すきま時間も積み重ねれば大きな山になる!
時間のない社会人がすべき合格必勝法

今福 香苗さん

◆受験回数 3回
◆主な受講講座
入門講座入門講座本科生(山村クラス
中上級講座》中上級コース、択一登記法集中演習講座
直前対策講座》直前パック、全国公開模擬試験

私はこうして司法書士を目指す決意をしました

 現在勤務している法律事務所で将来も働き続けたいと思いつつ、何の資格も保証もない事務職員という立場であり続けることに不安を覚えたときに、自分でも資格を取ろうと思い立ちました。いくつかの国家試験を検討した中で、法律事務所の仕事と親和性が高く、また自分の性格にも合いそうだという漠然とした理由から司法書士を目指すことにしました。

伊藤塾を活用した私の学習方法

①入門段階の学習法について

 山村拓也講師の「入門講座」をインターネットクラスで受講しました。フルタイムで仕事をしているため、通学では体力・気力の問題で早々に脱落するだろうと考えたからです。
 受講は主に夜、自宅でしていましたが、連続3時間が難しい日は翌日に1時間分繰り越すなど柔軟に調整し、だいたい1週間単位でその週の分を聴き終わることを目安にしていました。
 可処分時間が限られているので、通勤時間でも仕事の手が空いた時間でもとにかく勉強する、という毎日だったと記憶しています。初学者なので覚えることが膨大で、知識の海で溺れそうになりながらなんとか「入門講座」を終えたような状態でした。

②中上級段階の学習法について

 昨年(2017年)の本試験後、年内(7月~12月)は、2年目に受講した「中上級コース」のテキストを読み込むことと、過去問を解くことを中心に勉強しました。2度の受験経験から、択一の得点をいっそう積み上げることと、解答スピードを更に速くすることの必要性を痛感したので、これらの点を意識しながら、毎日毎日テキストと過去問の往復を繰り返していました。
 その際、宇津木卓磨講師が講義で指摘されたハイライトの色分けがとても役に立ちました。不安から、隅から隅までテキストを熟読しようとしがちなところ、濃淡をつけて知識を刷り込んでいく指針となりました。
 年明け以降は、「択一実戦力養成答練」、「記述式答案構成力養成答練」で実力を測り、できないところ・苦手なところを確認していくことを目標にしていました。また、午後の択一の点数を高いところで安定させ、かつ1時間弱で解き切ることに不安が残ったため、「択一登記法集中演習講座」で更に弱点を埋めていくようにしました。
 記述式に関しては、「記述式答案構成力養成答練」の問題を1日1問解くことを目標にしていました。不登法か商登法か、1日にどちらか1問しか取り組む時間がありませんでしたが、それでも続けているうちに段々と解答手順が馴染んでいき、スピードアップにもつながったのでよかったと思います。

③直前期の学習法や試験当日について

 直前期は、①過去問を絞り込みながら繰り返し、②択一・記述式の答練の問題を4~5回繰り返し、③「うかる!記述式」の問題は制限時間50分と決めて繰り返す、ということをしていました。テキストも毎日決めた分量を読むことを目標にしていました。
 ただ、今年の直前期は気力を維持することがとても難しく、自分で思っていた程には勉強時間を増やすことも集中することもできませんでした。その反面、睡眠時間をしっかり確保し、淡々と本試験まで過ごせたことは良かったのかもしれません。
 模試は他校も含め4回受けました。初見の問題にどの程度対応できるようになったかを知ることと、ペース配分を覚えるためです。
 本試験当日は、もう今の生身の自分で挑むしかないのだからと開き直り、とにかく落ち着くことを心がけました。午前の択一が終わった時点で「失敗したかも…」と放心状態だったので、昼休みは外に出て少し歩きながら「本番はここからだ」と気持ちを切り替えるようにしました。

伊藤塾の各講師陣についての感想・各講師へのメッセージ

山村拓也講師
 私は公開模試以外全てインターネットクラスだったため、講師の先生方とお会いする機会はありませんでした。それでも、「入門講座」の長く過酷な1年を挫折せず続けられたのは、山村講師の熱のこもった授業や、その合間にしてくださるお話に大いに刺激を受け、背中を押され続けたからでした。

宇津木卓磨講師
 また、2年目3年目は、同じことを繰り返すばかりの勉強がいつになったら終わるのかと苦しく、不安でしたが、そのときに何度も思い出したのは、宇津木講師の「過去のことも未来のことも考えず、今目の前にあることを淡々とやること」という趣旨のお話でした。1年目のような勢いや思いが続かなくなった時期に、それでもよいのだと思えたことがとてもありがたかったです。実際に合格は、淡々と続けたことの先にありました。

最後に

 最後になりますが、家族や職場の上司たち、友人たちが、この3年間静かに応援してくれていたことに心から感謝しています。今にして思えば、「がんばれ」と言われた記憶はほとんどなく、「大丈夫だよ」と折々に言われたことが思い出されますが、そんな優しさに支えられた私はとても恵まれていました。
 今後は「この人に任せれば大丈夫」と安心していただけるような、地に足のついた司法書士になりたいと思っています。

仕事との両立について

①時間の捻出について
 通勤時間や仕事の手が空いた時間など、ちょっとした隙間時間を勉強に使うことに決めていました。塵も積もれば山となると思うと、逆に勉強しないことがもったいないように思いました。
②スケジュール管理について
 1日単位で考えず、週末を含めた1週間全体で緩めに考えることにしていました。計2時間しか勉強できなかった日があっても、他の日にそれなりにカバーできていれば問題なし、とあまり自分を追い詰めないようにしていました。
③遅れが生じた場合のリカバリーについて
 当初のスケジュールに固執せず、現状で可能な範囲で最優先すべきことに取り組み、ひとまず前に進むようにしていました。特にインプット講座受講中は、細かいことは一旦横に置いておいて、どんどん進めて早く講義に追いつけるようにした方が精神的にも負担が減ると思います。
④学習を継続するコツについて
 隙間時間の勉強を手助けする道具として、iPadなどのタブレットを活用することがおすすめです。私の場合、1年目2年目はテキスト・過去問いずれも紙の状態で持ち運んでいたため、混雑した電車の中で過去問を解いたり、テキストを広げたりすることはなかなか負担でした。
しかし、2度目の本試験後、思い立ってテキスト類を一気にスキャンしてiPadで読み書きするようにしたところ、荷物が減るだけでなく、気になったところはどの科目であろうとも即座に確認できるので、格段に効率が上がりました。
働きながら勉強を継続するには、勉強に取りかかるためのハードルをいかに下げるかがポイントだと思います。