法律科目に対しての大きな強みだけでなく、
教養区分対策でも多くのアドバンテージを有していた

 
合格者イラスト
S・Tさん
東北大学 法学部

※本体験記は2022年1月現在のものです。

 

公務員を目指そうと思ったのはナゼ

 

公務員に興味を持った最初のきっかけは、国家公務員であった祖父から仕事の話をよく聞いていたことです。それが影響し、大学入学前から、ぼんやりと将来は公務員かなあと考えていました。民間企業とも悩んでいましたが、民間を志望していて途中から公務員に切り替えることは困難であること、公務員と民間の併願であればある程度可能であることを考慮して、公務員をまずは第一志望にしようと決めました。また、国家総合職を視野に入れていたため、学習を始める時期は早い方が良いと思い、1年の秋に入塾しました。

 

伊藤塾を選んでくれた理由は?

 

伊藤塾を選んだ理由は、公務員試験で重要な法律科目に大きな強みを持っているからです。実際には、私は教養区分で合格をいただきましたが、教養区分対策でも他の予備校にはない多くのアドバンテージを伊藤塾が有していたと思います。
佐藤講師の総合論文ゼミでは、良質な過去問を12回分も演習することで、どのような形式で論述し、どの程度の内容的な深さ・厚みを持って書けば良いのか具体的に検討することができました。これほどの演習量を確保し、本番で使える形で知識を整理できたのはゼミのおかげであると実感しています。

 

私がとった勉強法

 

総合論文試験について

佐藤講師の言うことを素直に受け入れ、アドバイスされた通りに学習を進めることが何よりの近道であると思います。実際、私もそのように動いていました。具体的には、「白書の〜部分を、・・・を意識しながら読み込むように」というようなことをゼミの中で言われるため、その通りに読み、ポイントを適宜まとめていくなどして工夫しました。ゼミではディスカッションを毎回行うため、盛り沢山の内容ですが、それを乗り越えたからこそ得られた論理的思考力は大きな財産になったと思います。
そして実際に時間を測って書くトレーニングも欠かさず行っていました。伊藤塾では答案を添削していただけるため、客観的な第三者から見た適正な評価をもらうことができます。講師の方からは厳しい評価をいただくことが多く、再度書き直して修正するなどしていました。この作業はかなりタフで苦労しましたが、直前期には4時間で2通の論文を早く正確に仕上げる力が自然とついていたと実感しています。
また、私はそれにプラスして、日経新聞を毎日欠かさず読み、時には複数の新聞社を読み比べするなどして幅広く知識を取り入れることを意識していました。最初はかなりハードに感じましたが、段々と読むスピードも上がり、負担が減っていくと思います。1つ1つの記事に対して自分はどのような意見を持つかと言うことを意識していました。これにより知識が多角的かつ深く整理され、論文でどのような内容が出題されても、柔軟に現場思考して論述する素養が身についたと思います。
 

 

基礎能力試験(知能分野)について

特に、私は知能の数的処理が苦手でした。そのため、Ⅰ部の全体的な方針として、文章理解・資料解釈で満点をとり、数的処理は4〜5問正解できればいいかなと割り切って考えました。数的の中でも、判断推理は取り組みやすいということを過去問演習で感じたため、そこを中心的に演習していました。数的推理の方では、確率や整数の問題が簡単なことが多いため、そちらを特に勉強していました。
文章理解に関しては、誰でも正解しうる問題であるとはいえ、教養区分の難易度はそれなりに高いです。日頃から日経新聞を読んでいたため、要点を掴みながら素早く読むトレーニングができており、得点源にすることができました。不安を覚えている方は、新聞や新書など興味のあるものを読んでみることで、読解力と知識の2つを同時に身につけられるためオススメです。
なお、Ⅰ部全体に共通して、「捨て問を見極める力」は大切であると思います。自分は過去問シミュレーションの度に、どの問題に時間をかけ、どの問題は諦めて捨てるべきかの判断基準を常に意識して取り組んでいました。
 

 

基礎能力試験(知識分野)について

人文科学と社会科学を重点的に学習し、自然科学は地学と生物を軽く触れる程度にしていました。人文科学に関しては暗記量が多いですが、問題自体は大学入試に比べればはるかに簡単なため、浅く広く学習するだけで十分に対応できます。社会科学に関しては、行政系科目の基礎マスターを視聴することで対策としていました。また、教養区分の過去問を使った演習はとても重要視していました。特に、出題された知識を確認するというよりも、どの程度のレベルの知識が求められているのかを体感するということに重きを置いていました。
また、人文・社会・自然の3つに共通して言えることですが、自分が毎回間違える問題には分野の偏りや傾向がありました。そのため、その分野や周辺知識に関してwordにまとめて常に復習できるように工夫していました。試験直前もそれらを見返すことで自信がつき、実際にその中から出題もされました。
講師カウンセリングやスタッフの寒川さんとの面談も利用し、学習計画を一緒に練っていただいたことも合格につながったと感じています。
 

 

企画提案試験について

10月20日に一次合格と同時に課題資料が発表されたため、10月中に資料の読み込みを終えられるよう取り組んでいました。11月に入ると相澤講師の解説講義が配信され、そちらをすぐに視聴しました。講義では、施策をいくつ考えておくべきか、そしてどの分野の施策をどの程度まで仕上げるべきかを丁寧に教えてくださるため、その方針にそって準備をしていました。人事院から提示された文献だけでは全く太刀打ちできないため、関係白書や各種政府資料、審議会の答申、自治体の先進的取り組み事例・新聞記事などを読み漁り、試験本番の質疑応答でどんな質問がきても答えられるようにしていました。
また、一人で考え込んでいても埒があかないため、友達と施策を持ち寄って議論したり、大学の実務家教員からアドバイスをもらうなど多くの人とコミュニケーションをとりながら中身をつめていく作業も行っていました。本番でも、現役官僚の方と提案した施策の内容を詰めていくような議論が展開されるため、練習の段階から意識することが大切であると思います。
 

 

政策課題討議について

正直、最も対策が難しいと思います。伊藤塾の模擬や友人と練習をする際には、司会や書記・司会のサポート役など一通りの役回りを経験しておこうと意識していました。私は司会になった際、議論を回すことに注力して、自分の意見をあまり言えずに終わってしまうことが多かったため、サポート役的な立ち回りが向いているなと思い、そちらに重きを置いていました。個人的に、ディスカッションで評価されやすい人には、「全体の議論の流れを俯瞰できる」、「途中途中で意見をまとめ、共通認識を図る」という特徴があると考えています。これは民間選考を受ける中でも体感したことであり、自分もそのような立ち回りを意識して臨んでいました。
ただし、この科目に関しては、いくら練習を重ねても、不安は払拭しきれないと思います。本番のメンバーにも随分左右されるため、ある程度慣れたらそれで十分ではないかと私は割り切って準備をしていました。結局、本番は想定外のことが多く発生したため、臨機応変に対応せざるを得なかったと記憶しています。
 

 

加点対象の英語試験について

TOEICのスコアを持っていたため、25点加算されました。英検やTOEFLなど総合職試験で加算される英語試験種はたくさんありますが、個人的にはTOEICがオススメです。比較的簡単に、短期間の準備で満点加算を狙えるため、少しでも時間がある方は取り組んでみると良いと思います。また、総合論文や企画提案で英語の資料が課されることもあるため、そちらの対策にもなり、一石二鳥です。25点しか加点されないため、別に受けなくてもいいやと感じる方もいるかと思いますが、持っているだけで、メンタル的に少し安心するところはあります。
 

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普段の生活と試験対策

 

1年生の時はテニスサークルの活動に参加していましたが、2年次にコロナ禍に見舞われたため、あまり活動ができませんでした。2年次はゼミ活動やオンライン留学、ボランティア、TOEIC等の資格試験学習に力を注いでいました。正直いろいろなものに手を出しすぎた気はしていますが、それがむしろ人物試験対策で活きたと思います。バイトも2つ掛け持ちで行っていました。教養区分の対策に本腰を入れたのは3年の4月からです。2年の終わりの時期に受けた教養区分の過去問シミュレーションで、他の塾生に比べて大きく出遅れていることに衝撃を受け、火がつきました。その中でも、夏に省庁の1weekインターンやワークショップに参加したり、業務説明会に可能な限り出席することで、同年代の総合職を志す学生の熱量を感じることができ、モチベーションの維持にもつながったと思います。
 

 

民間企業の就職活動はやってる?

 

民間就活では、インフラ系とIT・通信系を主に見ています。社会貢献性が高いことや生活基盤を支えることができるという観点からインフラ系を、そしてこれからの将来性や成長性という観点からIT・通信系を見ています。この冬には2社のインターンに参加予定です。これまでの実績としては民間専願で就活している方に比べると劣る部分が多いですが、気になる業界を覗いてみることで、「なぜ公務員なのか」という根幹の部分が深掘りできたため、自分としてはいいかなと思っています。
また、民間インターン選考を受ける中で、ディスカッションの経験も積めたため、教養区分二次試験に多少なりとも活かせたと感じています。

 

モチベーションを保つには?

 
モチベーションの維持が大変なのは周囲の受験生も一緒です。なのでそこを考えても仕方ないと割り切り、今できる範囲のことをやれるだけやろうと思って生活することを心がけていました。オンラインでも、留学や学習支援ボランティアなどの活動を行なっていたため、「コロナ禍で何をしていたのか」という面接の質問にも困らず対応できました。
また、私は地方在住であるため、伊藤塾の講師や職員さんと対面でお話しし不安を払拭できる機会があまりないんじゃないかと思っていましたが、伊藤塾が積極的に対面でのイベントを企画してくださったり、こまめに連絡をとっていただけたことが大きな助けになりました。聞きづらい質問や悩みにも、懇切丁寧に対応してくださり、モチベーション向上につながったと思います。
 

 

最後に一言!

 
教養区分で合格をいただければ、時間的・心理的余裕が生まれるとともに、省庁研究や民間就活に時間を割くことができるためメリットしかありません。強く受験をおすすめします。伊藤塾のゼミはレベルが非常に高いため、それについていくだけで十分に合格レベルに達すると思います。
なお、現時点で私は官庁訪問に臨む資格を得ただけであり、これからが本当の勝負であると思っています。政策研究や自己分析をきっちりと行いながら、職員の方から採用したいと思わせるような総合的な「人間力」を磨いていきたいです。