記述の暫定答案作成の教えが合格の全て

J.Mさん(50代)

◆受験回数 8回
◆主な受講講座
中上級講座》蛭町記述コース、演習コース
直前対策講座》直前パック、全国公開模擬試験

はじめに

私は、択一基準点越えに3年かかり、その後、記述落ちを5回繰り返しました。受験期間が長期にわたると生活環境全ても望むと望まざるとに関わらず大幅に変わり、合格前2年間は勉強に専念できる環境になりました。
私の受験体験は一般、特に若年層の方にはあまりに特殊で参考にならないものでしょうが、中高年齢層で運動能力と記憶力が衰えている中で記述落ちを繰り返している方には一助になるかもしれないと思い筆を執りました。

伊藤塾を活用した学習方法

私は昨年度、「蛭町記述コース」をとっており、この講座を中心に学習を進めました。書式落ちが数年続いており、記述式答案作成速度を高めることが合格のための最重要事項であったからです。

(1)蛭町浩講師の記述式対策

「枠がはまる!記述式~フレームコントロール(Fコン)で基準点を突破する~」については講義用テキストが市販本の指定教材である「司法書士記述式対策フレームコントロール不動産登記法」(弘文堂)と同上商業登記法効果的にまとめたものであったためテキストの精読に努めましたが、結果的には市販本の熟読となりました。この市販本の精読は登記法の骨肉となったと思います。
「手口がわかる!記述式~過去問を24時間で攻略し出題点を押さえる~」において、参考資料として配布された項目別過去問集と年度別過去問集の全てについて目を通しました。すなわち、40回分の本試験の問題と解答を2回にわたり目を通すことにより、設問の読み取り速度を高め、添付情報の列挙を反射できるように努めました。添付情報についての反射的処理は合格のためには必須であるので、40回分も読むまでもなく、むしろ大量の文章、というより文字を読んで処理するための訓練をしたというのが実情です。当然ながらひとつひとつの設問について検討を加えたわけではなく、この点については、「手口がわかる!記述式」の講座テキスト(読む過去問)に体系的に要領よくまとめられているので、テキストを読むことにより目的を達成することはできます。
登記法の受験勉強、とりわけ、司法書士試験に合格するという目的のためには、テキストを熟読して、出題の手口について習熟してしまうことが本道であり、問題処理速度を高めるということが目的でなければ、私がとった方法とは逆の方法をおすすめします。
「枠をうめる!記述式~ディテールコントロール(Dコン)で合格点まで積み増す~」のテキストは蛭町講師の記述式対策講座のテキスト群の中でも白眉であり、今回の合格に最も役立ちました。口述対策として大手の4受験指導校の過去問集を入手して、過去問の頻出個所についてディテール・コントロールの該当箇所を読み返しましたが、大変重宝しました。と言うより、このテキスト以外に当たるものがありませんでした。これに記載されていない事項については当然のことながら捨てました。浅はかな私はそのような論点は存在しないのではないかと思っていましたが、添付情報の代替措置については、口述試験において更問されました。口述試験の雰囲気は大変和やかでしたが、聞いていたよりも難易度が高く、また、合格証交付式の会場において今年の口述試験では不合格者が相当数いたという噂を聞きました。
自宅学習用教材である「ワークブック」と「Case & Form」は基本事項を反復して迅速な処理能力を練達することを目的とするもので合格のための必須事項を反射的に処理する能力を高めるために非常に有意義なものでした。試験日まで休まず続けることが蛭町講師の指示でしたが、残念ながら私の能力では年明けに答練が始まるとそれまでほとんど手を付けずに放りだしてあった択一の勉強に忙殺されて継続できませんでした。

(2)伊藤塾の入門講座講義テキストについて

本年度版の主要四法のテキストを閲読する機会を得たのですが、いずれも限られた紙数の中で手際よくまとめられており、容易な入門書より詳細でありながらも無味乾燥な条文の切り張りで終わらせない深みもありますので、学習の基本となる書籍として最適であるように感じました。
要するにもう少し早くこのテキストを手に入れていたらこのテキストを中心に学習していたであろうということです。実際、口述試験対策としては、最初に、このテキストを非常に粗々ではありますが、通読しました。登記法は、体系的・網羅的に記載されたテキストが少ないので、これしかないといえるでき映えではないでしょうか。商法については、細かい知識について条文で補えば、民法も非常にコンパクトにまとまっています。
いずれにしても、試験範囲全体を一通りカバーしているテキストとしては、最もコンパクトまとめられています。

不安や疑問の解消とモチベーションアップ

特に中高齢の受験生の方々におかれては答案作成の処理速度がついていけないという悩みを抱かれている方も多いと思います。また、記述落ちが数回続くとこの試験には永久に受からないだろうという強迫観念に囚われたりもします。
ただ、各々の方の立場にもよりますが、ある程度年配の方がこの試験の合格をあきらめたとしても、他に取るべき道は限られていると思います。私は、合格することがないとしても合格以外に出口はないと諦観の境地に達してはじめて合格することができました。
あまりモチベーションアップにつながる話ではないかもしれませんが、受験からの撤回を考えていらっしゃる方に対しては何かの参考になるかと思い、書かせていただきました。

伊藤塾の各講師についての感想・各講師へのメッセージ

(1)蛭町浩講師

今回の司法書士試験合格の要因は記述式答案作成を一通り完了させたことであり、その点から、蛭町講師の記述式対策講座における商業登記記述の暫定答案作成の教えが合格の全てといっても過言ではありませんでした。
明示(登記できない事項を明確に設問として設定している場合)・黙示に関わらず、解答量が膨大である現状では、登記事項である以上は登記の可否に関わらず、登記事項を全て列挙してしまう方が無駄に登記の可否について判断して時間を浪費するよりは得点的にはマシです。万が一時間に余裕があれば、後から検討すればよいわけですから。
しかしながら、本試験は精神状態が模試とは全く異なります。最後の最後の土壇場まで想定外の不安と疑惑が襲ってきます。冷静さとか論理性など消し飛んでしまう局面に直面します。模試でさえ、満足に暫定答案が書けないのに、本試験において答案を書きあげられたのは、とにかく暫定答案を書きあげることが得点的にも最善の方法であるという蛭町講師の教えにすがって突き進んだ結果です。

(2)関信敏講師

本年度も合格していないだろうと思い、浅ましく返金制度のぜひを確かめたうえで、一番安くなる期日ぎりぎりに、関講師の講義を申し込みました。ネット視聴で熱心に視聴していたのですが、在学受講生としては不真面目とみなされたのか、ゼミの飲み会で「私の講義は全然役に立っていません。」と笑渇されてしまいました。
しかしながら、合格前にネットで視聴していた短編形式の論点説明講義の無料動画は大変役に立ちました。皆様もぜひ視聴されることをおすすめします。なお、有料の講義は重要論点について非常に深掘した議論を聴講生とともに展開しており、大変有意義であり、ぜひ聴講されることをおすすめします。と言うか、その場合は講義に参加する訳であり、緊張感から修得も飛躍的に向上するはずですが。

現在学習中、またこれから学習を始める方へのメッセージ

記述落ちを4回も繰り返しており、国家試験には合格できないと諦観の念に陥っていたところ、合格してほっとしています。記述落ち3回目辺りで気づいてしまう季節の移ろいというものは、一味異なる季節の移り変わりを感じている今日このごろです。
とは言え、受験勉強とは違う忙しさもあり、くだらない雑務、例えば、2年越しの引っ越しの荷解きと部屋の掃除などに忙殺されています。また、合格後のことについてはあまり考えてこなかったこともあり、今更ながらに今後の身の振り方についてネットその他で情報収集に明け暮れています。この体験記を書きながら受験勉強時代を顧みれば、人生の流転を憂いながらも、今思えば、短いながらも勉強に打ち込める環境に恵まれたことに感謝しています。
皆様の近い将来の御検討をお祈りしています。