「公務員としての考え方」を踏まえた上で論述する教養区分。対策には時間が必要
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H.Dさん 神戸大学 国際人間科学部 3年 |
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目次
公務員試験を目指したきっかけ
もともと環境問題などの社会問題に関心があり、その解決に携わることを仕事にしたいと考えていました。それを大学受験勉強の頃に親に相談したところ、公務員をすすめられたことがきっかけです。
決断したのは、はっきりとは決まっていませんが、とりあえずと勉強・対策を始めて進めていくうちに志望度が強くなりました。特に、面接対策として自己分析をしてみて、自分が公務員として働きたいという気持ちが強いことが確認できたと思います。
公務員試験の対策をはじめた時期
大学1年の秋から始めました。国家総合職は特に難しいと聞いていたので、自分の能力のレベルを考えると早いうちから対策する方が確実だと考えたためです。
私個人の場合には、どちらかといえば適切だったのではないかと思います。教養区分試験は、公務員としての考え方を踏まえたうえで考えを記述したり意見を述べたりする試験だと思うので、そうした考え方を、学生の立場で理解できるようになるのは時間がかかるのではないかと思います。
伊藤塾を選んだ理由
教養区分対策を行っている予備校で、合格・内定実績が高かったためです。
きっかけとしては、とりあえず予備校の試験対策に関する説明を聞いてみようという思いで参加した、伊藤塾の大学への出張説明です。そのとき担当していただいたスタッフの方が、丁寧に説明してくださり、信頼できそうだと感じたことも大きかったと思います。
対策の内容としては、論文対策として、受講生同士での議論を含むゼミが設けられているというのが、選んだポイントの一つでした。自分自身、初見の問題に対して論理的に自分の意見を述べるためには、即興で自分の意見を述べたり相手の意見を聞いて自分の意見を形成したりしていくことになる、議論というものを通じてアウトプットしていくことが必要だという考えに共感したため、伊藤塾を選びました。
伊藤塾のここが良かった!
講義・教材、論文対策
憲法や行政法といった法律科目の教材で、判旨が掲載されていることです。
ゼミ・質問会・交流会
ゼミにて、受講生同士で議論する機会が設けられていることや、質問会で具体的な勉強スケジュールや官庁訪問対策に関する情報収集ができることです。
時事対策
単に時事ニュースとしてどういった出来事があったのかを説明するのではなく、試験対策として、どういう要素が正誤判断のポイントとして問われるのか、また論文対策や二次試験においてどのように活かすことができるのかを説明しているところです。
人物試験対策
添削制度で、面接カードに書く内容としてどのようなことが求められているのかを知ることができた点です。
フォロー制度
カウンセリング制度で、官庁訪問に向けて、具体的にどのような行動をとればよいのかを知ることができ、漠然とした不安を解消することができた点です。
私がとった勉強法
総合論文試験
春から夏休みに入るまでは、とにかく文章を書くことを目標に、ゼミでの演習や、前半の解説講義の講評などを受けて、自主ゼミに際して部分的にでも再度答案を構成しなおすよう努めました。問題の分析の仕方や、答案の枠組みの作り方で注意すべきことが、どうしてもいざ演習となると頭から抜け落ちてしまうことが多かったため、演習の前に自分ができていなかった点を確認してから取り組むよう努めました。
直前期は、ゼミの後半の解説講義を視聴し、出題が予想される政策テーマに関する現状・問題の整理と、自分の解答のだいたいの方向性について検討を始めました。具体的には、各省庁が出している大綱・計画・白書といった政府の作成した文書(講義で紹介されたもの)の内容で、講義で指定された箇所について、提示された政策課題を考える際の視点を意識しながら自分なりに整理しました。その際、政策課題について述べる際にはまずファクトを示すことが必須であることから、単に課題と解決策とに分けて整理するのではなく、どういったファクトを根拠にどのような政策課題が見いだせるのか、対応させて整理するよう努めました。
基礎能力試験(知能分野)
数的処理に関して、初めの段階は、テキストや基礎力養成編の「これ完」の問題を、短時間で解けるように演習を繰り返しました。やり方はなんとなく覚えているけど、パッと頭に浮かんでこないなど、解法が定着しきれていない問題を中心に、3周ほど解きました。
その後に国家総合職の「これ完」の問題を繰り返し解くようにしました。解説を読んでも自分が本番で同じような発想で解くのは無理そうだと感じたもの以外で、慣れれば解けそうな問題を中心に2~3周ほどしました。問題が解けた場合でも、かかった時間をメモしておき、5~8分ほどで解けていない問題については、再度解いてより早く解けるようしるしをつけておくなどました。
文章理解に関しては、主に直前期に対策しました。英文に関しては英語のニュース記事を毎日一定の時間内に読み終えられるよう意識して読むといったことをしていました。現代文に関しては、論文対策で読む資料などの文章を一定時間内に読めるよう意識して読んで対策を兼ねていました。
基礎能力試験(知識分野)
人文科学や自然科学の対策はほとんどしておらず、直前期に過去問を解いたり、高校時代に使っていた教科書を少し見直したりしました。歴史の問題については、全く異なる時代の人物や出来事が、さも関連しているかのように記述している選択肢が多かったように感じるので、キーワードができた時にどの時代の話か、また出来事の順序はどうであったかを確認できれば、対策としては十分なのではないかと思います。
時事対策については、ニュースの見方がわかる講義を中心に対策をしました。講義で指摘されたテーマを中心にニュース記事(大学の定期購読などを活用)を毎日チェックするように努めました。また講義でも説明されていたように、単にあらゆるテーマに関する情報を丸暗記するのではなく、択一対策と論文対策とで目的と覚える事項を明確に分けて取り組みました。具体的には、あるテーマに関連する内容のうち、択一試験で出題が予想されそうな事項に絞って(たとえば宇宙政策の分野であれば各種ロケットの打ち上げ回数や成否、予算の額や歳入・歳出項目の割合の変遷など)記憶しておくことや、論文対策として、現状の指摘で使えそうな内容として整理する(論文対策と時事対策を体系的に関連づける)ことをしました。
企画提案試験
まずは、提示された出題資料の読み込みを始めました。論文対策の時と同様に、どういう現状があり、そこからどのような政策課題が見いだせるのか、それに対してどのような方向性の解決策があり、具体的な内容はどのようなものか、といったことを念頭に置いて資料の内容の整理をしました。
その後、まずは伊藤塾の模擬企画提案試験問題に合わせて答案を作成しました。いろいろ頭の中で考えるよりは、まずは実際に言語化してみて、改善点がどこにあるのかを考えた方がいいので、模擬試験をペースメーカーとして活用しつつ、徐々に案を作り上げました。また、京僚会が開催している模擬試験にも申込み、答案を作成し、他の人からのフィードバックをもらうよう努めました。
政策案を具体化していく過程では、出題資料で全体像を把握したのち、より具体的な情報を集めるため、審議会の資料などを参照して現状の制度のどこに課題があるのかを分析しようとしました。どの程度の完成度が求められるのかがわからなくなってきたので、その時には企画提案試験のテキストに掲載されている再現答案を参照しました。
政策課題討議試験
とにかく場数を踏むことを意識して、様々な政策立案イベントや京僚会の模擬試験、伊藤塾の模擬試験などに申し込んで取り組みました。個人的には、抽象的な内容を口頭でやりとりしながら一つの結論に持ち込んでいく議論というものに苦手意識があったため、政策について話すという内容面での慣れと、複数人の意見を踏まえながら共通点を見出していくという議論形式への慣れが出てくるよう努めました。
内容面に関しては、前提知識がある程度ないと、本番問題の参考資料を時間内に読み込むことだけでも大変です。その点、論文対策として政策文書を読み込んで、各政策分野の理解が深められたのは役立ったと思います。
議論形式については、伊藤塾の模擬試験や京僚会の模擬試験で受けたフィードバックを振り返り、次の練習の場で活かせるようにしました。どのようなことを意識してどのような取り組み方をすれば、より高い評価がもらえるのか、PDCAサイクルを回すように意識しました。
人事院面接
まずは、面接カードを8月下旬ごろに伊藤塾に提出し、一度添削してもらいました。そこで受けたフィードバックの内容をもとに、2回~3回ほど添削してもらいました。同時並行で、別の就活サービスのメンターの方で公務員試験受験者に添削してもらったり、大学のキャリアセンターの職員の方に添削してもらったりと、とにかくいろいろな方に見てもらい、自分の伝えたい内容が相手に正しく伝わっているかどうか検討しました。志望する省庁のイベントに同席していた受験者同士でグループLINEをつくり、対策会をしたこともありました。
面接カードは、いきなり各項目の文面を考えるよりも、伝えたい内容、核となる部分を何にするかを決めてから、限られた字数でそれをわかりやすく表現できるように推敲を重ねる方が、より早く確実に、評価されやすい面接カードをつくることができると思います。まずは自己分析として、これまで自分がどのようなことに取り組み、何を学んだのか、どのような力が身についたのか、すべて列挙して整理していく必要があります。そうでないと、面接官から予想外の質問が来た時にうろたえて的外れな回答をしてしまう可能性が高いです。そのあたりの対策が、自分の場合あまり考えられていなかったので、これから受験される方は気を付けるといいと思います。
加点対象の英語試験
提出しました。10月初めに受験を決め、TOEFL iBTの試験を10月中旬に受けました。TOEFL iBTを選んだのは、単純に二次試験当日までに余裕をもって間に合う日程の枠が空いていなかったためです。これから試験を受ける方がもし英語スコアも取られるのであれば、TOEICの方がよいと思います。
二次試験直前だったということもあり、一次試験合格発表前あたりの2週間弱で集中して対策し、できる限り少ない労力で基準点以上とることを目指しました。できる限り少ない労力というのは、模擬試験を3回ほど解いたり、英文のニュース記事を毎日読んだり、英語のラジオを隙間時間に聞いたりするといった具合で、本番3日前までは面接カード添削などを優先的に取り組んでいました。
普段の生活と試験対策の両立について
両立のために工夫したことは、当たり前ではありますがスケジュール管理とタスクの優先順位づけ、そして時間を区切って、決めた時間内にタスクを終えられるよう、集中して取り組むことです。サークル活動としては、主に環境啓発活動を行うサークルと、留学生と参加する農業ボランティアサークルに所属していました。代表と共同代表を務めていたのでそれなりに忙しかったですが、農業ボランティアで里地に行ってきれいな景色を見ながら作業をするのはいい気分転換になったと思います。また、モチベーション維持のために、質問会や交流会に積極的に参加するようにしました。
民間企業の就職活動について
民間企業への就活は行います。官庁訪問の際の志望動機づくりで説得力を高めるのに役立つというのと、自分が将来の就職先で後悔することのないよう、選択肢は広く見ておきたいという考えからです。
業界・業種の選定理由
民間企業のうちではエネルギー系の小売業やIT業界などを見ています。自分の関心事は主に環境問題で、その具体的な解決策としてエネルギー業界やIT業界で行われている事業が近いと考えるためです。
公務員対策との相乗効果
時間的な余裕や精神的な余裕はもちろんあります。また、適性検査の対策を一部兼ねる面があるという点でも役立っていると思います。
最後に
業界・業種の研究や面接といった民間就活をはじめ、省庁の志望動機に関連した自己分析を深めることをまずは優先に取り組んでいきたいと思っています。また、省庁の政策研究を同じ志望者同士で行っていきたいと考えています。その他、アルバイトで資金をため、免許の取得や旅行費用、サークル活動の費用に充てたいと考えています。
●これから進路を考える方へ
特に、官庁訪問対策に時間的・精神的余裕をもって取り組めるという点が、教養区分受験の最大のメリットではないかと思っています。また、民間就活も一応できるので、(試験後の時期から始めるとなると業界がかなり絞られてくるのかもしれないですが)視野を広く持って、悔いのないキャリア選択のためにも良いのではないかと思います。
官庁訪問まで、国家公務員という選択肢ありきで志望動機を考えるのではなく、自分が将来どうなっていたいのかというビジョンを明確にしたうえで志望動機づくりに取り組みたいと考えています。