検察官

一般的な検察官の業務

被疑者の起訴・不起訴の決定

被疑者(罪を犯した疑いがあり、捜査の対象とされている者)について、刑事裁判を提起(起訴)するかどうか、の判断をすることが、検察官の仕事の一つです。
検察官は、警察から送られてきた事件などについて被疑者の取調べや証拠物の捜索といった捜査を行い,事件の真相解明に努めます。その上で、被疑者が犯罪を犯した蓋然性や被疑者の性格・年齢・境遇及び犯罪の軽重・情状などを考慮して、裁判所に起訴するかどうかを決めます。
日本では、検察官だけが、被疑者を起訴し、または、不起訴とする権限を有しています。そのため、検察官には、大きな権限が与えられている、と言えます。他方、被疑者は有罪判決を受けると、刑罰が科されるだけでなく、勤務先から解雇されるといった社会的不利益も受けることがあります。また、起訴されて裁判を受けるだけでも、時間的金銭的負担を強いられ、精神的苦痛を受けます。そのため、検察官による起訴の決定には、大きな責任を伴います。
また、検察官が本当は罪を犯していない被疑者を起訴し、裁判所も誤って有罪判決を言い渡すと、えん罪を生み出すことになってしまいます。しかし、罪なき者を罰することは、絶対に避けなければなりません。そのため、検察官は、常にえん罪を生み出してしまう危険と隣り合わせにあり、えん罪を防止する責任を負っています。
日本の刑事裁判では、起訴された刑事事件は、99%が有罪判決となっています。そのため、検察官による起訴・不起訴の決定は、無罪となりうる被疑者を起訴していない点で慎重に行われている、と言えます。

刑事裁判

検察官は、刑事訴訟の一方当事者として起訴した事件の裁判に立ち会い,裁判所に証拠を提出して,被告人が犯罪を行ったことを証明します。
公平中立な裁判所による裁判によって、被告人(起訴された被疑者)は無罪とされたり、有罪とされ刑罰が科せられたりします。このような刑罰権が適切に行使されるためには、裁判所で適正かつ迅速な審理が行われ,事案の真相を明らかにすることが不可欠です。そのため、事件の捜査等を行っており、事件に詳しい検察官が、訴訟の一方当事者として裁判に立会います。そして、裁判所に対する証拠の提出や証人尋問などを行って,被告人が犯罪を行ったことを証明します。
刑事裁判の中には、一般国民が裁判員として刑事裁判に参加し,被告人が有罪かどうか,有罪の場合どのような刑にするか(刑期など)を裁判官と一緒に決める裁判員裁判もあります。裁判員裁判では,検察官は,必ずしも法律に明るいわけではない国民の中から選ばれた裁判員が審理の内容を十分に理解し,容易に判断をすることができるよう,より分かりやすく,迅速で,しかも的確な訴訟活動をしなければなりません。

裁判の執行

検察官は懲役刑や罰金刑などの裁判が正当に執行されるように指揮・監督します。
刑事裁判で、被告人が有罪とされると、同時に、懲役などの刑罰やその期間も言い渡されます。そして、裁判の内容が確定すると、国家は強制的に裁判の内容を実現します。検察官は、裁判の内容が迅速かつ正当に執行されるように指揮・監督をします。

その他

検察官は、行政府における、数少ない法律の専門家です。そのため、検察庁以外の行政機関や在外公館,民間,外国の組織等にも出向し、検察官としての経験や知識を提供する機会があります。このような出向の経験は、検察官自身の法曹としての幅を広げることにもつながります。

検察官の就業形態

検察官になりたての新任検事は,仕事がスムーズに行えるよう,検察官として最低限必要な基本的知識・能力の修得を目的とした研修を受けます。その後3年程度は、経験年数に応じて備えるべき知識・技能の修得を行い、任官後7年から10年程度で,中堅検察官として必要とされるより高度な専門的知識・技能の修得を行います。