一番費用対効果が高いと考え伊藤塾に入塾。
国家総合職ゼミが本当に為になった。
一橋大学 社会学部
※本体験記は2022年1月現在のものです。
公務員を目指そうと思ったのはナゼ
世の為人の為に尽くす仕事に就きたいと考えた時、政治家もそうだけれども実際に政策を国単位で実行する国家公務員のやり甲斐に強くひかれた為。理想は国民の皆様の声に真摯に耳を傾け、各種利害を調整しながら国益増大と国家に期待出来る人々を増やすこと。
伊藤塾を選んでくれた理由は?
勿論他予備校との比較検討はした。その上で経費と講座内容とを総合的に鑑みて伊藤塾が一番費用対効果が高いように思われたため。佐藤講師の国家総合職ゼミや松田・相澤講師の二次試験対策に救われた身であるから、その点は伊藤塾にして良かった点であった。
私がとった勉強法
総合論文試験について
佐藤講師の国家総合職ゼミ(教養区分向け)が本当に為になった。毎度毎度の討議は然程答えの内容を明かさない中で受講生のみの討議になり、蛙鳴蝉噪だった節もあろうが二次試験の政策課題討議の対策にはなった筈である。討議後に答えの枠組み(教養区分は正答例などないし配布もしないというスタンスも良かったように思われる)を教えて頂いたうえで広く資料を貰い、自分が書けそうなところを見つけ出すという格好が無理強いされている感が無く良かったのだろうと思う。
殊に本番のⅡ部に関しては最終回のゼミで扱われた国際関係の人口問題であった。その時頂いたデータがかなり活きたのかⅡ部は7/10であり、「具体的政策を書けないではないか」と嘆いていた他の伊藤塾生の点数はいざ知らずとしても一番配点の大きな総合論文に於いて多大なる好影響があったことは疑義が無い。
またⅠⅡ部共に「問題の要求を細かく読み取れ」というアドバイスが功を奏してか6点以上取れた。総合論文で2点付いて二次試験問題なくとも落ちた人をTwitterで見かけたこともあり本当に有難かった。
基礎能力試験(知能分野)について
数的処理を担当して下さった稲田先生の講義が非常に分かり易かった。一度自分で数的の教養区分問題を解いた時に時間も無く点数も悲惨だったことから流石にこのままではマズいと判断し講座を受講することとなった。
所謂「以下の選択肢から確実に言えるものはどれか」系統の問題で最初は手も足も出ず仕舞いだったところ問題の図式化や選択肢の潰し方といった各アプローチ方法を教えて頂いたのが有難かった。本番で特段良い点数だった訳でも無いが、最低限の点数を取れたのは矢張り稲田先生の教えがあったからこそ。
文章理解に関しては国語3,英語6の計9問の構成な訳であるが、英語に関しては対策皆無だった。何せ教養区分の過去問を解いても著作権の問題で扱えない以上言い訳がましいが致し方なかった。とは言え国家一般職の問題などは参考になるだろう。国語は過去問でも扱えるし一般職その他の問題も充実している。正直これで取りこぼしていると特に数的が苦手ならば致命傷になるので確実に得点できるようにしたい。
基礎能力試験(知識分野)について
佐藤講師が仰っていたことではあるが、政治学や行政学,国際関係,社会政策は勉強すべき。人文科学でも自然科学でも社会科学でもないではないか、という指摘はナンセンス。現に問題として出題されているところ(社会科学の公民分野が良い例)に、専門科目として政治学や行政学を履修していなければまずお目にかからないような人物名や唱えた内容が平気で記されている。また社会政策や国際関係は毎年頻出の時事問題のネタにもなりやすい。今触れた時事に関しては新聞をチェックするのが妥当な策なのだろうが時間が無ければ相澤講師が月一で流して下さる時事総まとめ講義が効果的。
後全部解ける必要がある問題では無いので、自分が大学受験の時にやっていた科目を中心に復習するのがほぼ唯一の施策。大学入試で苦労して覚えた日本史を世界史選択だった人間が数カ月程度で詰め込めるか否か考えれば分かる筈である。現に私自身一番時間を掛けたのは地理だったが二問のうちいずれも得点できなかった。
企画提案試験について
我々の代は随分提示資料も少なく、白書読み込んでいなければ到底太刀打ちできないというものでは決してなかった。皆さんの代にどういった問題になるか予想するのは不可能であるが、我々同様にかなり話題が絞られた資料が提示されたのならば相澤講師がその中から予想した問題(3問程度)の対策をしておけばほぼ間違いなく12点中の6点は取れる。正直6点取れれば充分であるが、それ以上を望むのであれば海外との比較や地方自治体の先進事例などを引き合いに出して自身の打ち出す政策の長所短所を適切に述べられるようにしても良い。
政策を練るのみならず当日の試験時に試験官二名からかなり鋭い質問(少なくとも私はそう感じた。予想していた質問と異なる視座から「そういう指摘もあるよな」と唸らせられる質問があった)をされるので、あらかじめ対応を考えるのもそうだが当日質問された時に面食らわない事。試験官も政策分野に精通していないことは往々にしてあるので、論理的にある程度返答できれば問題ないと思われる。
政策課題討議について
本年は松田講師が予想して事前に模擬として行った食品ロスの問題が本番でほぼそのまま出たので僥倖そのものであった。尤も松田講師もこんな事はそう多いことではない(八百万の政策課題がある以上それはそうである)と仰っていたし来年そうなると思って楽観視していると痛い目に遭いかねないので新聞等を通して広く世の中の課題とその対応策(二元論的な出題が多いので留意せよ)を調べておけると本番既知の情報から戦える。
企画提案と異なり本番何が出るかは始まってみないと分からないぶん対策の仕様も無いという声を聞くが、それは一理あるとしても荏苒としていて良い訳でも無い。伊藤塾の模擬にきっちりと出席し政策課題討議の練習を何回か行う(⁺αで友人と対策できれば更に良いが無理することでもない)ことは出来よう。また、上述の通り国家総合職ゼミで討論する機会を大切にするべき。佐藤講師が仰っている通り、恥ずかしがって或いは躊躇して話を開始できないとグループ全体として不合格になりかねない。
加点対象の英語試験について
TOEIC L&R 900点
これに関しては特段対策もしないで受けたので言えることはありません。ただ市販されている『超特急金の英単語』みたいな本に掲載されている英単語はまるで分かりませんでした。TOEICは如何に早く出された情報を処理できるかだと思わされたので、時間があるならセンター試験や共通テストの長文を解いて早く英語を処理するという感覚を取り戻したり養えたり出来ればGood。後は問題集を解くこと。
普段の生活と試験対策
アルバイトは行っていた(予備校スタッフ)。人の為に尽くす大切さと大変さ、生徒が受かった時の喜びは公務員試験の為の経験でもあるが社会に出るにあたっても非常に大きな経験であった。業務説明会は二年生のうちから参加しており、顔を売ることが出来れば(勿論それを露骨に目的とした訳では無いが結果として)その後に明示的では無いとしても良い影響があるだろう。また子ども食堂の無料塾にも携わらせて頂いた。
これらを行いながら如何に試験勉強をしたかという事については、夏休みなどある程度長期的に時間を使えるさいにバイト先に了承を得て試験対策に集中すべく実家に帰省して勉強できたのが大きかった。予め周りに国家公務員試験を受けようとしており後々長期的に試験対策に集中したいからその時は色々出来なくなる、という旨示して理解を得られておけるとその後の人間関係にも悪影響無く試験対策に集中できる。
民間企業の就職活動はやってる?
民間は数社しか考えておらず2022年1月時点で民間のインターンや説明会には出ていない。民間は1,2社内定を頂ければ精神的余裕が生まれるな程度でしか考えていない。国家公務員として出来ることを民間では矢張り出来ないというのが大きな理由。尚、独立行政法人を一社(?) 受ける予定であるが、教養試験があるとは聞いているものの総合職の教養区分を経験していればまず問題ないという話である。その点に鑑みても教養試験を受けておくメリットはある。
モチベーションを保つには?
矢張り説明会やインターンに出て職員の方と触れることで、ここで働きたいという思いを抱けるか否かと思われる。オンラインの説明会でも感ずるところは多分にあろう。或いはSNS等を通して同じ思いを持つ者同士交流の機会を持てるとそれも大きい。共に教養区分合格を目指し国家総合職ゼミの振り返りを行える仲間がいれば尚の事である。
最後に一言!
官庁訪問までは説明会に出つつ改めて志望動機を明確にし、内定を頂くつもりである。教養区分を受けようと考えている皆様は、「受かればラッキー」と思って受験するよりも「ここで試験を終わらせる」という強い気概を持って受けて頂きたい。事実秋試験で受かってしまった身として感ずるのは、法律区分や経済区分を受ける人と比べた明らかな精神的余裕である。民間就活も大学生としての生活の謳歌も出来るのは本当に大きい。是非一考して頂きたい。期待しています。