座では、基礎能力試験対策パックと国家総合職ゼミを受講しました。基礎能力試験対策では、テキストに記載された知識のほかに、講師が講義内で知識やロジックを補完しくださったため、合格に求められる知識量を効率的にかつ実践的に覚えることができました。
国家総合職ゼミでは、佐藤講師が合格に求められる論文の書き方に加え、官僚に求められる思考について丁寧に根気強く解説してくださいました。この方法論と思考論を体に染み込むように論文演習で訓練を重ねたことで、教養区分の総合論文試験、企画提案試験それぞれで平均点を上回る点数を取ることができました。
私が伊藤塾で勉強して国家総合職試験教養区分試験を合格できた要因は、「伊藤塾は、試験合格後に実務家として何を成したいかというイメージから、逆算して合格を目指す塾であること」「佐藤講師の国家総合職ゼミで国家公務員の資質として不可欠な方法論と思考論を身につけられたこと」「伊藤塾の法律学習指導のノウハウによって、法的に論理的な思考法(リーガル・マインド)を身につけられたこと」です。
司法試験講座において、伊藤塾長は、「単に試験合格を目標にするのではなく、試験合格後に実務家として活躍するイメージを目標とすることが合格に達する秘訣だ」とおっしゃっていました。これは、予備試験・司法試験のみならず、国家公務員総合職試験にも間違いなく当てはまります。伊藤塾長の「やればできる 必ずできる」という言葉の存在も、背中を押してくれたと思います。
佐藤講師の国家総合職ゼミで学ぶことのできる様々な要素は「私がとった勉強法」の欄に譲りますが、伊藤塾が提供する法律学習によって身に着けることのできる「法的に論理的な思考法(リーガル・マインド)」は、総合論文試験や企画提案試験における思考力と表現力を格段に飛躍させてくれました。伊藤塾で勉強する最大の魅力は、法律学習指導の伝統と公務員試験指導の実績と双方によって蓄積された「本当に合格点をとるために必要なこと」を学べることと、試験合格のみならず官僚という実務家として活躍するために必要な素質を学べることだと思います。
 

私がとった勉強方法

総合論文試験について

国家総合職ゼミにおいて、佐藤講師が合格に求められる論文の書き方に加え、官僚に求められる思考について丁寧に根気強く解説してくださいます。この方法論と思考論を体に染み込むように訓練を重ねました。
ゼミでは、政策立案に必要な思考プロセスを紹介されるので、そのプロセスにそった思考とはどういうものか、なぜそのプロセスが必要かを理解することからはじめました。次に、そのプロセスを経るために必要となる事前知識の収集に努めました。これは、佐藤講師が参照すべき資料と、資料を基に収集先を広げる工夫を紹介してくださるので、その資料にあたりながら、政府が取り組む政策課題と実施している政策に関する知識を集めます。その知識を収集すると同時に、政策課題について、自分なりの対処方法を考えました。これは、現に政府が実施する政策を基に、自分ならどのような改善を行うかという視点で考えをまとめました。この際、政策の必要性(理念・学説的な論理性・効果)に加え、許容性(どうやって実現するか、財源・人材)についても言及できるように準備しました。総合論文試験は、意見論文を書くのではなく、政策を論述する試験であるという性質上、論説文を書くときとは全く異なる作法があります。その作法に則って論文を書けるように情報を集めます。その作法の内容は、ゼミの講義において紹介されるので、ご安心ください。

 

基礎能力試験(知能分野)

文章理解における日本語と英語の問題については、本質的には言語力を高める必要があるので、一朝一夕には成長しません。この本質的な言語力を高めるためには、大学受験向けの文法書や演習書を利用するのがよいでしょう。一方で、あくまで筆記試験なので、点数を獲得する技術を修得する必要があります。これは、国家総合職試験過去問演習を通して、言語体系がもつ論理構造に抽象化して設問文章を分析することが重要です。言語に関する問題では、それぞれの設問における具体的な文章における具体的な方法論を学んでも意味がありません。
判断・数的推理の対策は、伊藤塾が提供している過去問集と、中学受験対策のテキストで行うのが良いと思います。問題演習を積むという視点では、過去問集を用いればよいですが、ここで求められる思考力は、数学的というよりは「算数的」であることが重要です。そのため、参考書(教科書)を参照したい場合、高校受験・大学受験向けのものではなく、中学受験向けのものがよいでしょう。特に、国家総合職試験の判断・数的推理は、他の公務員試験に比べて難易度が高いため、中学受験向けの参考書の中でも、上位校~難関校向けのものが適していると思います。

 

基礎能力試験(知識分野)

知識分野では、さまざまな専門科目から出題があります。各人が勉強経験に合わせて取り組む科目を選ぶことになります。私は、伊藤塾の基礎能力試験対策パックで国家一般職試験の専門科目向けの講座を受講していました。私は、大学受験で国立の文系学部を受験したので、自然科学以外の科目を勉強しました。
さて、私が学習した経験上、時事・国際関係・政治学・行政学・社会学・財政学は、万全に準備するべきだと思います。政治学・行政学・社会学・国際関係については、それぞれの科目が伊藤塾で開講されていますので、それを受講し、テキストに記載された知識を、講師が紹介して補完する知識とロジックに従って理解し、講師が紹介する方法で問題演習を通して知識の定着と運用速度を高めることが肝要であり、それを行えば合格点に届くと思います。これら科目の知識が、総合論文試験の基礎知識となるからです。政治学・行政学・社会学における知識(理論や学説)は、政策を検討する「作法」や「必要性」を補強します。時事・国際関係の知識は、政策課題の発見と分析を行うためには不可欠な知識です。また、伊藤塾では経済事情と題するテキストがあり、ここに記された内容は、時事の対策に大いに役立ちます。
 

企画提案試験

企画提案試験では、人事院に指定された資料に関する政策課題について、総合論文試験以上に具体的に施策を企画することが求められます。
まず、指定された資料を、「資料のなかで扱われている政策課題とは何か」という視点と「その政策課題に対してどのようや施策が行われているのか」という視点で分析します。例年、伊藤塾が資料の解説を行った講義を提供しますが、受験生は、まずは自分自身で資料を全て読み、自分自身で抽象する(どこを捨象するのかを検討する)ことを行うべきです。そのうえで、講師が抽象した資料の内容を踏まえて、資料に対する理解を深めるのがよいでしょう。
次に、資料にある各政策課題に対して、「反論が出ないような施策目標」を用意します。これが企画提案試験という「テスト」で高得点を取得する鍵になります。目標や意義を明確にしたら、施策の内容を具体的に考えます。私が取組んだ経験を踏まえると、国家総合職ゼミで教わる「政策立案のポイント」の中でも、財源や人材に対する配慮や、実効性の確保についてしっかりと検討を加えることが得点を伸ばすことにつながると思います。

 

政策課題討議

政策課題討議試験は、レジュメ作成と討議の2つから成ります。それぞれ、政策アイデアを練る時間、グループで話し合って意見をまとめる時間です。
レジュメ作成の対策は、政策の内容面とレジュメの形式面(レイアウト面)の2つを行う必要があります。重要なのは、自分の立場を支持する明確な論理を組み上げる訓練をすることです。日ごろから報道内容を参考に、賛成と反対がわかれそうな事柄について、それぞれの主張とそれらの反論を思いつくための訓練を行うのがよいでしょう。
討議の対策は、国家総合職ゼミで習う「得点を伸ばすポイント」をしっかり理解し、それに合わせた振る舞いができるように訓練することが肝要です。他者の不規則な発言のなかで自分の発言を紡がなければならないので、討議の対策は、実際に受験生同士でディスカッションの練習を行うしかないと思います。伊藤塾の政策課題討議の模擬試験も利用して訓練し、練習量を以て自信とすることをおすすめします。 

 

加点対象の英語試験について

英語スコアは、提出しませんでした。しかし、英語スコアの最大加点(25点加点)は、人物評価や政策課題討議における判定が一段階分の上昇に相当するので、ぜひとも英語スコアを提出することを強くおすすめします。

 

普段の生活と試験対策について

留学や、学生団体への参加・運営、国会議員事務所のインターンシップの経験を積みました。議論をまとめる能力、企画して実行する能力、政治行政を肌で感じながら学ぶ経験を得ることで、自分の特性を行政官として活かすイメージを示せるように努力しました。
面接において、必須というわけではないであろうが、社会事情への関心を、何らかの折で触れられるような経験を積むのがよいと思われます。自分の経験・活動を述べるのかで、社会事情への関心の高さを示せれば、少なくとも減点にはならないでしょう。

 

どのようにモチベーションを維持したか

コロナ禍になり、自室で過ごす時間が長くなったからこそ、勉強時間を確保することができて、合格できたと思っています。
「はじめに」の欄に書いた内容に通じますが、試験に対するモチベーションは、自分が国家公務員として成し遂げたい何かへの欲求、情熱によって維持すべきものであります。初心を忘れずに、そのとき一番合格に向かって合理的なことを、コロナ禍において最も合理的な勉強を考えることを突き詰めれば、特段これまでとの違いを意識することなく勉強を行うことができました。

 

最後に

教養区分試験に合格をすることで、まず、自分が志望する官庁に対する理解を深める時間を多く確保することができます。国家総合職試験に合格したとしても、関門は残っており、官庁訪問を経て内定を得てはじめて一安心できます。内定を得るためには、その省庁がどのような人材を望み、どのような哲学で動いているのかを把握したうえで、自身を省庁に適合させる努力が必要です。それには、綿密な調査と工夫が必要なので、この時間的なアドバンテージをここで有効に使うことが最も重要です。
次に、バックアップとなる進路を作る時間に充てられることだと思います。様々な可能性があると思いますが、民間企業への就職活動などを行う時間を十分に確保できると思います。
そして最後に、これは第一に関連するとも言えますが、自分のスペシャリティを伸ばすための時間に充てることができます。自分の人材価値を高めるために、独自に工夫することができる。希望省庁が望む資質を参考に、自らのスペシャリティを伸ばすための勉強や活動をすることが肝要です。
国家公務員総合職試験教養区分試験は、専門科目がないため、筆記試験対策が難しいと思われるかもしれませんが、配点が知識よりも総合論文試験や企画提案試験に大きく割り振られており、春の専門区分試験よりも政策立案能力の高さを評価する試験であるといえます。そのため、教養区分試験合格を第一目標として訓練することが、将来に国家公務員として自己実現するための基礎を作ることに他なりません。
 
将来の進路を決めかねている人にとっては、教養区分試験の対策は、もしかしたら重荷かもしれません。しかし、政策立案の能力は、工夫次第で、民間企業における戦略作りや、プロジェクトの発案にも転用できます。経験が無駄になることは有りません。
国家公務員として目指す姿がある受験者は、政策立案能力があることを示す教養区分試験合格を獲得することを目指すことがよいのではないでしょうか。教養区分試験の合格を目指すことのできる状況にあるのなら、ぜひ目指すことをおすすめします。