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話術の大切さを弁護士になった今実感

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田中翔吾先生

経歴
明治大学法学部卒業
明治大学法科大学院卒業

今の事務所に入るまで

法曹になることを決めた理由として、それほど強い動機があったわけではありませんでした。大学は法学部に入学しましたが、親に薦められてとか、就職のときに潰しがききそうとか、その程度の理由からで、他の学部を真剣に検討したわけでもありませんでした。法律は勉強しておいて損にはならないかなとは思っていました。人生の色々な局面におかれている依頼者に会って話を聞けたら面白そうだなという漠然とした弁護士のイメージと、昔から調べものをするのがさほど苦ではないので、自分が調べたことなどがそのまま仕事の役に立ったりするという点が面白いかなという、その程度の動機付けで司法試験にチャレンジすることを決意しました。伊藤塾のロースクール進学対策の模擬面接を受講したことがあったのですが、その際に面接官役の方に「その程度の動機では絶対に受からない。」と叱咤激励されたのを今でも覚えています。
大学1年生の頃は大学の学内講座で法律の勉強をしていたのですが、途中でついていけなくなってしまいました。2年生に進級して改めてまた勉強しようと思って伊藤塾に入り、初めて網羅的に司法試験の科目の学習をしました。法律の勉強の仕方は伊藤塾で初めて知りました。
大学卒業後は法科大学院に進学しました。その後の司法試験に合格した後の就職活動には苦労しました。修習が佐賀県だったのですが、司法研修所から交通費が出るわけでもないので東京に来るのも費用的にも大変ですし、そもそも弁護士の仕事がどんなものなのか具体的にイメージもできていなくて、採用面接ではとんちんかんな受け答えばかりしていたと思います。やっと入所した一つ目の法律事務所は自分とは合わず、1ヶ月ほどで辞めてしまいました。その後は、ロースクールのときにお世話になった先生がやっている事務所にお願いをして、助けてもらうような形で事務所においてもらい、10ヶ月ぐらい在籍しました。その後、受験生の頃から一緒に勉強していた友人が現在所属している琥珀法律事務所に在籍していて、声を掛けてくれたため、弁護士1年目の最後のほうに今の事務所に入所したという経緯です。
私はずっと弁護士志望でしたが、修習のときに初めて裁判官や検事さんの仕事に触れて、かっこいいなと思って憧れは持ちました。それでもやはり法曹三者の中でも弁護士は一番自由な雰囲気がしていて、今弁護士になってみると、それが私にはよかったのかなと思っています。

自分の意見を取り入れてくれる、とても自由な雰囲気の事務所

当事務所で多く扱っているのは、労働事件と不貞慰謝料請求事件が多いです。不貞慰謝料請求事件をしていると、配偶者が浮気して許せないということで結局離婚とか、さらには親権問題に発展していったりするので、家事事件を全般的にやることになります。労働は残業代請求と解雇無効などをやっています。
残業代の相談などで、相談者に弁護士報酬の金額をお伝えしたら、もう他の事務所で見積もりまで出していて、「こっちのほうが安い。」などと言われて値切られたりすることも何回かあったので、首都圏において法律事務所の競争は激しくなってきているのかもしれません。
琥珀法律事務所は私が入所した年に法人化した若い事務所です。ボスも若くて、話がしやすく、意見が良ければそれも取り入れようかみたいなフランクさがあるところが当事務所の良いところかなと思います。とても自由な雰囲気です。今は支店が多くできてきて、大阪、仙台、福岡などにも拡大しています。
受験生時代抱いていた弁護士像と想像通りだった点は、自分で調べ、勉強したことがそのまま仕事になるという点です。そこがやはり面白いところですし、思い描いたイメージと一緒で良かったなというところですね。想像していなかった所は、思っていたより結構泥臭い仕事をする点だと思います。わがままな依頼者に振り回されたり、精神的に不安定な依頼者から頻繁に電話がかかってくるのに対して言葉を変えながら同じ説明をしたり、刑事事件で明らかに防犯カメラに万引きをしているのが映っているにも関わらず否認する疑義者に対してなぜその弁解が不合理かを延々と説明したりしていると、法律や論理ですっぱり割り切れない人間臭さというか、どろどろした感情の部分を扱う仕事だと思ったりします。
弁護士は代理人として間に立つ仕事なので、一方で裁判官を説得し、他方で依頼者を説得するのが必要で、それだけで大変です。また、受験勉強のときは裁判の中身を勉強しますが、弁護士の仕事は裁判外の交渉も大きな部分を占めます。理屈上正しいことを言っているだけでは交渉がうまくまとまらないので、弁護士になった今、話術が大事だと実感しています。
相手を説得する力を訓練したり、スキルアップを図っていくために自己研鑽を積んでいますが、他の弁護士先生の話し方や説得術の本とかも読んでみたりはするのですが、それが直接役に立っているのかよくわかりません。ですが、色々な事案を担当させて頂き、経験を積むことにより、いい意味で図々しくなり、徐々にできることは増えてきているのかなと実感しています。やはり場数、場慣れしていくことが大切だなと感じています。

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判例から逆算して結論を導き出す

弁護士の仕事としてのやりがいや魅力は2つあると思っています。先ず一つ目は、依頼者が困ったときに役立てるということです。具体的には、内容証明が届いてから不安で眠れなかったというような相談者に対し、法的なアドバイスをすることで安心させてあげることができ、喜んでもらえるというのは、自分にとっても嬉しいことです。二つ目の魅力として、依頼者がたとえ厄介な人だったとしても、事案が法律的に面白いというのがあると思っています。具体的には、依頼者から聞いた事案と似た裁判例がないか調査していて、ピッタリと当てはまる裁判例がない場合に、今までの判例からしたらこういう結論になるのではないかなというのを検討したりするのが面白いと思います。裁判例で判断が定まっていないことは意外ととても多いです。
受験生時代に伊藤塾で勉強した「当てはめ」は、事実を拾ってどう評価するかという話だと思うのですが、そのような勉強は今の仕事でも役立っていると思います。また、今では事件処理に追われ、時間をかけて体系的に勉強することがなかなかできないので、受験時代のようにもっと基礎を学ばないとも感じています。法改正などにもついていかないといけないですし。
また、一般市民と法律、弁護士の距離はとても身近になってきているなと思います。ある程度自分自身でインターネットを使って調べようと思えばかなりの水準のところまで調べられると思うので、「結構この人調べてきたな。」と思うと、正直なところこちらも警戒したりしますね。あらかじめ調べてくる方は半々程度でしょうか。ですが、相談者の方の中で、自分で調べてこられて間違った判断をされている方も数多くいらっしゃるのが事実です。間違ったまま自分で考えがまとまってしまっている方がいて、「先生、これはこうじゃないですか。」とか、「こういう法律があるって聞きました。」などと質問されるのですが、誤っている場合にはその一つ一つを丁寧に説明し間違いを指摘しながら説明をするようにはしています。
これから拡がっていく分野については全く想像がつきませんが、新しい技術が進むにつれて新しい法律問題が出てくるのではないでしょうか。例えば、この前仮想通貨の相談がありましたが、今までの知っている法律の枠組みでできる部分とそうでない部分があるように感じました。今後面白い分野だと考えていますが、ちゃんと調べないと仮想通貨そのものの仕組みもよくわかってなかったりしますね。あとは交通事故とかも、自動運転技術とかになったら話が変わっていくのではないかと思います。

これから法曹になる方へ

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弁護士に少しでも興味があるのでしたら是非おすすめします。仕事としてはすごく楽しいと思うので、是非一緒に仕事ができればと思います。人の気持ちが分かるというか、性格がいい人が弁護士なってくれればいいなと思います。例えば、交渉するにしても、ただ強引に自分の依頼者の言い分を押し通そうとするのではなく、相手方の依頼者の立場を理解した上で、納得させられる材料を与えてくれる人に弁護士なって頂きたいですね。
そして勉強をスタートしたからには講師や合格者などが「こうしたほうがいいよ。」とか、「それでは絶対に受からない。」とか(笑)、アドバイスをくれると思うのですが、そこはそれなりに参考にしつつも、それを全面的に信じるのではなくて、自分の中で一番勉強になっているかな、身についているかなということを自分に投げかけながら自分自身の感覚を大切にしたほうがいいと思います。
私が受験時代にもらったアドバイスで妙に納得したのが、私の受験時代の仲間が言った「勉強は筋トレと同じ。」という言葉でした。苦手な科目もあると思うのですが、そういう科目について、「腹筋20回5セット」みたいな筋トレだと割り切って、基本書を1時間で20ページ頑張って読み、5時間で100ページ読むのです。それを5日間続ければたいていの基本書は1冊読めます。私は、それまで別格に頭のいい人しか合格できないのではないかと思っていたので、そうではなくても合格できるということに希望を感じ、感銘を受けたものでした。まあ、他の受験仲間にはこのアドバイスはあまり響いていないようでしたので、他人のアドバイスや勉強方法については、結局は合うか合わないかの話になるとは思います。それでも、法的なセンスだとか、頭の良し悪しじゃなくて、頑張り、粘り強さで何とかなる部分もあると思います。

琥珀法律事務所 恵比寿事務所(東京本店)

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