旧司法試験からの転進!多くの人たちに支えられて勝ち取った合格

R.Yさん (28歳)
 

学習院大学法学部法学科卒業 受験回数:5回 【受講講座】
〔入門講座〕司法書士入門講座速修生

※プロフィールは、2010年合格時点のものです。

私はこうして司法書士を目指す決意をしました

2006年5月、旧司法試験の択一試験を自己採点した結果、合格推定点に及びませんでした。そこで、既存の法律知識を活かせる資格として、司法書士試験の受験を考え、直後のオープンスクールに参加し受験を決意しました。

わたしがとった学習方法

(1)勉強開始時期について
2006年7月、山村講師の「司法書士スピードマスター講座(現「速修生」)」をライブクラスで受講し、勉強開始しました。そして、オープンスクールの際に山村講師に勧められ、申し込んでおいた本試験を受験しました。「意味がないのでは?」と内心で思っていましたが、 試験の会場で問題を解くことで旧司法試験との違いを知ることができました。具体的には、民法の知識の射程が広い、刑法(判例、裁判例の中心)、商法(条文中心)、民訴(条文、判例中心)は問題の傾向が全く違うことを知ることができました。このことが、今後の択一式対策の一つの指針となりました。
(2)入門段階の択一式対策について
入門講座が終わる2007年3月までは、「講義を受ける→該当箇所の過去問を解く→過去問を解くのに必要な部分のみテキストにマーク、色分け」これの繰り返しでした。予習は特にしませんでした。また、カリキュラムに演習(小テスト)が組み込まれていたので、演習の前日は該当範囲のテキストの復習、過去問の間違った肢の復習をしました。入門講座を受けていない民法、刑法については、時間を見つけて過去問を解き、間違えた肢を中心に学習するようにしました。
(3)入門段階の記述式対策について

当時カリキュラムに組み込まれていた「できる!記述式」を受講しました。復習も大切ですが、予習にも重点を置きました。具体的には、不動産登記法、商業登記法のテキストを前日に予習しました。復習は、間違えた内容のみならず、教えてもらった答案構成をベースに自分なりの答案構成を確立させることに重点を置きました。答案構成は個人個人で違うと思いますが、私自身は答案構成にいろんな情報を書き出すタイプだったと思います。なぜなら、答案構成段階で気づいたことや添付書類を忘れてしまうことが多かったからです。商業登記法の添付書類もすべて書き出していました。

(4)試験当日について
午前の択一については、時間を気にせずゆっくり解きましたが、結構難しく感じました。 
午後の択一は、全部の肢はあえて見ないと強く意識しながら、55分で解きました。記述式については、択一を解き終えた後、いつものように商業登記から解き始めました。ですが、新設分割の問題でした。そこで、「新設分割ゆえ基準点は下がる」と自分に言い聞かせました。また、組織再編は万が一でたら後回しと決めていたので、設問だけマークして不動産登記の問題に移りました。 
不動産登記は構成してみて、埋めるべき枠の判断はつきました。ですが、同時に「自分が分かるならみんながわかるだろう。」と思いました。そこで、「添付書類の正確さで差がつくんだろうな、そして、差をつけよう」と考え、55分くらいかけてすべての答案を埋めました。
その後、商業登記に戻り、もう一度問題文すべてをゆっくり読みました。すると、問題文に「新設分割ができない場合は理由を書け」と書いてあったので、新設分割できるかどうか悩みました。とりあえず、できる場合の答案構成、添付書類だけは書きだしておき10分くらい考えました。結局、「みんなできると書きそうだからできる」と判断し書きました。全部で60分くらいかけて答案を埋めました。最後に余った時間で、択一で捨て問と判断したものを解き、マークチェックをしました。

本試験直後は、とりあえずやりきったという気持ちになりました。ですが、日が経つにつれて、午前の基準点に届かないことへの不安、記述式のミスに対する不安が増し、発表前の数日間はあまり眠れませんでした。結局、択一の点数は伸び悩みましたが、記述式の点数に助けられ合格することができました。

最後に

1年目は入門講座があり、カリキュラムどおりこなしていたので、とくにプレッシャーは感じませんでした。ですが、2、3、4年目は自分自身でスケジュール管理をする必要がありましたし、またそんな中で年々増すプレッシャーや不安と戦うことになり、モチベーションを維持するのが大変でした。「今年も受からないのではないか、いろいろな人に迷惑をかけながら試験を受け続けることに意味があるのか」と思って精神的に落ち込むこともありました。
ただ、旧司法試験時代にお世話になった呉講師の「淡々と」という言葉を思い出したり、司法書士スピードマスター講座を一緒に受講していた友人達と連絡をとったり、学生時代の友人と会ったりしながら、モチベーションを維持することで勉強を続けることができました。 
お世辞にも順風満帆な受験生活とは言えませんが、本当に多くの方々に支えられ受験生活を続けることができました。お世話になった伊藤塾の講師のみなさん、友人、家族、本当にありがとうございました。この場をお借りして深く御礼申し上げます。
(2010年11月・記)