在宅(通信)で勉強していましたが、「塾ネット」を使った塾生同士の交流に助けられました

K.N さん(36歳)
 

合格者イラスト
立命館大学法学部卒業 会社員
◆受験回数: 3回
◆苦手科目: 記述式商登法
◆主な受講講座〔入門講座〕司法書士入門講座〔中上級講座〕速解記述式パターン60、択一合格アドバンス講座、択一式スキルアップ講座、択一実戦力養成答練〔ゼミ〕合格への「思考力」完成ゼミ〔直前対策講座〕直前パック〔模試〕全国公開模試

私はこうして司法書士を目指す決意をしました

 2007年頃、 大学時代の友人が弁護士として活躍し、 あるいは新司法試験に挑戦している姿を見て、在学中に一度諦めた法律家になるという夢を再び、追いかけようと思うようになりました。自分が国際結婚したこともあり「外国人が安心して暮らせるようサポートする法律家」というビジョンを描き、司法書士に挑戦することとしました。行政書士の勉強に伊藤塾を利用したこと、「司法書士試験への招待」(法学書院)が受験を決める参考になったので、伊藤塾の入門講座を申し込みました。

私がとった学習方法

入門段階の勉強法

 入門講座はライブ講義を申し込んだのですが、週2回の平日の講座に間に合うように仕事を調整するのが、 とにかく大変でした。 基本的に週休1日だったこともあり、休みの日は、ほとんど朝からの講義でつぶれました。講義のあった日に復習するのは難しく、1日~2日かけて講義で習ったテキストの範囲を素読、該当箇所の条文と過去問をチェックしていました。今考えると、1年目の勉強は、とにかく「こなす」という感じだったと思います。行政書士の試験に数ヶ月の勉強で受かったことから、どこかで自分は「できる受験生だ」と思っていたのかもしれません。この時期の勉強で、土台をつくることはできたと思いますが、試験合格に向けて自分の力を客観的に評価することができず、結局、1年目は択一式基準点を超えられないまま、終わりました。

中上級段階の勉強

 1年目の試験が終わった後、子どもが産まれたこともあって、年末近くまで勉強が再開できませんでした。再開にあたり、記述式の力がだいぶ、 落ちていると思い、 「速解記述式パターン60」を申し込みました。しかし、 3月の震災で、仕事が忙しくなってしまって、勉強の時間がとれなくなり、試験を受けようかどうか悩むくらいのひどい状況になってしまいました。子育てで疲れ、前日、ほとんど眠れないまま受けた試験は、入門講座の途中のお試し受験の時よりも悪い成績で、惨めな気分でした。ただ、民法の力はそれほど落ちていなかったこと、 試験の5時間を戦いぬく力は日々の積み重ねでしか生まれないということに気付くという収穫もありました。
 試験後、すぐに中上級向けの「択一合格アドバンス講座」を申し込み、再インプットを開始しました。講座は、年内に全科目のインプットを終わらせ、年明けからは答練・模試に取り組めるようにという日程で組まれていましたが、私は海外出張などが重なったこともあって、主要4科目までしか進まず、結局、再インプットを終わらせるのに3月までかかりました。この講座は、持っている知識の確認を予習問題でした上で、講座を聴いて復習をするという教材構成になっており、私のように一度勉強を中断した受験生が再開する時に、どこができてどこができないのか、把握しやすいつくりになっていると思います。また、当時担当だった小山晃司講師が「伊藤塾一の応援バカ」と自称されているとおり、傷ついた受験生の心を癒し、奮い立たせてくれる講義だったと思います。(現在は、宇津木卓磨講師が担当)
 
合わせて2年目に消化できなかった、速解記述式パターン60の教材を使い、 記述式の申請書をたたきこみました。 年明けからは、 「直前パック」を申し込み、アドバンスの復習と並行して演習に取り組みました。「択一実戦力養成答練」は、時間管理の重要性、択一式基準点+αの点数を効率よく得るための戦略に気付かせてくれました。

直前期の勉強法

 4月からは、「択一直前総整理講座」のテキストをとにかく繰り返し復習しました。兼業受験生だったこと、4月にも2週間ほど海外出張があったため、勉強時間が限られていたことから、とにかく、最後は絞り込みをかけて、知識を先鋭化することだけを意識していました。1年目と違い、「とにかくAランクの問題を完璧にし、Bランクを半数以上取れば択一合格点は取れる」と割り切りました。5月以降、他校の模試を含めて5回受けましたが、午前は30問以上とれていたものの、午後は23問前後の時もあり、これで大丈夫かと不安になったりもしました。そういう時は、伊藤塾の「年度別過去問」(法学書院)を使い、午後の択一式を本試験と同様の1時間で解いてみて、30問前後取れることを確認して、自分の勉強は間違っていないと安心させていました。

試験当日について

 模擬試験の時から、昼食に何を食べるか、昼休みの時間に何をするか、気分転換のためにどんな音楽を聴くかなど当日を想定して準備していました。会場の前では、山村拓也講師、塾スタッフのTさんが例年どおり、受験生の激励に来られていて、少しリラックスして試験に臨むことができました。
 午前の試験は模試よりも難しく感じられて、終わった時点で今年もダメかもしれないと意気消沈してしまいましたが、家族に励ましを受け、iPodでハードロックを聞いて、むりやり気持ちを切り替えました。午後は37問を見た途端に、あいまいにしていた有限会社の問題であることに気付き、青ざめてしまいました。しかし、直前気合入れ講座で山村講師が「ビックリしたらみんな同じ、そこからが勝負」とおっしゃられていたことを思い出し、冷静になることができました。自分の1年目の22年度に新設分割が出され、基準点が低かったことも思い出し、これは不動産登記法と択一式が勝負になると判断しました。時間配分は、択一式60分、記述式不登70分、商登40分、見直し10分と決め、結果的に択一式は70分かかり、不登は予定どおり。商登は完全に部分点狙いで答案を作成しました。採点方式はブラックボックスなので、発表まで不安がありましたが、成績発表をみると想定したとおりの点数が取れていました。

自宅での学習とフォロー

 2年目以降の勉強は、模擬試験を除き、ほぼ自宅での学習でした。iPhoneで講義が聴けるようになり、狭いテーブルにテキストとパソコンを並べずにすむようになり、自宅学習がやりやすくなりました。ずっと一人で勉強していたので、他資格受験生も含めて塾生同士で交流できる塾ネットの存在は非常にありがたかったです。

伊藤塾の各講師陣についての感想・各講師へのメッセージ

 無料公開講座を含めて、伊藤塾講師陣オールスターズのおかげで合格できたと思います。入門講座の時より、働いたまま合格すると誓っておりましたが、それを守って、退任前に合格を報告できたことをうれしく思っています。また、一度勉強から離れたところから再起するうえで、小山講師の応援のお力に非常に背中を押されました。高城真之介講師の講座では、戦略の重要性に気付かされました。講座を影ながら支えている伊藤塾スタッフのみなさまにも合わせて感謝申し上げます。

最後に

 これから受験をめざされる社会人のみなさん。合否を分けるのは時間や回数ではなく、質だと思います。私は直前期に長期の出張もありましたし、毎日の勉強時間は3~4時間でした。スキマ時間を含めれば、もっと時間を作ることもできたと思いますが、足りない時間を嘆くのではなく、使える時間をどのように使うかにこそ知恵をしぼるべきだと思います。大学生や専業受験生がやっているからということで、過去何十年分の過去問に手を出しても、多くの場合、身に付かないで中途半端に終わると思います。あるいは、その分量に絶望するかもしれません。しかし、本当にそのやり方は必要なのでしょうか。常に自分を見つめて、何ができて何ができないのか、合格のためにそれは必要なのか。それを考えて、優先的に対処すべきことに時間を割いていく。賢い受験生になることが、合格の秘訣と思います。