教養区分受験により今後のアカデミックな学びに必要な基礎知識も習得できた
|
|
S.Iさん |
|---|
プロフィール
受講講座:国家総合職コース、国家総合職ゼミ
課外活動:ピアノサークル
目次
公務員試験を目指したきっかけ
大学入学時に、国家公務員を志した。
それ以前から国家公務員という職業の公益性の高さから興味は持っていたが、ぼんやりしたものだった。しかし、ロシアのウクライナ侵攻や先進国を直撃するポピュリズムの波といったグローバル化の終焉を告げる現象が立て続けに起こり、国際社会の荒波の中でいかに日本の地位を維持し、高めるかという課題に取り組みたくなった。大学には理系として入学したが、学部を変更する制度があるため法学部へ転部することが容易だったということもある。
対策スタートのタイミング
大学一年生の3月から、伊藤塾に入塾するとともに学習を開始した。
大学三年生の秋から一年間イギリスに留学するため、(当時は春の教養区分試験が追加されるという情報がなかったこともあり、)大学二年生の秋に教養区分に合格しておきたかったことが背景にある。最近は教養区分の優遇が顕著なので、適切な判断だったと思う。
伊藤塾を選んだ理由
伊藤塾を選択した理由は3つある。
1つは、全てオンラインで授業を受けることができること。授業やサークル、アルバイトの隙間時間に勉強ができるということが必須条件だった。もう1つは、法学系科目の信頼。国家公務員試験では教養区分でも憲法などの法学の知識が問われるが、伊藤塾は司法試験で圧倒的な実績を残していたため、かなり高い解像度で理解することができた。そして最後に、大学の先輩が実際に伊藤塾に通塾して合格していたため、安心感があったこと。
伊藤塾のここが良かった!
論文対策のゼミが非常に計画的な学習計画で運営されており、たいへん役に立った。
教養区分において総合論文は最も大きな配点を与えられており、その出来不出来が合否を分けると言っても過言ではない。他の受験生をみると、多くは直前の2ヶ月ほどで対策をしているようだが、伊藤塾では年明けから9ヶ月間、隔週で総合論文の対策を徹底的に行った。段階に応じて追加のマテリアルも提示されるため、本番前にはかなり完成度の高い答案が書けるようになり、実際に本番でも高い点数をとることができた。
私がとった勉強法
総合論文試験
総合論文試験対策として最初に行ったのは、文章の書き方の見直しである。初めて演習をして自らの答案を見直したときに、論の流れは適切でも、読みやすい文章が書けていなかったことに気づいた。そのため、抽象→具体化という文の基本的な流れを習慣化することから始めた。
次に行ったのは、憲法や政治学、行政学などの基礎知識の習得である。特にI部の論文においては、「国家公務員とは統治においてどのような役割を担っているか」を理解していることを前提にした主張が求められる。この最低限の知識が欠けていることに気づいたため、それらの分野の動画授業を視聴した。
これである程度の答案は書けるようになったので、最後の仕上げとして時事問題の知識を試験2ヶ月前ほどから学習し始めた。最終的には、社会科学の分野の知識と最近の事例を組み合わせた答案が書けるようになることが目標だからである。あとは過去問を利用してそれらの知識のアウトプットを確認し、本番に臨んだ。
基礎能力試験(知能分野)
数学と英語は大学受験時代から得意だったので、過去問を数回解いて本番に挑んだ。
基礎能力試験(知識分野)
理系として大学に入学していたため、相当な時間を基礎能力試験(知識・時事)に使った。「教養区分」と言えど、理系科目はあまり出題されない。そのため、文系科目について、とにかく効率的に勉強する必要があった。
具体的には、人文科学(日本史、世界史、地理)ではなく社会科学の分野(憲法、国際関係、政治学、行政学)を優先して学習した。その理由は、社会科学の分野で要求される知識は、総合論文でも要求されるからである。逆に言えば、人文科学の範囲、特に歴史については、学習量が膨大であるわりに、教養区分全体でみればほとんど出題されない。よって、学習を社会科学に絞って、動画授業を隙間時間に見ながら学習を進めていった。佐藤講師が要点を絞って解説してくださるため、復習もしやすかった。結果的に、社会科学については満点近くとることができた。
人文科学については、理系の方は大学共通テストで対策した1科目を復習する程度で良いのではないかと考えている。
企画提案試験
まずは提示された白書を3周した。その後、関連書籍をあたった。本年度の後半組のテーマは「男女共同参画社会」だったため、エスピン・アンデルセンや、その他のジェンダー社会学の書籍を読んだ。それを踏まえて、白書で提示されている問題点や、自分で感じた問題点を羅列し、それぞれに対応する政策を考案した。合計で5つの政策を考案し、共に受験する友人らと意見交換・ブラッシュアップを行って試験に臨んだ。
政策を考案する際には、政策の優先度・実現可能性・費用対効果・財源のみならず、実現プロセスについても詳細をつめることを意識した。その政策を実現するに当たって、どの省庁が主導することになり、どのように政治家や企業、国民を説得するのか、といった点である。
また、本番前には友人とプレゼン・質疑応答の練習も行った。本番ではかなり政策に対して鋭く突っ込まれるので、それを想定して対策した。そういった質問に回答するためにも、関連書籍を読むことによって、該当分野の知識を過剰なくらい持っておいたほうが良いと感じる。
政策課題討議試験
政策課題討議試験対策としては、特に予備知識などを入れる必要はなく、ディスカッションの経験がものを言うと感じた。既に民間就活などで経験していれば難なくこなせると考えている。私はディスカッションの経験がなかったため、伊藤塾の模擬政策討議や、大学で開かれる模擬政策討議に積極的に参加してから臨んだ。本場のメンバー次第でファシリテーター役をやることを考えている場合には、模擬ディスカッションで一度は流れを確認しておいた方が良い。
ファシリテーターを担当するか否かに関わらずディスカッションにおいて意識するべきことは3つある。1つは、反対意見を攻撃するのではなく、取り込む姿勢を見せること。もう1つは、論の筋道がずれたら修正するような発言をすること。そして最後に、冒頭、中盤、終盤にかけて常に一定の発言量を保つこと、である。
また、教養区分特有の試験形式として、最初に手書きでレジュメの作成を求められる。このレジュメ作成の制限時間が非常に短いと私は感じたため、予想問題を入手してレジュメ作成の練習を行った。初めは用紙の半分ほどしか埋めることができなかったが、本番では適切な根拠や論点を提示して、十分なレジュメを作成することができた。
人事院面接
就職活動の面接の経験がなかったため、最初に自らの強みを整理することから始めた。小中高での活動を振り返り、最後に大学に入ってからの活動も振り返って自らの強みを洗い出した。次に、国家公務員を志望する理由を整理して、それと自らの強みの共通項を探した。
そうして志望動機を記入したら、次に学業やその他の活動の欄において、志望動機に含められなかった自らの強みをアピールできるようなことを書いた。
面接カードの文章を考える上では、なるべく具体的に書くことを意識した。あえて部分的にぼかして面接官の質問を誘導する、といった手法は見透かされる上、面接官の立場から考えると、面接対象の人物像が明確であればあるほど安心して採用できると考えたからだ。
また、面接カードが完成したら、とにかく沢山面接練習を行なった。大学の先輩、伊藤塾の先生方、家族など、色々な人に面接練習に付き合っていただいた。結果、本番は自信を持って面接に臨むことができ、質問も全て想定内のものばかりだったので、焦ることなく受け答えすることができた。評価も良かった。
加点対象の英語試験
提出した。
留学予定の大学でIELTSの得点を要求されていたため、教養区分を受験する年の夏頃に取得していた。IELTSにはスピーキングの試験があるため、私を含め特に海外在住経験のない日本人にとってはTOEICよりもハードルが高いのではないかと感じる。IELTSやTOEFLを受けなくてはならない事情がないのであれば、TOEICで英語スコアの加算を狙ったほうが効率的である。
得点開示を踏まえると、英語スコアの提出による25点の加点は想像以上に大きい。よって、合格を目指すのであれば必ず提出するべきである。
普段の生活と試験対策の両立について
教養区分に合格するためには、憲法、政治学、行政学、国際関係論などの基礎知識を丁寧に、網羅的に学習する必要があると感じた。これらは基礎能力試験だけでなく、人物試験を除いたすべての二次試験で前提として求められる知識だからである。そのため、これらの勉強を計画的に行う必要がある。
その点、伊藤塾のオンライン授業動画が非常に役に立った。授業内容が網羅的であり、授業時間も無理のない範囲である。これを活用して、大学の空きコマや寝る前の1時間など、細かく学習を進めていくことができた。
民間企業の就職活動について
未定。
留学を控えているため、するとしても2年後。
最後に
官庁訪問への切符は手にしたので、官庁訪問までの二年間、大学生でしか出来ないことをして知見を広げるとともに、大学の学習にも精一杯取り組んで思索を深めたい。
まずは、教養区分の勉強と並行してアルバイトを一年間頑張ったので、その資金を使って南米に1ヶ月バックパック旅行に行く予定。アメリカの影響力が高まってきている中で、現地の雰囲気を感じ取りたい。また、全学交換制度を利用して一年間イギリスで政治学を学ぶ予定である。英語力を高めることはもちろん、政治学について英語基準で再理解したいと考えている。イギリスで留学している間には、高校まで続けていた柔道を再開したい。
●これから進路を考える方へ
教養区分の受験を経て、官庁訪問に向けた切符を得ることができただけでなく、今後のアカデミックな学びに必要な基礎知識を習得することができました。二次試験など、特異な試験形式が非常に多いことが教養区分試験の特徴ですが、形式に惑わされることなく、根本に求められている知識やコミュニケーション能力を捉えて本質的に学習することが近道だと感じます。頑張ってください!