行政学や政治学が前提知識として必要。伊藤塾では体系的に学習できた
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T.Aさん |
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目次
公務員試験を目指したきっかけ
大学2年時、進振りのタイミングで官僚になる道を考え始めました。自分がこれから学ぶ法学知識を活かしつつ、母国である日本への貢献をしたいと思いました。社会貢献というと民間企業などいくらでも選択肢はあるが、国家公務員として直接的に国に還元される大きな仕事がしたいと思いました。
伊藤塾のここが良かった!
伊藤塾を利用する先輩が多く、実績があり安心感があったため。伊藤塾でよかったことは、テキストや講義が体系化されていたことと、(教養区分合格のため憲法以外は利用していないが)法律科目の知識を広く深く吸収できること。
私がとった勉強法
総合論文試験
基本的に、論文試験用の伊藤塾のゼミとその後に提供される講義で対処しました。ゼミの流れに沿って、与えられた時間に自分なりの解答をつくり、それをベースに他の受講生と議論し、講師からフィードバックを受け、後に配信される講義を聞いて再度答案を練ってみる、というものでした。Ⅰ部では、行政学や政治学などの基礎知識が大前提として必要になるので、伊藤塾のテキストと講義で早いうちに体系を頭に入れておくようにしました。Ⅱ部はより具体的な政策に関わるものなので、時事ニュースを追うことと、講師から配付される資料の必要部分を抑えることに専念しました。吸収できる知識には限りがあるので、配付資料以外を自分で探して、ということはしませんでした。個人的には文章を書くということ自体については得意分野だったので、答案をつくること自体の練習はさほどせず、最低限の知識の吸収のほかに、様々な角度で考えることと、設問の読み解きを丁寧に行いました。前者については自主ゼミに参加して他の受講生の意見を聞き、後者については、講師からも何度もお話があったように、文言を注意深く読み取って答案構成に反映させることを意識しました。
基礎能力試験(知能分野)
知能分野は数的処理と文章理解に大別されます。まず、私は国語や英語が得意で、かつ、中高と入試を経験していなかったので、数的処理に時間をかけるべきであると判断しました。数的処理は、基礎力養成編を先に1周して基礎固めをしてから、通常のテキストの問題に取り掛かりました。最初に1周してから、一度過去問を解いてみて、解くべき種類の問題を見極め(逆に言えばこれは解けなくてもいいという分野の問題を見極め)、分野ごとに複数回解きなおしました。初めのころは意識していませんでしたが、とにかく時間制限が厳しいので、6月ごろからは厳しめに時間を設定してとにかく要らない部分を省くことを意識して演習を繰り返しました。数的処理は慣れだと思うので、早いうちから少しずつ取り掛かるのがおすすめです。
文章理解は、「スーパー過去問」を使い、同じ問題を解いても意味がないので9月に入ってからやりました。過去問(もちろん国家総合職のものに限る)を解いて、国語は間違えようがないなと確信したので、英語について速読を意識しつつ満遍なく解きました。こちらはあまり力を入れていませんでした。
基礎能力試験(知識分野)
知識分野については、テキストと講義をとにかく全部見て頭に叩き込むスタイルで勉強しました。まずは2年生のうちに総合論文につながる国際関係・行政学・政治学・財政学・憲法あたりを通して学習しました。これらはどれも講義に沿ってマーキングしていくうちに大体暗記できる内容量だったと思います。3年生になってから社会・人文・自然科学という分類の下、勉強しました。社会科学はある程度内容は抑えていたので、経済分野を軽く2周ほどしました。ミクロ・マクロのさわり程度しかないので、時事講義で経済分野のニュースがあれば同時に見直していた程度です。人文科学は、入試で日本史・世界史を使ったので、高校時代の教科書をざっと見直して思い出していました。逆に、地理は全く習ったこともなかったので、テキストの内容を周回ごとに精度を上げながら繰り返し(3周ほど?)学習しました。思想分野は、過去問を見て範囲が狭いわりに得点源になりそうだったので、試験直前の短期記憶で勝負しました。芸術分野は切り捨てました。自然科学も文系なので、入試で使った生物・地学以外は全く何もしていません。
企画提案試験
まずは、提示された資料(3つ)の読み込みから始めました。今年度は資料が割と重めだったので、ここが重要だったと思います。また、馴染みのない分野だったので、実情などは自分でいろいろと資料を検索しながら内容を自分なりにまとめました。次に、細かい内容を考える前に、準備講義で講師が指摘していた構成になるようにひな形だけ作り、そこから政策を複数用意しました。お題の方向性は3つくらい考えられたので、それぞれについて1~2つの政策を用意しました(結果的に5つ用意したことになります)。伊藤塾の模擬試験を早めに予約し、あまり案が固まっていない段階で行いました。どういう手順で考えるべきかを早めに見直すことはできましたが、模擬として成立しないぐらいだったので予約時期としてよかったかというと微妙だと思います。その後は、友達と添削しあったり、省庁内定者である先輩に試験官役を頼んで模擬を行ったり、ということをひたすら繰り返しました。初めはなかなか形にならず焦りましたが、5日前くらいにはしっかりした企画を用意できたと思います。本番前には自分でまとめた資料とプレゼンシート、想定問答集を用意しておきました。
政策課題討議試験
政策課題討議については、正直あまりこれといって練習することはなく、伊藤塾の模擬と、大学の集まりで行った模擬の2回実践してみた、という程度です。そこでは、お題がどういうものなのか、議論はどのように進行していくのか、発言はどの程度すべきか、といったことを吸収しました。私は(議論を回すより議論の方向性や軌道を支える方が性に合っているので)ファシリテーターを絶対にやらないと決めており、その役に回る練習も特にしませんでした。全く誰も話し出さなかったらやる、ぐらいの覚悟だけしておきました。ただ、意見表明に必要な資料作成に当たっては、自分の立場とその根拠を明確にすることと、自分の考えのストーリー性がきちんと見えるように書くことは意識しました。加えて、友達がしていたのを真似て、「政策を通した目標・理想状態」というのを掲げるようにすると、考えの流れが相手に伝わり易かったと思います。また、それを発表する際は、その資料をなぞるのではなく、自分の言葉で伝えることも気を付けていました。最後の2分間の意見表明についても、単なる感想とならないように意識していました。
人事院面接
1次試験の合否が出たあと、面接カードの作成に一番初めに取り掛かりました。添削が返却されるまで10日近くはかかるので早目に取り掛かるのが吉です。面接カードは2度伊藤塾のほうで添削してもらい、あとは自分で多少直すという感じでした。その際には、3つの項目で伝えたい自分の像が志望動機のところにうまく結びつくように練りました。模擬面接は伊藤塾と大学の集まりとで2度行いました。伊藤塾の面接では、入退室のマナーをはじめ話し方やスピードなど包括的にコメントをもらい、それを受けて大学の先輩に面接をしてもらいました。私は、面接カードであえて抽象的な言葉で記しておき、それについて質問が飛んでくることを想定して問答集を作成していました。というか、書くことのできる字数はごくわずかなので、そうなってしまうと思います。また、あまり面接が得意でない自覚があったので、少なくとも愛想はよくしようと思い、とにかく笑顔ではきはきと喋ろうという意識はかなり強く持ってやりました。
加点対象の英語試験
私はTOEICを利用して25点加算してもらいました。英検は2級を持っているのですが、25点加算のラインの中で最も簡単そうなのがTOEICだったため、選びました。公式問題集の模擬試験が2つ付いているものだったので、それをどちらも解いてみて、それなりに手応えがあったのでそれ以上は特に勉強しませんでした。1度受けて900弱だったのでその時点で十分、25点の加算はあったのですが、見栄えがいいかなと思ったのでもう一度受験して900オーバーの点数で出しました。英語がとても得意というわけではないですが、ゼミで英文資料に多少触れていたのが(特にリーディングにおいて)良かったのかなと思っています。リスニングはとても短い文章が速いスピードでどんどん流れるので、集中力をもって模擬問題を解いてみるのが良いと思います。ただ、何にせよ730点をとれば25点加算だったと思うので、国家総合職を目指している方なら、少し形式に慣れておけば大丈夫だと思います。この勉強に時間を費やすよりもほかの勉強に注力すべきです。
普段の生活と試験対策の両立について
私は学業重視なのでバイトをしていませんでした。サークルは運動系だったのでリフレッシュしたいときに顔を出して体を動かしていました。机に向かってばかりというのも心身に良くないと思います。一方で省庁の説明会等には予定が無ければ全参加というスタイルでした。ただ、公務員試験がどういったものかは受けてみないと分からないので、本番前の9月は勉強に捧げていました。
民間企業の就職活動について
民間企業については政府系金融のインターンに参加した程度で、他は特にインターン等にも参加していません。政府系を見ているのは、官民の中間的な存在で、公益性とビジネスの両面をもっておりバランスが良く、惹かれたためです。現在内定はもっていません。あまりに話下手な人は民間就活での面接が活きるのかもしれませんが、私は練習で何社も受けるよりは専念した方が良いのではないかと思っているところです。
最後に
私が受験した年度より、会場も増設され、年齢要件も引き下げられており、教養区分受験の間口はとても広くとられるようになりました。一般的な春試験受験に比べ、教養区分で合格を得ておけば官庁訪問までの時間を有意義に過ごすことができると思います。また、何より、私は教養区分のために幅広い分野の勉強をしたり実際に自分で政策を考えてみたりするのがとても面白かったです。教養区分の試験内容は官僚になってからの仕事に通ずるところが多いと考えており、それが最大の魅力だと思います。
また、進路を迷われている方は、視野を狭めずに様々な官庁や企業、法律事務所などを覗いてみて、その上で決めることをお勧めします。私は、省庁の説明会と企業の説明会の双方に出席し、お話を伺ったうえで、やりがいが大きそう、自分に向いていそうと感じたため、現在、官庁訪問に向けて努力しているところです。狭き門ではありますが、自分の熱意をしっかり省庁の職員の方々にお伝えして、内定をいただけるよう頑張りたいと思います。