社会人のみなさんは、「自分が合格するためには、あと何が必要なのか」を冷静に見極めることが大事です。

新間 香織 さん
 

合格者イラスト
横浜市立大学文理学部卒業 会社員 ◆受験回数:4回
◆受講講座:〔入門講座〕入門講座本科生
〔中上級講座〕中上級演習パック
〔直前対策講座〕全国公開模擬試験

私はこうして司法書士を目指す決意をしました

私は大学では心理学を専攻しており、法律にはほとんど触れたことがありませんでした。しかし、たまたま法律事務所に転職し、わからない法律用語や裁判実務、登記などについて本やインターネットで調べたり、裁判所や法務局に問い合わせたりしているうちに「どうせなら、きちんと一から法律の勉強をして、できることなら資格を取得したい」という気持ちが強くなり、司法書士を目指す決意をしました。

私がとった学習方法 

入門講座は、山村クラスをライブで受講しました。週3回のライブ講義はなかなか大変でしたが、職場の協力もあり、何よりも講義が楽しくて、ほぼ休まず最後まで通うことができました。とはいうものの、入門講座受講中は、講義を受けることとその復習で精いっぱいでしたので、とにかく言われた通り、素直に該当する過去問を解き、テキストを読み返す、その繰り返しをしていました。

中上級段階の勉強方法

入門講座の終了後は、択一実戦力養成答練と記述式答案構成力養成答練を受講しました。当時、私は入門でインプットは終わったので、アウトプットに重点をおけば点数は取れると考えていました。しかし今ひとつ点数が伸びず、本試験では択一の基準点に届かない結果となりました 昨年の受験後、私は何から勉強を再開していいのかわからず、途方に暮れてしまいました。そこで、ゆっくり休み、講師の方々や友人の話を聞き、じっくり考えた結果、①自分は怠け者なので来年に向けて何かペースメーカーが必要だ、②アウトプットは自分でも進められるからそれを補う講座を取りたい、という結論に至り、司法書士合格への「思考力」完成ゼミを受講することにしました。 
年内はあまり慌てず、ゼミを受講しながら自分の苦手なトピック(例えば組織再編)を1日かけてまとめるなど、インプットに時間をかけました。年明けから3月頃までは、択一は過去問を科目別に行い、記述は昨年の記述式答案構成力養成答練の問題と、新しい問題を交互に解くようにしました。記述対策では、重要な論点の確認と、ひな形を正確に覚えていることに加え、「はじめて見る問題にどう対処するか」を練習しておくことが大事だと考えたからです。

直前期の勉強方法や試験当日について

4月以降の直前期は、1月~3月の演習で間違えたり、自分の知識や理解が不十分と感じたりした問題を中心に復習を行い、ラストスパートの1ヶ月は、年度別の過去問を解き、本番のリズムをつかむ練習をしました。模試は6回受けましたが、よく言われているように結果の点数にはあまりこだわらず、特に記述で「どんなミスをして失点しているのか」の確認作業を重点的に行いました。記述の点数が伸びないのはつまらないミスばかりしているからだと気づき、「何とかノーミスにできないか」と頭を悩ませました。まずは基本ではありますが「間違いノート」を持ち歩き、電車の移動などの隙間時間に読むようにしました。
それでも、間違いノートに何回も「バカバカ!」と書いているのに、やっぱり忘れてしまう論点があり、結果、自分がよくミスする点については、問題文を読む前に答案構成用紙の左端にキーワードを書くことにしました。実際書いたのは、不登法なら「移転した持ち分の価格」「(共同)」「(付記)「識別情報を添付できない理由」「人チェック(混同、利益相反)」といったものです。
どれも何回も講義で聞いており、「これを忘れていた人は要反省」と叱られて(?)いたにもかかわらず、何度となく忘れて失点した論点です。このメモのおかげで、本試験では大きな失点をすることなく、記述答案をまとめることができたと思います。

伊藤塾の各講師陣についての感想・各講師へのメッセージ 

私は主に、入門講座で山村拓也講師、そして昨年は司法書士合格への「思考力」完成ゼミで関信敏講師に、それぞれライブクラスに通学しお世話になりました。 
入門講座の時の、山村講師の「記述の手順について細かいことを言っていると思っている人もいるかもしれないけれど、実際司法書士になったら、依頼者の何千万、ひょっとすると何億円もする大事な財産を取り扱うことになるのだから、もっと細心の注意を払う必要がある。」という話が心に残っています。この話を聞いたとき、それまで大雑把に小手先だけで勉強していた自分に気づき「自分は司法書士には向いていないのではないだろうか」と真剣に悩みました。でも、自分に欠けているところだからこそ、受験を通じて改善したいと思い、それから1つ1つの手順を大切にできるようになりました。
関講師のゼミでは、覚えた知識を引っ張り出すだけではなく、自分で答えを考えるトレーニングをすることができました。本試験1週間前、くじけそうになった私が「もうだめです。」と愚痴をこぼしたところ、関講師は「合格した人は、みんなそういう状態を経験している」と励ましてくださいました。

最後に 

私は今年の3月に、それまで15 年以上勤務した法律事務所を退職し、約3ヶ月間受験勉強に専念して、何とか合格をすることができました。
この決断は大変勇気いるものでしたが、私は、昨年の本試験終了後に、「自分が合格するためには、直前期に集中した勉強が必要だ。これをやらなければ何年勉強しても同じ結果になる。」とはっきり感じたため、思い切って3ヶ月間ではありますが、専業受験生になりました。
社会人のみなさんは、仕事と勉強の両立、時間のやりくりに御苦労されていることと思います。私もそうでした。ここでお伝えしたいのは、仕事を辞めてでも時間を作るべきだということではなく、「自分が合格するためには、あと何が必要なのか」冷静に見極めることが大事だということです。必要なのは、知識を増やすことなのか、現場対応力を養うことなのか、解答スピードを上げることなのか、それとも解答の精度を上げることなのか…ぜひ自分の「苦手分野」をじっくり見つめ、それを克服するためにはどうしたらいいか、講師や受講生仲間、ご家族やご友人の意見も聞いたうえで、自分自身で勉強方針を決めていただきたいと思います。そして、自分で信じた勉強方法を続け、自分を信じて本試験に向かっていただきたいと思います。