子供の起床前、一人で冬場の早朝に勉強するつらさ…
まさに「知力」「体力」「時の運」が勝負です

高田 直さん(30代)
主夫・アルバイト
★主夫業と両立して合格

◆受験回数 5回
◆主な受講講座
中上級講座》蛭町記述コース
直前対策講座》うかる!記述式、全国公開模擬試験

私はこうして司法書士を目指す決意をしました

 もともと、約10 年間、精神科病院でソーシャルワーカー(精神保健福祉士)をしていました。その時に主に認知症のある方の相談援助業務を行っていました。入院療養中の方で身内の方がおらず、度々成年後見の申立ての支援を行いました。それがきっかけで、自分で認知症を含む精神障がいのある方に対してワンストップの法的なサービスを提供したいと思い、司法書士を目指しました。

伊藤塾を活用した私の学習方法

入門段階の学習法について

 基礎講座は別の受験指導校を利用していました。択一に関しては、過去問と答練、模試の問題を繰り返すことで、2 回目の本試験から択一式は基準点を超えるようになりましたが、記述式は基準点を超えることができませんでした。自分なりに3 年目に記述式の勉強をしましたが、差を縮めることができても、それでも基準点を超えることができませんでした。そこで知人から蛭町浩講師の講座の話を聞き、一から記述式を勉強するつもりで、「蛭町記述コース」、「うかる!記述式」を受講しました。

中上級段階の学習法について

 先ず択一に関して。択一式の基準点を超えるようになり本試験に落ちてしまうと、この能力を維持・向上するということが、とても難しかったです。
 記述式に関しては、藁をもすがる思いで「蛭町記述コース」を受講しました。本当に受験勉強がすすむにつれて、「今更ながら…」ということが案外わかっていなかった自分に気づくことがあります。特にF コン・D コンの講義では不登法なら登記の原因ごとに、商登法なら項目ごとに事細かに最新情報を交え、解説していただけるので、合格に足りなかった知識を補うことができました。この「蛭町記述コース」でも十分ですが、そこで得た知識や方法論を実践で活かすためのツールがやはり必要です。
 この講座後に「うかる!記述式」を受講し、実践的な訓練に励みました。この「うかる!記述式」の講座で出題される問題のレベルの高さにはじめは圧倒されました。はっきり言って、「難しすぎる…」という印象でした(不登法・商登法各1 題で3、4 時間要していました。もちろん解答もボロボロでした)。ですが、本試験のあの過酷な環境で基準点を上回る解答を書けるようになるには、これで挫折していては合格はないと気持ちを奮い立たせ、1 題につき1 時間以内で解答できる訓練を徹底的に行いました。直前期は本当に「うかる!記述式」の問題を完璧に仕上げることを目標に同じ問題を何回も何回も解いていました。
 今年度も「うかる!記述式」を再度受講し、昨年度と同様の記述式対策を講じました。本当に「うかる!記述式」以外は何も記述式の対策はしていませんでした。午後の時間配分としては択一式約45 分、不登法65分、商登法65 分、残り見直しという戦略で挑みました。今年の本試験では、若干択一式に時間はとられましたが、「うかる!記述式」での予想問題が的中したこともあり、商登法は55 分を割るスピードで解くことができました。結果的には概ね時間配分どおりに試験を終えることができました。試験後、十分手ごたえを感じていました。結果、記述式は不登法28 点、商登法32 点、合計60 点。本当に自分でもびっくりしました。
 受験生のベテランになってある程度、勉強をやりつくした感があっても、ふと「今更ながら…」聞きにくいことやわからないことがたまに出てきます。そこで、伊藤塾のインターネット質問制度で質問ができたのは本当に私にとって心強かったです。
 蛭町講師の「蛭町記述コース」講座と伊藤塾の学習フォローがなければ、勉強へのモチベーションの維持や今年度の合格はなかったと断言できます。

家事と勉強、両立の秘訣

 私の家庭は共働き世帯で、1 年目は、仕事と兼業で受験勉強をしていましたが、試験勉強確保と子どもが誕生したため、病院での仕事を退職。2 年目以降今に至るまで、家事、育児、アルバイト、そして勉強と両立させてきました。
 2 年目は家事・育児が大変で、空いた時間を勉強時間に充てていたというあまり計画性のない勉強をしていました。妻が育児休暇をもらっていて、主に育児を手伝ってくれたため、かなりの時間を勉強していたと思います。
 3 年目は妻が仕事に復帰し、子どもが保育園に入所したこともあり、家事をする時間、アルバイトをする時間、勉強する時間をきっちり分けて取り組めるようになりました。子どもが起きている間はほぼ、勉強はできなかったので、子どもが起床する前の時間、つまり早朝に多くの勉強時間をとるようにしました。早い時で3 時、遅くても4 時には起床し、6 時までの数時間を択一の問題演習に時間を当てました。案外、朝の静かな環境中でと、6 時までに択一問題演習のノルマをこなすという課題を自分に課すと、集中して勉強ができていたように思います。あとは空いた隙間の時間を見つけては勉強していました。
 今から思えば、2 年目で勉強を10 時間すること珍しくありませんでしたが、勉強の質という部分では、勉強時間は短くても、はるかに3 年目以降の方が高かったと思います。だらだら時間をかけて勉強するよりも短時間で集中するという勉強方法にシフトしていったことが結果的には合格につながったと感じています。

最後に

 本当にあっという間の5 年間でした。主夫として家の裏方を守りながら何とか家族の理解と支えがあってここまで勉強を続けることができました。多大な時間とお金を費やし、私から多くの人が去っていきました。
 よく「地獄のような受験生活」と揶揄されますが、冬場に一人早朝に勉強している時の孤独感は、本当に辛かったです。年々抵抗力も弱くなり、体力も減退していきます。それでも勉強を続けることができたのは、自分の性格上、やりすぎると燃え尽きてしまうということを理解していたため、1 日の勉強ノルマを達成できれば、勉強時間の長短に関わらず、それで(その科目の勉強は)終わっていました。なぜなら、例えば300頁のある問題集を単にこなすと考えれば、本の内容からして心理的に圧倒され、勉強のモチベーションが下がってしまいます。そこで1 日10頁を30 日かけてやるといった具合に1 月1 サイクルを目標に勉強をすると無理なく勉強にかかれると感じていたからです。そういった具合にボリュームのある内容を細分化してこなしていくことで勉強の継続や知識の忘却を防止することができました。また必要以上に他の問題集には手を広げず、同じ問題集を何度も繰り返していました。
 この試験の難しいところは、基準点を超える位の受験生はほぼ能力的には合否紙一重のところにいるということです。しかしその能力を如何なく発揮できるというのはまた別の問題。「知力・体力・時の運」どこかで聞いたフレーズですが、これが合致した時にはじめて合格につながると思います。
 山村拓也講師も「合格への執念」とおっしゃっていますが、最後は執念でしょう。確かに合格すれば本当に人生が変わった感があります。この喜びは他にも代えがたいものがあります。
 私の体験談がお役に立てるかはわかりませんが、少しでも私と似た境遇の方の参考になれば幸甚です。