私には、一番つらい時期にこころを暖めてくれる仲間達がいました
仲間の存在は受験勉強で得られた大きな宝物です

Y.Oさん(30代)

◆受験回数 6回
◆主な受講講座
入門講座入門講座本科生(山村クラス
中上級講座
演習コース、速解記述式パターン60、
       司法書士合格への「思考力」完成ゼミ
直前対策講座》全国公開模擬試験

私はこうして司法書士を目指す決意をしました

 会社都合によるキャリアの分断を避け、息長く専門性を高められる職業につきたかったためです。

伊藤塾を活用した私の学習方法

①入門段階の学習法について

 山村拓也講師の「入門講座」を受講しました。ライブでの出席を開始した時点で、すでに民法の抵当権の前まで終了しており、未習講座の配信されている講義の受講と、ライブクラスとの並行で、講義内容を頭にいれるのに精一杯でした。テキストと過去問の往復をやらなければと思ってはいましたが、理解しようと講義を聞き直していると余裕はなく、ほとんど過去問にふれないまま年明けになり、答練が始まると、更に時間がなくなり、過去問をやるタイミングを完全に失った状態で直前期に入りました。これではまずいとは思いましたが、今更過去問をはじめたところで複数回どころか一回できるかも怪しいため、「択一クイックマスター総整理講座」のテキストをつぶさにやりこんで理解を固めることにしました。答練などは本年度の予想も入っているだろうからと思い、アウトプットは答練と模試の問題を何度も繰り返してしっかりやるという、(今から思うと質問制度を利用するなりすべきだったと思いますが)正道から外れた方法をとりました。結果、それでも最後の最後で択一は基準点まで押し上がっていきましたが、記述はまだまだついていけていない状態でした。ただ、この時期、入門講座のテキスト分量は多く、Aランクを主に構成されているとはいえ、常に新しいものと格闘せねばならない中で、山村講師のスマートな説明、合格者の方々のお話を聞かせてくださった刺激あってこそ、初年度が何とか乗り越えられたと思っています。

②中上級段階の学習法について

 さて、初年度において、過去問をまともにやらない状態だったにもかかわらず、本番では基準点まで押し上がったことから、ここで奢りが発生し、判断を誤りました。「合格までもう少しなのでは」と。今振り返ると全くおそまつな状態で、初年度ならではの少しのミラクルを、自分の実力と勘違いしていました。付け焼き刃な知識は猛烈な速度で忘れていきますし、分かって解けていたわけではない大量の問題はすぐに失点するようになります。そういった次年度の怖さに対する意識が欠落していました。結果、じっくりと問題に向き合える年明け前の貴重な時間を会社の残業で浪費したり、とった中上級のインプット講座が自分にあっていないことに気づかぬまま何となく受講して、やっている気分になったりと、迷走しました。ただ、この次年度で、唯一大変良かったのは、関信敏講師の「司法書士合格への『思考力』完成ゼミ」をとったことです。よくわからなくても、とりあえず問題をとき、繰り返すと定着する、という方々もいらっしゃる一方で、私はそのようなタイプではなく、知識を頭の中でマッピングしない分にはいくら問題を解いてもさっぱり頭に残らない、インプット重視型の人間です。ですので、如何に上手にマッピングするかが重要で、関講師のゼミはそういう私の救世主になりました。なぜそうなるのかに、明確な答えでもって知識整理をしてくださる、受けるたびに霧が晴れる授業でした。特に持分会社の解説と、民事訴訟法、民事執行法の説明は感動的で、一気に理解度が向上し、迷走しつつも、骨組みをつくる大きな手助けをしていただきました。
 3年目以降はインプット・アウトプットともに他校の講座を主にとるようになりましたが、この3年目に併せて過去問をじっくり解いたところ、飛躍的に点数が安定しだし、基準点は全て越え、総合に数点足りないだけの状態までになりました。伊藤塾で一番辛い基礎の時期を支えていただいたことが土台となって、ようやく3年目になって、テキストと過去問の往復がまともにできるようになった感じです。
 6回の受験を通して、伊藤塾で毎年とり続けていたものは「記述式答案構成力養成答練」でした。初年度、次年度は、ついていくのが本当に大変で、復習で解説をしっかり読み、間違いノートにまとめたりしていると、まるまる2 日かかるほどでしたが、雑に扱うことだけは絶対しないようにしていました。素人感覚でも問題がよく練られているのが感じられますし、作問者の講師の先生方の気持ちが伝わってくる、問題自体が生きているような臨場感を感じるからです。特に商業登記ではストーリー性があり面白く、後で解説を読みながら、この会社で何が起こったかと、作問者の杉山講師(※注1)が答案構成用紙の下に書かれるお言葉をチェックするのが何より楽しみでした。そして例年、本試験が出題するものにその傾向があっており、驚き感動するばかりです。答案構成については、択一知識が安定してくるのと相乗効果で、3年目以降になると解くスピードが上がりはじめました。最後の年には、不動産登記はほぼノーミスで時間が多少余る回もあり、山村講師の解説を、メリハリをつけてお聞きし、復習はほぼ当日に終われるようになっていました。

③直前期(4月~試験前日)の学習法や試験当日について

 最後の年の直前期は、大体、1日11時間ぐらいを勉強時間にあてていました。やりはじめに雛型の確認と「速解記述式パターン60」の不動産登記の自宅学習用のものをやり、その後、択一は過去問、記述は不動産登記と商業登記の両方を一問ずつ、一日の終わりに覚えても抜けやすいものの暗記や間違えノートをみて終了です。6月にはインターネットクラスでとった伊藤塾の「うかる!記述式」の第1回と第2回だけをやりました。「うかる!記述式」は1回やっただけでしたが、時間はかかるものの、膨大な論点に高い確率で気づくことができたことが自信につながりました。そして論点のひとつが本番の民法の択一で問われるなどし、受講しておいて良かったと感謝しています。

伊藤塾の各講師陣についての感想・各講師へのメッセージ

山村拓也講師
 公私ともにいつも激励くださり、時に厳しいお言葉もいただき、この6年の歩みを導いてくださいました。本当に、有難うございました。あと数点が足りず、毎年毎年、「記述式答案構成力養成答練」で「また今年も宜しくお願いします。」と申し上げるのが、とても辛く、申し訳なく、悲しい思いでおりましたが、そのたびに「頑張ろう。」と固く握手してくださり、心底救われる思いでした。山村講師のおかげで、素晴らしい仲間と出会うこともできました。一人でも多くの受験生が、人生の支えになる貴重な何かを、山村講師とともに築き上げられていくことを心よりお祈りしております。今後とも、どうぞご指導の程、宜しくお願い申し上げます。
関信敏講師
 ゼミで頂戴したレジュメは宝物として今後も使わせていただきます。怪我をして民事訴訟法はライブ受講できなかったのが何より心残りです。緊張感の中で、質問を受け、答えをめぐらせ、その後、そうなのか、そうなっているのか、と納得を得たり仕組みの面白さを知ったりする楽しさ。ともすれば膨大な量の知識をどうにか処理できるようにならなければならない、という受験生ならではの義務感に押しつぶされそうになるときもありましたが、つかの間の勉学の「喜び」を関講師がいつも提供してくださいました。心より、御礼申し上げます。
杉山講師(※注1) ※注1 現伊藤塾司法書士試験科教材制作担当スタッフ
 「記述式答案構成力養成答練」の商業登記の最終回で、杉山講師がおっしゃられた「人の値打ちと煙草の味は、煙になってわかるもの」という言葉は、その回の復習ノートに書きこみました。重なっていく受験年数に対して、自分はこのまま勉強していてもいいのか、という問いには、常にYesと思ってきましたが、しっかり働いておらず、肩身の狭い思いも強く、社会的な引け目と、周囲からいつ理解が得られなくなるかという恐怖心と、このまま永遠に合格できなかったらどうするのか、という絶望感と切迫感と。そういった、いいようのない苦々しさを、何度も、そのノートに書いた言葉をみて、自分を鼓舞させました。精神面でも支えくださり、本当に、有難うございました。また、商業登記の問題に対する愛情を込めた作問の姿勢や丁寧さも、「記述式答案構成力養成答練」の各回を通して受験生なりにですが感じさせていただきました。今後、実務に出て、いつか申請書や添付書面の作成等にも少し慣れてくるときもあるかもしれませんが、杉山講師を思い出し、ひとつひとつの案件を、心を込めて丁寧に向き合っていきたいと思います。

最後に

 たくさん、不合格になりましたが、先に合格した仲間、今一緒に頑張っている仲間が、いつも路頭に迷いそうな自分を受け止めてくれました。本試験でミスをした、気になってしょうがない、心がえぐられそうな思いで、その夜、みんなと一緒にいながら食べた卵粥の温かさは、きっとずっと覚えていると思います。受験とともに失ったものはもちろんありますが、得ることができたものも、また同等に大きいです。それが挑戦している時期だと思います。悔いのない戦いをやり遂げられることを切にお祈りしています。