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大学4年生からの勉強も遅くはない。「自らがやりたいこと」という軸を大切に

 
合格者イラスト
R・Kさん
千葉大学 法政経学部

※本体験記は2022年1月現在のものです。

 

公務員を目指そうと思ったのはナゼ

 
公務員を本格的に目指したのは大学4年の春である。私は大学での専攻が経営学・会計学ということもあり、公務員は余り就職先として考えておらず、培った知識が多かれ少なかれ活かせる証券会社や資産運用ファンド等での就職を希望していた。
そのため、就職活動においては「自らが勉強してきたことを活かす」という軸でのみ動いており、採用面接ではその点を中心にPRして臨んでいた。実際に自分が勉強してきたことに隣接した業務の志望動機は書きやすく、質疑応答も乗り越えやすい。この点を良しと思う一方で、選考が進んでいくにつれて何ということもできぬ違和感を感じるようになった。それは、「自らがやりたいこと」という重要な軸を忘れていたことに起因していた。
ファーストキャリアはその後の人生設計に大きな影響を与える。一度きりの人生、可能な限りやりたいことをやった方がいいに決まっている。にもかかわらず「自らがやりたいこと」という重要な軸を黙殺し、大学での専攻内容による差別化を図ることに終始専念していた。それを反省した私は、「自らがやりたいこと」について遅ればせながら自己分析を行った。そこで、表出した答えは「日本を強くしたい」ということであった。私は個人的な趣味で昭和史に興味があり、在学中にはそれに関連した書籍を読んだり、戦争体験者等の昭和を生きた高齢者のイベントに参加するなどしていた。そこで、「本当は死にたくない、生きたい、家族に会いたい」と思いながら、「愛する国を守るために」と散っていった人々がいたこと、戦後は、焼け野原敗戦からの反骨精神に則り、日本を再び一等国にしようと死ぬ気で毎日働いた官僚やサラリーマンがいたこと、諸外国と対等に渡り合った政治家がいたこと、そのような人々のドラマを知った。現在の私たちの豊かな生活は彼らの尊い犠牲の下に成り立っている。そして、これらの犠牲が私たちの足場を作っている。そのおかげで、日本は世界で恥ずかしい国ではなく、多くの国から尊敬されている。しかしながら、現在の我々は変化することを嫌い彼らの築き上げた足場に安住してばかりで、その足場は時代の変化とともに朽ちていこうとしている。とりわけ、イノベーションや国際情勢の変化、災害と言った不確実性により波や風が強くなりその足場をもろくしている。これでは、先人の犠牲が有意義なものとして永続できない。彼らの意思を受け継ぎ、日本を今後も一等国たらしめ、子孫に祖国を矜持せしめんとする努力が必要である。ただ、これらを実現していくには様々な主体のあらゆるレベルの努力が不可欠である。その際には、あらゆる主体の行動の基準・枠組となる国の制度の変更が不可欠である。私はその役に是非とも立候補したいのである。
 

 

伊藤塾を選んでくれた理由は?

 

伊藤塾を選択した理由は1つに集約できる。それは圧倒的な合格実績である。大学3年生のとき留学が潰れ、腕試しで教養区分を受けて失敗し、国家公務員総合職試験の壁の高さを実感した。4年次も、公務員を目指してからは一時独学で挑むことを考えていたが、周囲に受験者が誰もおらず、がけっぷちの状況で背に腹は代えられないため一番実績があり信頼度が高い伊藤塾の講座を申し込んだ。「伊藤塾で良かった」と思う点については以下の2点が挙げられる。第一に佐藤講師のゼミ・授業である。初めてゼミを受けたときは全くついていけず、勉強するのさえ億劫になったが、授業内で時には厳しく時には優しく激励してくださった点が心に響き、やる気に火が付いた。それに加えて、+7科目の授業も追加で受講したことで視野が格段に広がったと思う。第二にテキストの質である。どのテキストも上手くまとまっており、効率的な学習が可能となった。

 

私がとった勉強法

 

総合論文試験について

総合職試験において「私がとった勉強方法」は以下の3つに大別される。
第一にゼミの復習である。ゼミで佐藤講師がおっしゃった内容は勿論、グループ討議で他のメンバーが発言したことなどもメモを取り、毎週復習した。また逐一提示される資料についても出来る限りの分析を行った。その上、ゼミで書いた論文の添削を行ってもらったことで自分の書いた内容について客観的な評価を行うことができるようになった。周囲に教養区分を受験する人が誰もいない人にはオススメである。
第二に+7科目の勉強である。私が当初受講していたコースは教養区分のみのコースであった。これだけでも人によっては十分対策可能であるかもしれないが、私は不足であると考え+7科目を受講した。政治学~社会学まで全くもって専攻外であったが、授業がおもしろくスッと脳に入っていったのを覚えている。
第三に政策ノートの作成である。これは佐藤講師が授業中にふとおっしゃったことだと覚えているが、施策から帰納的に課題を導き出しつつ政策ノートの作成を個人的に行った。資料や白書、新聞を見て良いなと思った政策を参考にしたり、個人的に閃いた内容をノートに書いていった。分野としては地方創生、イノベーション、災害、テクノロジー、社会政策、外交、安全保障、自然環境、文化の9つを設け、それらについてノートを作成した。
 

 

基礎能力試験(知能分野)について

能分野はオンラインで授業を一通り受講した後は、過去問や「これ完成」を解くことで、とくかく練度を高めた。知能分野は、国語3題、英語5題、資料解釈2題、数的処理・判断推理14題であったが、私は数的処理と判断推理があまり得意でないことを自覚していたので、国語・英語・資料解釈に力を入れ、それらの「これ完」を4周ほどした。一方で数的処理・判断推理についても手を抜いたわけでなく、「これ完」を毎日5題程、4周することで解くスピードをなるべく早めた。また過去問では時間配分について、国語・英語・資料解釈をそれぞれ10分・30分・10分に、数的処理・判断推理を残りの70分に設定した上で、国語・英語・資料解釈を優先して解くようにした。また、時間は120分きっかりで試験本番を想定して解くようにした。実際に、試験本番では国語・英語・資料については全て正解しており、数的処理・判断推理についても手を付けた7問中5問が正解しており、最低ラインを越えることができた。
 

 

基礎能力試験(知識分野)について

知識分野の人文科学(世界史・日本史・地理)については趣味で慣れ親しんでいたため特に対策を行わなかった。ただ毎月2冊の文献解読(新書)を個人的に行い、人文系の教養を身に付けるようにした。また、時事に関しては、要領よくまとまっている伊藤塾のテキストをこまめに読むようにして対策を行った。自然科学(物理・化学・生物・地学)については配付されたスーパー過去問と伊藤塾の過去問集を何周かすることで対策したが、8月から本格的に勉強をはじめたこともあり付け焼き刃に終わった。それでも何問かは正解できた。社会科学については総合論文対策で受講した、+7科目の授業が大いに役に立った。政治学や行政学、国際関係、財政学と言った本来専門区分の試験で勉強するようなことについても、教養区分の基礎能力では部分的に聞いてくるため、もし知能分野に不安があり、知識分野で点数を稼ぎたいのであれば+7科目の授業を受講することを強く勧める。
 

 

企画提案試験について

企画提案試験は、おおよそ相澤先生にご指導いただいたとおりに対策を行った。一通りオンラインで対策講義を受け終わった後は、レジュメの答案作成例を見つつ、課題のテーマに関して調査を行った。そして、国土強靭化計画に関する5つのテーマについて簡単な草稿を書いた。草稿は、実現可能性の高さと費用対効果を意識して書いた。書いた草稿に基づき、11月初旬の模擬企画提案までにそれらを練り直し、最も自信のあった草稿で臨んだ。模擬企画提案では、プレゼンや質疑応答、小論文の内容について忌憚のない意見を言ってもらい、自分の短所に多く気づくことができた。とりわけ、課題と施策の対応関係・論理関係について厳しい指摘をいただいたので、それらについて意識して施策を新たに練り直した。最終的に、5つあった草案を比較的出来の良い2つにまで絞り、それらについて再び相澤先生に見てもらった。また、松田先生にもカウンセリングを利用する形で、意見をいただき、それらに基づいて最終調整を行った。
 

 

政策課題討議について

一通りオンラインで対策講座を受けた後は、以下2通りの勉強・対策をした。まず第一に、レジュメを上手く書けるように工夫した。過去に出題された、テーマについてレジュメを本番と同じ20分で書いていき、自分の考えを短時間でまとめる練習を行った。また、ビジネス書を読んだりして、論理的に話を展開できるように普段から気を付けた。第二に、模擬政策課題討議のフィードバックを復習した。模擬政策課題討議では、多くしゃべっているつもりでも、不足であったり、議論が上手くまとまらないようなことがあった。また、自分より上手く書いている人のレジュメを参考にして、自分のレジュメに取り入れるようにした。これらを反省して、本番に臨んだ。本番では幸い、模擬政策課題討議と全く同じテーマであったため、議論を主導する側に立つことができたと思う。
 

 
 

普段の生活と試験対策

 

大学4年生ということもあり、大学の講義に追われることはなかったが、試験勉強と卒業論文の執筆、アルバイトを並行させることとなった。卒論執筆もアルバイトともに試験勉強の良い息抜きになったため私にとっては、それが日常生活のバランスを保つことに繫がった
 

 

民間企業の就職活動はやってる?

 

資産運用会社:内々定辞退、証券会社:最終面接辞退
選定理由:専攻を生かせると考えたこと。金銭面での待遇。
応用できた点:面接の受け答えにはある程度馴れることが出来た。

 

モチベーションを保つには?

 

卒業論文に力を入れたりして、気分転換。たまに所属していたテニスサークルに遊びに行ったり旅行に行ったり、趣味の時間を設けたりした。また、一日1時間ほど良い意味での「現実逃避」の時間を設けて勉強以外の何かをするなど、勉強へのモチベーションを維持した。

 

最後に一言!

 
遅ればせながら就活中に自分のやりたいことと向き合って、もしそれが「国家公務員」であったのであれば、大学4年生からの勉強も遅くはないはずです。そこで、教養区分の受験をお勧めします。私のように、4年生から勉強を始める方や専門区分について大学で専攻していない人でも受けやすいと思います。