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国家総合職<教養区分> とは


国家総合職教養区分は、私たちが「官僚」「キャリア」としてイメージする国家公務員を採用する試験のひとつです。最大の特長は「19歳」、主に大学2年生から受験できること。これまでは秋に行われてきた教養区分ですが、2026年からは春と秋の年2回実施に変更されます。
このページでは教養区分試験の実施時期・受験資格・試験内容とその対策について、新旧の制度を比較しながらご紹介します。

目次


▼【2026年春実施スタート!】
国家総合職教養区分 試験制度変更まとめ


▼【2026年春実施スタート!】
国家総合職教養区分 試験制度変更まとめ

国家総合職教養区分
2026年試験制度変更まとめ

 

2026年に実施される国家総合職教養区分試験では3つの大きな制度変更が予定されています。その内容と影響について確認していきましょう。なお、2025年秋の試験は従来通りの内容で実施されます。受験される方は注意が必要です。

 

変更点1■実施時期・回数

【変更前】
秋(9月末~10月初) に年1回実施

変更後
秋とに年2回実施

 

これまでの教養区分試験は大学2年生の秋が最初のチャレンジでしたが、今後は大学2年生の春から受験できるようになります。
第1次試験は専門試験のある区分と共通日程で、3月中旬に実施されます。
2年生春から受験可能になるのにともない、『採用候補者名簿掲載期間』(官庁訪問できる期間)が従来の6年半から7年間に延長されます。官庁訪問について後述します。

 

変更点2■出題数の変更

国家総合職教養区分では、第1次試験で2種類、第2次試験で3種類、合計5種類の試験が実施されます。このうち第1次試験の2種類、「基礎能力試験」と「総合論文試験」について出題数が変わります。

 

【変更前】
・基礎能力試験
 Ⅰ部:知能分野 24題 (文章理解10題、判断・数的推理(資料解釈を含む)14題)
 Ⅱ部:知識分野 30題 (自然・人文・社会(時事を含む)、情報 30題)

・総合論文試験
 Ⅰ部:政策の企画立案の基礎となる教養・哲学的な考え方に関するもの 1題
 Ⅱ部:具体的な政策課題に関するもの 1題
 

変更後
・基礎能力試験
 Ⅰ部:知能分野 24題 +時事・情報 6題 計30題
 Ⅱ部:知識分野 20題 (自然・人文・社会 20題)
・総合論文試験
 従来のⅠ部のみ 1題


基礎能力試験Ⅰ部の構成は従来から行われている専門試験ありの春試験と同じであり、共通問題になることも考えられます。

 

変更点3■配点比率の変更

出題数の変更にともない5つの試験種目の配点比率も変更されます。

試験種目 【変更前】 変更後
 基礎能力試験Ⅰ部 3/28 4/24
 基礎能力試験Ⅱ部 2/28
 総合論文試験 8/28 6/24
 企画提案試験 5/28 6/24
 政策課題討議試験 4/28 4/24
 人物試験 6/28 4/24


変更により第2次試験で実施される「企画提案試験」と「政策課題討議試験」の配点比率が若干上がります。特に企画提案は全体の18%だった配点割合が総合論文試験と同じ25%となります。

 

ここからは2025年まで行われる制度を中心に、国家総合職教養区分の試験内容と対策をご紹介します。

国家総合職<教養区分>は
19歳から受けられる試験

 

教養区分の受験資格

公務員試験の受験資格は、多くの場合、年齢と国籍です。教養区分試験の大きな特徴は、年齢要件が大学2年生(19歳)から受験できる*ように設定されていること。
民間企業とも併願しやすい時期に試験を実施することで、多様な人材を確保する狙いがあるといえるでしょう。受験生にとっても、国家総合職合格のチャンスが、2年春秋・3年春秋・4年春のなんと5回、4年秋まで見据えれば6回もあることは大きな安心材料になります。

■<参考>2025年試験 受験資格

1. 1995(平成7)年4月2日~2006(平成18)年4月1日生まれの者
2. 2006(平成18)年4月2日以降生まれの者で次に掲げるもの
  (1) 大学(短期大学を除く。以下同じ。)を卒業した者及び2026(令和8)年3月までに大学を卒業する見込みの者
  (2) 人事院が(1)に掲げる者と同等の資格があると認める者
■教養区分の試験日程(2025年実施試験)
受付期間
2025年8月1日(金)~8月25日(月)
第1次試験日
10月5日(日)
第1次試験合格発表 10月22日(水)
第2次試験日 11月22日(土)及び11月23日(日)
  又は
11月29日(土)及び11月30日(日)
のうち、いずれか指定する連続した2日間
最終合格発表 12月18日(木)

国家総合職<教養区分>の試験は
専門科目試験なし

 

教養区分の試験・採用スケジュール(試験概要)

秋の教養区分は大学の夏休み期間中に出願受付がはじまり、10月最初の日曜日に1次試験が実施されます。1次試験合格者を対象とした2次試験が11月中旬に行われ、これに合格すると教養区分試験合格です。
ただし、試験合格で終わらないのが国家総合職のつらいところ。翌年6月に行われる官庁訪問で、志望する省庁から「内々定」を獲得できれば、10月の「内定」を経て、翌年4月に晴れて入省、霞が関の一員となります。

教養区分の試験・採用スケジュール
2026年からは3月中旬に第1次試験を行う春の試験が追加されます。

最新年度の日程は、 人事院HPを参照してください。

教養区分の1次試験とは

教養区分1次試験の種目は2つ。基礎能力試験総合論文試験です。合格率は2024年試験で26.0%です(対受験者、以下同様)。

■基礎能力試験(Ⅰ部:知能分野 Ⅱ部:知識分野)
配点比率
Ⅰ部 3/28
Ⅱ部 2/28
形式
多肢選択式
解答題数 Ⅰ部 24題出題 全問必須解答
Ⅱ部 30題出題 全問必須解答
解答時間 Ⅰ部 2時間
Ⅱ部 1時間30分
内容
○は出題数
Ⅰ部 文章理解⑩、判断・数的推理(資料解釈を含む)⑭
Ⅱ部 自然・人文・社会(時事を含む。)、情報㉚
 

1次試験ではまず基礎能力試験が採点されます。合格ラインをクリアしていなければ、この時点で不合格決定です。どんなに総合論文が良く書けていても、2次試験には進めません。知能分野を中心に基礎能力試験の難易度は高く、しっかり準備する必要があります。

2026年春の試験からは配点比率・出題数が変更されます。
▶新試験の内容はこちら

 
■総合論文試験
配点比率
8/28
形式
記述式
解答題数 2題
解答時間 4時間
内容 幅広い教養や専門的知識を土台とした総合的な判断力、思考力についての筆記試験
Ⅰ 政策の企画立案の基礎となる教養・哲学的な考え方に関するもの 1題
Ⅱ 具体的な政策課題に関するもの 1題
 

教養区分合格のために、最も力を入れるべきなのが総合論文試験の対策です。2題出題されますが、Ⅰ問とⅡ問では全く書くべき内容が異なります。試験までの事前準備がとても大切で、「本番勝負」でなんとかなる試験ではありません。

2026年春の試験からは出題数が2題から1題に変更されます。ただし廃止となるのは比較的準備しやすいⅡ部。幅広い知識を前提とした論述が求められるⅠ部が残るため、対策の難しさは変わりません。
▶新試験の内容はこちら

教養区分の2次試験とは

教養区分2次試験の種目は3つ。企画提案試験政策課題討議試験、および人物試験です。他の公務員試験にはあまり見られない特殊な試験ですが、合格率は2024年試験で65.0%と、比較的高いのが特徴です。

■企画提案試験
配点比率
5/28
形式
Ⅰ部 政策概要説明紙(プレゼンテーションシート)作成
Ⅱ部 プレゼンテーション及び質疑応答
解答題数 Ⅰ部 1題
解答時間 Ⅰ部 1時間30分
Ⅱ部 おおむね30分
内容 企画力、建設的な思考力及び説明力などについての試験
Ⅰ部 課題と資料を与え、解決策を提案させる
Ⅱ部 政策概要説明紙(プレゼンテーションシート)の内容について試験官に説明、その後質疑応答を受ける
 
■政策課題討議試験
配点比率
4/28
形式
課題に対するグループ討議
解答題数 -
解答時間 おおむね1時間30分(うちグループ討議時間は45分)
内容 課題に対するグループ討議による
プレゼンテーション能力やコミュニケーション力などについての試験
 
■人物試験(人事院面接)
配点比率
6/28
形式
個別面接
解答題数 -
解答時間 -
内容 人柄、対人的能力などについての個別面接
 

2026年春の試験からは配点比率が変更されます。
▶新試験の内容はこちら

教養区分の試験対策ポイントまとめ

教養区分合格のカギを握るのは、1次試験です。2次試験については、内容面は1次試験対策でカバーできるので、グループ討議の場面でどうアピールするか、その準備をしておくことが大切です。
 
 

基礎能力試験で「何度やっても合格ラインをクリア」できる力をつける


 

総合論文対策を徹底して、やる


 

グループ討議で「評価される」立ち振る舞いを身につける


中でも重要なのがポイントの②です。伊藤塾では、総合論文対策として、今後も出題が予想される分野の政策課題をおさえるほか、答案の「土台」とすべき専門的知識として、行政系科目の基本を学びます。

出題科目じゃないのに教養区分合格には「専門」知識が必要!?

 

教養区分試験対策のリアル

「国家総合職試験の中でも教養区分は専門科目がないから対策がラクだ」。そう考えている方も多いかもしれませんね?残念ながら、これは間違いです。
たしかに、国家総合職教養区分試験では、「専門試験」は課されないため、細かな知識を暗記するタイプの学習負担は軽めです。しかし、専門科目の学習が不要というわけではありません。実際、受験案内に「専門知識も聞きますよ~、勉強しておいてね~」ということが明記されています。どのように書かれているか見てみましょう。

■2024年試験 受験案内

(前略) このため、専門試験は課しません、幅広い教養や専門的知識を土台とした総合的な判断力、思考力を判定するための「総合論文試験」、企画力、建設的な思考力及び説明力などを判定するための「企画提案試験」を課すこととしています。(後略)

 
 
いかがでしょう?これはすなわち、「専門的知識を土台にして答案を書かないと、総合論文試験では合格点はつきませんよ」ということ。出題科目として学習対象が明示されていない分、試験対策としてはむしろやっかいです。何をどこまで学習すべきか、受験生自身が判断する必要があります。これは独学を考えている皆さんにとっては、つらいポイントかもしれません。

あの省庁に行きたいなら、絶対に「教養区分合格」を目指す

 

教養区分の試験結果

過去3年間の教養区分試験結果は下表のとおりです。2024年でいえば、1次試験が26.0%、2次試験が65.0%という対受験者合格率となっています。

 
2024年
2023年
2022年
申込者数 4,734 4,014 2,952
1次受験者数 3,092 2,531 1,884
1次合格者数 804 621 416
2次受験者数 719 576 391
最終合格者数 467 423 255

教養区分の採用状況

前述のとおり、 教養区分は対策が難しく、合格率も低い難関試験といえます。しかし、教養区分合格者を優先して採用していると思われる省庁がいくつかあります。特に、外務省を志望する場合には、 教養区分合格を本気で狙うべきといえるでしょう。
 
教養区分の採用状況

 
国家総合職<教養区分>について、次のいずれかのイメージを持つ方が多いようです。
 
・「専門知識が問われない易しい試験だから、事前準備はそこまでしなくてよい
・「地頭勝負の超難関試験だから、事前準備はしてもしょうがない
 
両極端のイメージですが、どちらも「事前準備はあまりしない」という結論になります。しかし、教養区分はいちかばちかのギャンブル的な試験ではありません。きっちり事前準備をして、確実の合格を狙いにいく、そんな試験です。
伊藤塾には、国家総合職<教養区分>試験における圧倒的な実績と、確かな方法論があります。あなたも、伊藤塾で教養区分合格、そこからの内定獲得を目指しませんか?

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