合格の可能性を高くするためには、本試験当日をピークにする
そのために“勉強時間”より“質”が“効率”を高めました

平岡 陽祐さん(30代)

◆受験回数 6回
◆主な受講講座
入門講座》入門講座本科生(山村クラス
中上級講座》演習コース、司法書士合格への「思考力」完成ゼミ
前対策講座》全国公開模擬試験

私はこうして司法書士を目指す決意をしました

 大学時代から演劇をはじめ、在学中に憧れていた劇団のオーディションに合格することができ、大学を中退して劇団に入団し、20代の大半を劇団で過ごしました。しかし、芸能の世界で生きていくことの難しさを痛感し、20代後半で劇団を辞め工事管理の仕事に就きました。慣れない仕事でしたので、最初の3年間は無我夢中でしたが、4年目になり仕事にも慣れてきた頃に、このままここで勤めるのか又は別の道を探すのか悩みました。そんなときに、新聞広告で伊藤塾のことを知り、司法書士試験のことを知りました。本気で目指すならサポートする、という妻の言葉もあり、司法書士を目指す決意をしました。

伊藤塾を活用した私の学習方法

①入門段階の学習法について

 「入門講座」は山村クラスをライブで受講しました。基本的には山村拓也講師の講義中のアドバイスに従って、テキスト・該当箇所の過去問を順番にこなしていました。しかし、法律の勉強をしたことがなく、最初はテキスト1ページを読むのにもすごい時間がかかる状態でしたので、復習が追い付かず、進行中の講義の理解も進まないという状態でした。それ以降は何をしても中途半端となり、結局1回目の本試験までに「入門講座」の講義を消化することができませんでした。
 2年目:応援してくれていた妻が病気で長期入院することになりました。勉強を辞め働きながら妻を支えるべきかと考えましたが、周りの方のサポートを受けることができ、この年は妻を支えることに専念し、ほとんど勉強はできませんでした。
 3年目:妻の病気もよくなり会社に復帰することができたため、司法書士の勉強を再開しました。年内は山村クラスで知り合った受験仲間と週に1回、毎回範囲を決め勉強をしてきた分野の問題を出し合うという勉強会を開き勉強のペースをつかんでいきました。年明けからは「演習コース」を受講し、仲間と自習室に通い、励まし合いながら勉強しました。そのおかげで、最後まで勉強をやりきることができました。この年は、午前27午後16でした。

②中上級段階の学習法について

 4年目:この年は関信敏講師「司法書士合格への『思考力』完成ゼミ」を受講し、一気に成長し合格に近づくことができました。これまでは、理解できなくても暗記をすることで乗り切ろうとしていたのですが、特に午後科目は、強引に暗記をしてもすぐ忘れてしまうので、どうすればよいのか途方にくれていました。しかし、このゼミでは理由付けをして解説をしてくれるので、納得をして覚えることができるようになりました。また、過去問を解いているときに、「これはゼミで解説してくれたあの知識だな」と思い出しながら答えを出すことができるようになり、過去問学習の効率も上がりました。また、授業中に当てられ講師の質問に答えなくてはなりません。難しい質問も多く、全てをうまく答えることはできませんでしたが、できるだけしっかりと答えたいと考えていたので、毎回必死に予習をしてゼミに臨んでいました。その結果、合格点には及びませんでしたが、午前26 午後25 記述式33.5(基準点は30.5)とはじめて基準点を越えることができました。
 5年目:妻の病気が再発してしまい、最適な治療法を探すためのセカンドオピニオンを聞くために病院巡りをし、年内はほとんど勉強をすることはできませんでした。年末に望んでいた治療を受けられることが決まり、勉強を再開しました。入院をしながらも応援してくれた妻に合格の報告をすると決意して挑んだのですが、午前24 午後28と午前択一式が1問足りず基準点を超えられませんでした。勉強計画を誤り、未出論点を追いかけすぎたあまりにA ランクの知識の精度が落ちてしまい、本試験でもAランクを落としてしまったことが敗因でした。
 6年目:妻も退院し、12月には会社に復帰できるようになりました。年明けから「演習コース」を受講し、昨年の反省から過去問を中心に勉強する計画を立てました。そして、「演習コース」の予習では出題範囲の過去問を昭和から全て解きました。講師のアドバイスで頭から全部解いて行くのではなく、①昭和のみ~②昭和のみのチェックをつけた肢の復習と平成1桁台~③平成1桁台の復習と平成10台~④10台の復習と20台~という形で過去問を繰り返し復習しました。そして、1月から3月までにじっくりと全科目を1周し、その後の1週間で全範囲の復習をして受験した「全国公開模擬試験」では、午前35 午後31と今までの自分では信じられないような成績を取ることができました。勉強の方向性は間違っていないと確信することができたので、そのまま過去問・テキスト・答練の復習を繰り返し、知識の精度を上げ、本試験に挑みました。そして、午前32 午後28 記述式37.0と記述はギリギリでしたが、択一式で上乗せ点を稼ぐことができ、合格することができました。

伊藤塾の各講師陣についての感想・各講師へのメッセージ

山村拓也講師
 「入門講座」の受講後にも私の状況を気遣っていただき、温かい励ましのお言葉をかけていただきました。その言葉を支えに受験を続けることができました。山村クラスを受講した1年は私にとって素晴らしい思い出です。ありがとうございました。
関信敏講師
 「司法書士合格への『思考力』完成ゼミ」なくしては、 司法書士試験に合格することはできなかったと思います。いつ何を質問しても、的確な答えがかえってくる、関講師の知識の豊富さには、ただただ驚くばかりでした。そして、パーソナルカウンセリングでも相談に乗っていただき、合格へと導いていただきました。ありがとうございました。

最後に

 合格をすることができた今年、普段から常に考えていたことがあります。どのように行動すれば、合格確率を少しでも上げることができるかということです。一時的に、やる気があるからといって集中的に勉強をしても、本試験の日にピークがくるようにできなければ意味がありません。本試験でベストを出すことができるように、勉強・それ以外にも体調の管理にも気を使いました。
 普段の勉強も勉強の質を上げ、質を上げたまま長時間勉強するためにはどうすればよいか常に考えました。具体的には、「study plus」というスマホアプリで勉強時間を可視化することにより達成感を得る・疲れてきたら、喫茶店や図書館に移動して勉強するなど気分転換を図る・睡眠の質をあげるため半身浴をする(直前期には半身浴をしながらも勉強していました)。どうしてもやる気がないときには、「next stage」などの司法書士試験受験関係のブログを見る。数え上げればきりがないのですが、たくさんの工夫をしていました。自由に使える時間を常に勉強のことを考えるようにしていると、どんどん夢中になって勉強することができ、その結果、勉強効率が上がりメキメキと自分の実力が上がっていくのを感じることができました。
 今年の本試験の終了後に、記述式の答案開示請求をして、自分の答案を思い出したのですが、今年の本試験の商業登記法記述式は社外監査役の要件をウロ覚えしていたため動揺し、頭が真っ白になってしまいました。そして、模擬試験で一度も迷うことのなかった商業登記法の基本的なひな型を、何を書いていいのかわからなくなってしまいました。間違ったことを書いてしまったので、論点は全て合っているにもかかわらず、累積減点の積み重なりで想定していたものよりも遥かに低い、18.0しか点数がつきませんでした。成績表を最初に見たときには、ひどく動揺しました。しかし今は、必死に努力したからこそ、真っ白になった状態でも合格しきることができる答案を作成することができたのだと考えています。
 妻は闘病生活をしながらも常に私を信じ、応援し続けてくれました。感謝の言葉をどれだけ言っても足りないくらい感謝しています。司法書士として、また夫として、しっかりと支えていける存在となれるように努力を続けていきたいと思います。
 家族・講師・受験仲間、たくさんの人に支えられ成長することができ試験に合格することができました。本当にありがとうございました。