最後の1か月で一気に力がついた気がする。周りと比較して諦めないことが大事

 
合格者イラスト
K・Rさん
九州大学 法学部

※本体験記は2022年1月現在のものです。

 

公務員を目指そうと思ったのはナゼ

 

両親が地方公務員であり、家庭で業務内容を聞くことも多く、幼いころから公務員に対する親近感はあった。そのころからぼんやりと公務員という仕事に就きたいと思っていた。そして中学高校と進学するうちに国家公務員の存在を知った。国の中心施策を立案し、かじ取りをするという業務内容にスケールの大きさを感じ、将来日本のかじ取りをしてみたいと思ったのが、国家公務員になりたいと思ったきっかけである。理想の公務員像は少子高齢化を迎えている日本がいかに国力を維持向上できるかを考え、それに向かって有効な施策を打つことで活気ある日本を実現する公務員である。

 

伊藤塾を選んでくれた理由は?

 

公務員を目指すにあたって、これまでぼんやりとしたイメージしかなく、二年生の3月までこれといった対策をとってこなかった。国家総合職は難関試験と聞き効率よく学習ができ、確実に合格できる指導校を探すことにした。いくつかパンフレットを請求し、国家総合職に特化した対策をしてくれるところ、合格率・内定率が高いところを見ていった結果伊藤塾が候補として残った。一次の択一に問題を抱えていない人(一次の合格点をとれる人)であれば伊藤塾を活用することによってほぼ間違いなく最終合格まで行ける教材の内容だったと思う。

 

私がとった勉強法

 

総合論文試験について

論文試験は佐藤講師の対策ゼミで勉強をした。資料請求した際にも合格者の声などで佐藤講師のおかげで合格しましたといった感想がほとんどで当初は半信半疑であったが、実際ゼミを受けてみると答案構成といった基本的なところから、アイディアの集め方や白書の読み方といった上級テクニックまで教えてくれて大変良かったと思っている。講師が良くも悪くも辛口なので、褒めるときはお世辞でないのが分かるので自身の立ち位置が分かるのもよかった。また個人的にはゼミは論文の書き方や知識のインプットの時間と位置付けていた。ゼミがほぼ隔週であったので、ゼミの翌週に講師のコメントやその後さらに考えを深めてもう一度書き直すようにしていた。同じテーマについて複数回論文を書くことでそのテーマについての理解が深まる。また試験直前になると自主ゼミを開いて受験仲間と論文のコメントのつけあいをした。これもすごく効果的で、自分の論文を他人の目にさらすのは恥ずかしいし、抵抗があると思うが、批判にさらされるのは大事だとすごく思った。(論文が結局他人に伝わらない内容・構成なら試験本番も高評価は望めないから)ここは思い切って批評してもらうべき。4月から勉強を始めて、8月くらいまでは全く上達している気がしなかったが、最後の1か月で一気に力がついた気がするので諦めないことが大事

 

基礎能力試験(知能分野)

これははっきり言って4月5月に稲田先生の講座を一周し、テキスト(これ完とこれ完もどき?の二冊)をわかるまで解いた(2周くらい?)だけである。それほど苦手意識がなかったので5月に数的処理がどのようなものかがつかめたらあとは何もしなかった。中学受験をしていた経験があり、ほとんどの問題は時間を掛ければまず解けるといった感じであった。しかし試験当日は何といっても時間がなく捨て問を見極める力も重要である。直前期にはどういうパターンの問題が苦手で時間がかかるかやどれが得意かを自己分析して試験時間を有効に使うようにしていた。
また国語や英語は過去問では著作権の関係でカットされていることが多く、私はとくに対策をしなかった。(心の中ではなんかしなくてはと思いつつも…)当日は国語・英語に思ったより時間をとられ、焦ったのでここも早く正確に解く練習をしておいてもよかったと思う。しかし最優先は数的処理の苦手意識をなくすこと、これに尽きる!!
当日は15/24だった気がします。塗り絵をしたところがいくつかあたっていたのでラッキーでした。知識分野の実力にもよるが、目指すべきは18/24ぐらいではないでしょうか。私の点は一次突破のすれすれだと思います。

 

基礎能力試験(知識分野)

大学受験でセンター試験で5教科7科目受験していたこともあり有利だと高を括って、試験の二週間前までほぼ何もしなかったら直前になって全然点をとれないことに気づき焦る。直前の二週間は倫理や芸術歴史などの過去問を慌てて解いていた。これももっと計画性をもって取り組めばよかったと思っている。本番は19/30でこれもまたすれすれであった。他の合格者に話を聞いても一次をすれすれで通っている人は多くいる。つまりほとんどの人は当落線上にいるということである。一問が合否を分ける世界なので凡ミスはなくしたい。伊藤塾では基礎能力試験以外の試験対策は手厚くフォローしてくれるが、基礎能力試験は自分でコツコツやるしかないという側面が大きい。しかし一次試験に通らなければ、一生懸命書いた論文を読んでさえもらえない。したがって甘く見てはいけないのが基礎能力試験であると思う。大学の試験勉強が役に立ったこともあるので、本当にいろんなところで勉強を頑張っている人が強い試験だと思った。最後は運頼みのような試験であるが、その運を引き寄せられるかは日頃の努力や心持ちだと思う。

 

企画提案試験

企画提案試験は一次試験の合格発表と同時に参考資料が出されるのでそこから対策スタートとなる。私は諸事情あって11/10ぐらいからの対策スタートとなってしまった(大学のゼミが忙しく11/7までは何も企画提案試験対策はしなかった)ので二週間ほどで対策をしたが、対策は入念にするに越したことはない。おかげで11月初旬にあった相澤先生による模擬ではボコボコにされた記憶がある(それも当然である。思い付きで2時間で書いたものだったから)。私の場合は2週間ほとんど大学の図書館に朝から晩まで通い詰めて5つの提案を練った。今年は国土強靭化がテーマだったので①地震時の緊急輸送道路の確保のためのライブカメラ設置②水害時の自助共助の強化のための消防団の強化③老朽化インフラの対策としてトンネル・橋梁の点検の無人化④老朽化インフラ対策として小中学校のプールの広域化・ソフト化⑤ダムの事前放流により河川氾濫を減らす、を一応考えていた。そのうち①②④は自分でも自信作だったので本番の字数25*50のマスに書き下すところまでやった。私は知り合いの大学院生に頼み込んで論文添削をしていただいた。一人での対策は難しいので他人に意見をもらうのが欠かせないと思う。私の場合はゼミの先輩の知り合いの人というすごく遠い関係の人であったが、ちょうど国土強靭化に関する政策研究をしている大学院生だったので、使えるものは全部使え、といった心持で飛び込んだ。人脈もうまく使いながらあらゆる手段を使って対策すべき。本番は相澤先生との模擬の反省を生かし万全の準備をして挑んだところ、試験官を二人とも納得させ、試験官に「よく調べてるね、こちらからは納得しましたが、付け加えて言うことがあればどうぞ」といわれた。数字のデータや提案の懸念点のカバーの仕方までしっかり説明できるようにしておくとよいと思う。

 

政策課題討議試験

伊藤塾での模擬とそのほか伊藤塾のコミュニティで二回と合計三回の政策課題討議の模擬をした。テーマを当てるのはほぼ不可能なのでレジュメの書き方、自身の議論の中での立ち回りの仕方を自己理解しておくべきであると思う。模擬で内定者の方からアドバイスをもらえて自分の立ち回り方が理解できたのでよかったと思う。レジュメの書き方について、私は経産省が教養区分受験者向けに出している資料を参考にレジュメを作ることに決めていた。①自分の支持する意見、②理想の社会像③現状分析④意見の根拠⑤懸念点or代替施策の5つ。あまり多く書いても2分で発表しきれないし、聞く側も読み切れない。
議論の中であまり話せていない人に話を振る練習もしていた。これまでの議論をまとめて、○○さんどう思いますか?みたいな感じで話を振るのは自分に余裕がないとできない技術であると思う。これは総じて慣れがものをいうので民間就活のGDなども役立つと大いに思う。

 

加点対象の英語試験

提出した。15点分。
TOEICのスコアを出した。一回しか受けなかったので15点加算しか受けられなかったが、TOEICは二回目以降の方が実力の点が出やすいといわれているので、2年生など早いうちから受けて、スコアを持っておくべきだったと思った。しかしすでに3年生で時間がないなどの事情があるならば提出しなくてもよいのではないか?大した加点にならないから。

 

普段の生活と試験対策

 

部活動は週四の練習があったが、事情を話して週一程度の参加に減らした。アルバイトも月6コマ程度に減らした。大学の授業は前期は週12コマほどあったので割と授業は詰まっていた。後期は週3コマだけなので試験対策に時間を割くことができた。
9月頃から11月頃までゼミが忙しく、試験対策に時間はほとんど割けなかった。部活やアルバイトはやめなくてよかったと思う。面接で話すことの引き出しになるので細々とでも続けるべきだと思う。ゼミの活動は試験対策そっちのけで取り組んでいたが、それだけ熱心に取り組んだこともあって面接でのアピールポイントになった。公務員試験に全力を注ぐだけでなく、学生生活にも全力を尽くすことが必要であると思う。

 

民間企業の就職活動はやってる?

 

民間就活はしていたものの今のところ内定はないが、最終面接まで進んでいるところが2社ある。他にもインターンの面接やGDをしていたのでこれらの経験は公務員就活に役立ったと思う。どう考えても民間の面接の方が深くガクチカを聞かれるし、民間のGDの方が議論が活発だったと感じている。民間はとくに大手企業よりベンチャー企業の面接の方がガクチカを深掘られる傾向があり、早いうちから面接をしてくれるのでおすすめ。GDはコンサルのGDなどに参加するとびっくりするほどGDの立ち回りがうまい人がいるから、そういったところで荒波にもまれる中で少しずつ技を盗むのがいいと思う。これらを経験したうえで公務員試験に臨めばびっくりするほどあっさりと余裕で周りを見渡せる。
逆にSPIや玉手箱などのWebテストと基礎能力試験は似ているとよく言われるが、あまり同じものとは考えるべきではないように感じた。玉手箱はそもそも問題形式が大きく基礎能力試験と違うし、SPIも基礎能力試験とはセンター試験の数学と二次試験の数学の問題と同じくらい違う。SPIは全部解けるのが前提でいかに時間内に解けるかの試験でセンター数学のようなイメージだ。基礎能力試験(特に数的処理)は二次のように捨て問を見極めて解けるものを確実に得点できないと合格点は取れない。もちろん入試でも基本的な数学力は必要なように、就活でも基本的な基礎能力はSPIでも基礎能力試験でも求められるが…

 

モチベーションを保つには?

 

コロナだろうがなかろうが時間は同じように過ぎていく。コロナの場合は社会の方がだんだんコロナに適応して変化していく。この変化には我々もついていかざるを得ない。これも我々が何と言おうと変えられる流れではない。そうであるならばモチベーションが低いだのどうのといっている時間が無駄だと思って以前と同じように前を向いて日々頑張るしかないのではないか。

 

最後に一言!

 

民間と公務員試験に悩んでいる人にぜひ受けてほしいのが教養区分の試験である。教養区分は一次突破が一番大変で、これは時の運によるところが大きい。しかし一次さえ突破できれば二次は比較的簡単で最終合格までいけば、就活におけるプラチナパスがゲットできる。これは3月以降民間就活をするうえで精神的にすごくアドバンテージとなる。私自身今も民間と公務員のどちらの進路に進むか悩んでいる状況である。私も受かればすごくラッキーという気持ちで受けて合格した人間である。
教養区分に専願で勉強しても受かるかわからない試験である一方、私のように民間就活と両立しながら受かることもある、本当によくわからない試験が教養区分である。しかしただ一つ受験しなければ合格は決してしない。春区分の練習のつもり、民間就活の対面試験の練習このような気持でもまず受けてみることが大事ではないだろうか。選択肢を広く持つということは大事なことだと思っている。