伊藤塾の入門講座を徹底利用し合格!

原 本浩さん (24歳)
 

合格者
一橋大学法学部卒業 受験回数:3回 【受講講座】
〔入門講座〕司法書士入門講座本科生

※プロフィールは、2010年合格時点のものです。

私はこうして司法書士を目指す決意をしました

大学2年生の秋、将来について考え始め、民間企業に就職して所謂サラリーマンとして働くのではなく、何か資格を取って仕事をしたいと思い立ちました。そして「餅は餅屋」であると思い、大手と思われる指導校のパンフレットを数冊見て、最も印象が良く思えた「伊藤塾」の門を叩きました。
数ある資格の中から司法書士を選んだのは、(1)旧司法試験は試験制度の廃止に伴い超難関と化しており、初学者がこれから挑むには無謀であること、(2)法科大学院への進学、新司法試験の受験にはお金も時間もかかり過ぎると思ったこと、(3)それに比して、司法書士なら難易度的にも試験制度的にも丁度良く思えた、という消極的な理由からでした。

わたしがとった学習方法

(1)勉強開始時期について

私は法学部に籍を置いていましたが、講義にはロクに出席せず、勉強は殆どしていなかったので、初学者として入門講座を受講しました。

(2)入門段階での「択一式対策」について

入門段階では、入門講座を聴きつつ、講義進行に合わせて過去問を解いていました。講義はとても分かり易く、雑談も交えてくださるので、飽きずに最後まで受講することができました。 講座終了後はひたすら過去問を解いていました。条文は逐一引き、分からないことがあったら、テキストで調べる。これを何度も繰り返していました

(3)入門段階の「記述式対策」について

記述式は苦手でした。まずは記述式基礎問題集で基本的な演習をし、入門編、実践編と、より高度な問題を解いていきましたが、同じ問題なら答えを覚えているから解けるといった状況で、新作の問題には全く手も足も出ませんでした。
(4)試験当日について

平成22年7月4日。ついに迎えた3度目の本試験。今年はかなりの自信がありました。その反面で、もしダメだったら…という恐怖心が常にチラついていたことは言うまでもありません。午前択一では非常に緊張しましたが、何問か問題が解けてくると次第にリラックスでき、「今年はいける!」と思えてきました。それでも、昼休みは午前の出来が気になってしまい、午後に向けて気持ちを切り替えることが中々出来ず、精神的にかなり辛い時間帯でした。しかし、1年間頑張ってきた自分を信じて、「午後で巻き返すんだ」と心に誓い、午後の試験に臨みました。午後択一は平易な印象で、不登記述も多少の迷いはありながらも、無難に答案を纏め上げることができました。ところが、商登記述が空けてビックリ、なんと新設分割の問題でした。少し動揺しましたが、やるしかないと思い、解答に自信が持てないながらも何とか全ての解答欄を埋めて帰って来ました。
試験後は、択一は良かったものの、記述で細かいミスがかなり多かったので、もしかしたら基準点を割ってしまったのではないかと、発表までブルーな3か月間を過ごしました。結果的にはある程度の点数が取れていましたが、自分の番号を見つけるまでは非常に不安でした。この体験記を読んでいる方は、余裕の高得点を取り、合格を確信した上で有意義な3か月間を過ごされることをオススメします。
  結果:午前32問 午後30問 記述55.0点(不登29.0点、商登26.0点)

(5)総論

択一に関しては、インプットに必要なのは各科目につき信頼できるテキストを各一冊ずつと、条文、過去問のみです。これらを繰り返して、完全に自分の頭に叩き込むこと。これに尽きます。具体的には、テキストを読み、条文を読み、過去問を解く、という順番でやっていました。テキストを読む際には制度趣旨や理由付けを重視し、趣旨や理由が書いていなければ、自分の頭で考えてみる、ということが重要です。というのも、択一で最後の2択に迷ったとき、そういった練習をしていれば、現場で考えて正解を導き出せるようになるからです。条文は一度素読みして、過去問を解いて解説に出てきた際にも逐一引き、この時引いた条文には鉛筆で線を引くようにしていました。何度も引く条文には何度も線が引かれ、一目で重要度が分かるようになるという仕組みです。過去問を解く際には、肢ごとに、正誤だけでなく理由付けや関連知識を思い浮かべながら解いていました。また、択一はインプットだけでなくアウトプットが不可欠だと思います。なぜなら、択一では知識だけでなく、制限時間内で問題を解ききるという事務処理能力も問われているからです。「できる!択一式」などの演習講座を利用して新作問題を解く練習は必ずするべきだと思います。
記述に関しては、「できる!記述式」で山村講師に教えて頂いた、基礎知識の精度を高める、自分なりの解答プロセスを確立・習熟する、ケアレスミスをなくす、合格への執念で答案を書ききる、といったことが全てです。これらのことを意識し、毎日不登法・商登法の問題を各1問ずつ地道に答案構成することで、合格答案は書けるようになると思います。また、答案の記載方法に関して「記述式リアル答案徹底解析講義」を受講することをオススメします。模範解答通りでなくても減点されない記載方法が分かり、自分の答案の記載方法に自信が持てるようになるからです。
その他、勉強以外のことでも、合格に必要だと思うことは何でもやることが重要です。私は2回目の試験が終わった後、本番で必要以上に緊張してしまうというメンタル面の弱さを感じ、メンタルトレーニングの本を購入して読んだりしました。また、本試験でどんな環境でも集中して実力を発揮できるよう、自習室で勉強する際には頻繁に人が通る出入り口の近くなど、敢えて気が散る席に座り、公開模試では一番前や一番後ろ、教室の真ん中、冷房の真下など様々な環境で受験することで、集中力を養いました。さらに、頭が良くなるというサプリメントを飲んだりもしました。
反省点は、ケアレスミスを最後まで完全に無くすことができなかったという点です。今年の本試験でも、単純な読み飛ばしによって択一で1問失点しましたし、記述式はミスのオンパレードでした。ちなみに、出題ミスにも試験中は全く気付きませんでした。択一は1問のミスが合否を分けますし、記述も0.5点足りずに涙を飲む方が毎年必ずいます。この点は、シビアに考えた方が良いと思います

最後に

学習を開始したときには、合格するまでに3回も試験を受けることになるとは思いませんでした。しかし、合格に3年間掛かったということにはそれなりの意味があったと思っています。受験生活は死ぬほど辛かったですが、司法書士試験の勉強を3年間していなければ、自分自身と、こんなにも真剣に向き合える機会は恐らく無かったはずだからです。今後は、受験時代の「あの」ストイックな気持ちを忘れずに、クールで熱い司法書士になりたいと思います。
最後に、今まで受験生活を支えてくれた両親、兄弟、友人、講師の方々、スタッフの方々等、すべての方々にお礼を申し上げます。ありがとうございました!!!

(2010年11月・記)