今年が最後と決めて臨んだ本試験
最後の最後に合格できました

M.Kさん(50代)

◆受験回数 13回
◆主な受講講座
中上級講座》中上級コース、演習コース
直前対策講座》直前パック、プレ模試、全国公開模擬試験

自身の受験経験を踏まえた、成功例、失敗談など

私は2019年度、13回目の受験で合格しました。
来年度の民法改正及び最寄りの受験会場がなくなること、何より経済的な理由から今年が最後と決めて臨み、最後の最後でやっと合格できました。
なぜ、このように受験生活が長期にわたってしまったのかを振り返りながら、受験生の皆さんの反面教師として参考にしていただければと思います。

1 初期(1年から5年目)

前職は非常に残業が多く、退職後も心身ともに疲労が蓄積しており、少し休みたい思いがあり、勉強にあまり集中できませんでした。他校の初級講座を受講していましたが、家族の休みに合わせて土日は勉強しないなどのんびりとした受験生活を送り、当然のことながら成績は伸びませんでした。基準点割れが続きましたが、それでも続けていればそのうち合格できるだろうという甘い期待を持っていました。今思えば、出だしの甘さが後々影響したと思います。

2 中期(6年目から7年目)

受験指導校の中上級講座を受講しました。そこでようやく成績も伸びはじめ、私自身の意識も変わってきました。はじめて午前午後ともに基準点を超えましたが、結果的には記述で枠ずれをして不合格でした。

3 後期(8年目から12年目)

本当に精神的に辛かったのはこの時期からでした。前年に択一で良い点数をとったため、今年こそはと意気込んで臨みましたが、午前択一の時点で不合格を確信。その後5年も伸び悩みました。模試では、Bランクの問題はとれてもAランクの問題を何問も落とすというベテランらしい状況に陥っていました。たまにA判定を出せるようになっていたので、変なプレッシャーがかかり、本試験でわからない問題が続くと頭が真っ白になったり、午前は良くても午後はダメ、択一は良くても記述がダメなどを繰り返しました。

4 今年の受験について

①学習したこと
Aランクの問題を取りこぼすという反省から、基本的な(王道の)学習を心がけました。択一は過去問をやって、間違った箇所や曖昧な箇所のテキストを読む。時間短縮のため極力解説は読みませんでした。並行して基本的な暗記ツールを回しました。記述はお風呂の中でのひな形の暗記、問題集、答練・模試の復習、過去問を繰り返しました。
今年の受験に向けて択一の過去問を回した回数は、科目にもよりますが15年分(出題数が多い科目)から30年分(少ない科目)くらいを2回ぐらいです。長い受験生活ではそれなりの回数にはなりましたが。早く回すことより理解が大事だと思い、不安はありましたが私にはこれ以上の回数はこなせませんでした。
②直前期
択一はインプット優先でテキストを高速回転しました。昨年までは直前期に何をすべきかよくわからず、出題予想論点を重点的にテキストを読んでいましたが、その方法だと穴ができる恐れがあり、今までと同じことをやってもダメだと思い、伊藤塾でよく言われている盤石な基礎固めに努めました。記述はそれまでやってきたことを引き続き繰り返し、加えて出題予想論点に穴がないように復習しました。
③試験当日と筆記試験合格発表まで
当日は特別できた感触はありませんでした。午前は今年で最後という思いから今までにない緊張感があり、簡単な論点を思い出せず焦りました。午後は択一が難問続きで緊張を感じる暇もありませんでした。しかし、かえってそれがわかるところは確実に、わからないところは捨てるという割り切りにつながりました。択一は1時間で解き切る予定が、何問も残して時間切れとなってしまいましたが、時間があまったら戻ろうと考え、記述に移りました。(結果的には戻って解く時間がなく、2問は適当にマークしました)
試験後は長い受験生活ではじめて、結果が怖くて採点できませんでした。合格発表までは、ダメだと思いながらも淡い期待を持つという不安な日々を過ごしました。合格発表で自分の番号を見た時は、うれしさというよりは安堵の気持ちでいっぱいでした。

伊藤塾を活用した学習方法

①「記述式答案構成力養成答練」

2年連続で受講し、その後も何度も繰り返しました。
受講前はなんとなく解いていて成績が安定しなかったので、答案構成用紙を使用した事実の整理の方法を学べたのはとても良かったです。
今年度は模試でも一度も基準点割れをせず、本試験でも択一で足りない上乗せ点を記述でとることができました。

②全国公開模試

毎年受験しました。他校に比べて安価であるにもかかわらず、良問揃いで非常に有効でした。特に記述は何度も繰り返しました。

③公開講座等

受験生仲間が全くおらず、ずっと一人で勉強しており、特に近年は独学でしたので、しばしば行き詰まりました。
そんな時に公開講座等はモチベーションの維持に非常に役立ちました。
合格してみると、講師の方々のアドバイスはやはり正しかったと実感しています。学習方法は人それぞれですが、精神的なことや当日の解法テクニック(例えばどんなに択一が残っていても1時間で記述に移ること)などは、やはり自分だけでは限界があります。

現在学習中、またこれから学習を始める方へのメッセージ

なぜ今年合格できたのか?昨年までと何が違うのか?それほど変わったことはやっていなかったので、明確な答えは見つけられませんでした。精神論でいえば、一言「あきらめなかったから」ということだけです。「あきらめる勇気がなかったから」というのが本当のところなのですが。一生続けられる仕事に就いていたにもかかわらず、退職してこの試験に挑戦していたので、その失ったものの大きさからかえってあきらめられないという強い思いとなり、粘り強さにつながったのだと思います。
受験回数が多い方で来年度の合格を目指す方は、私のような例もあることを励みに頑張ってください。本試験の現場で必要なのは、模試のA判定ではなく、絶対にあきらめない精神力だと思います。
陰ながら応援しています。
 
末筆ですが、私は司法書士試験であまりにも結果が出ないので、成功体験が欲しいと思い、平成29年度に行政書士を取得しました。今後実務に入ったらダブルライセンスでやっていこうと思っています。行政書士試験は完全独学でしたが、伊藤塾のテキストを愛用しました。行政書士の取得をお考えの方におすすめです。

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