上下関係なしの世界。依頼者のために主張できるのが最大のメリット

神津竜平先生

経歴 2005年 市川東高等学校卒業
   2011年 國學院大学法学部卒業
   2013年 明治大学法科大学院修了
   2017年 弁護士法人リーガルプラス 船橋法律事務所入所
         
     ※先生の所属事務所等プロフィールは、取材時のものです。

神津竜平弁護士インタビュー動画 ~法律家を志す皆さんへ向けて~

 私は高校を卒業してから特にやりたいこともなく、大学進学を考えず、フリーターとして飲食店にて接客業をしていました。したがいまして、高校卒業時点において、弁護士になりたいとか法律家になりたいなどという思いは一切なかったです。約一年半、飲食店で働いていた際、「将来どうしようかな」とふと思った時があり、中学高校と全く勉強をしておりませんでしたので、勉強してみようかなという思いに至り大学に行こうと思いました。
 法学部を選んだ理由は、学部を選ぶ際、単に響きが格好良かったからです。特に学部にこだわりなく大学に行って何かしらの勉強をしようかなということで、たまたま法学部を選び入学したということです。
 大学に入学後、法律の授業を受けていて面白いなと感じました。率直に法律って面白そうだなというところから、法律の勉強をしっかりしていこうと思い、あとはせっかく勉強するなら難しいと言われている試験に挑戦してみようかなという感覚です。自分で決めた道なので、決めたからにはやり続けようと思い、突き進みました。やめようとか思ったことは一切なかったですね。
 伊藤塾には大学2年生から講義を受講し始めました。同じ大学内で法律家になるための勉強をしている人はほとんどいないですし、伊藤塾の同じ教室内でもみんな高学歴の人ばかりでした。そのような環境ではありましたが、やり続けていて失うものは特にないですし、やり続けていれば得られるものの方が大きいから続けられたのかなと思います。特に元々仕事はなんでもいいと思っていました。司法試験に向けた勉強をして資格が取れて、今となっては面白い仕事で充実しているので仕事も続けられています。

 私が在籍しているリーガルプラスは、私が弁護士登録時から在籍している事務所です。事務所紹介としては、最初は茨城県の鹿島からスタートして、その後千葉県内で成田、津田沼、千葉、市川、そして私が今勤務している船橋、あとは東京に事務所があります。地域展開型の事務所です。現時点ですと弁護士14人が勤務をしていまして、定期的なミーティングでしたり勉強会だったり、あとは情報共有のシステムだったりで、いつでも先輩弁護士に話を聞ける状態は整っていることから同じ事務所で勤務していなくても環境としては良いのかなというところです。私が今船橋で担当している事件で多いのは被害者側の交通事故や相続案件などです。あとは企業の相談でしたり中小企業の顧問、労働問題なども担当しています。
 幅広い分野を扱っていることから、事務所経営としての効率はあまり良くないかもしれません。というのも、最近は相続チームや離婚チームなど、分野での事務所が多くある中で、当事務所は1人の弁護士が色々な事件に対応していくという形だからです。ですが様々ある分野の専門性は深められることから良いのかなと思っています。私自身弁護士登録をして働くときに、いわゆる町弁としていろいろな業務に関わっていきたいという思いがありました。その希望からしたら弊所での仕事はとても充実しています。
 今の事務所には恩があります。というのも司法修習に行く前に就職活動をするのですが、その時にすぐエントリーして内定を出して頂きました。私みたいな全然勉強してこなかった人間が、学歴も良いわけじゃないですし、そういう事情を踏まえて採ってくれたという恩があります。


 弁護士の仕事でやりがいを感じる瞬間ですが、一番はクライアントにとって満足がいく結果が出た時です。もちろん依頼者から喜ばれるのが一番なのだと思いますが、事件によっては勝ち筋事件、負け筋事件で依頼者の方が負けてしまう筋の悪い事件もあります。全てが勝ち筋事件ではありませんので、最終的に納得できずに解決せざるを得ない時もあります。そういった時に不満を持って終わらないよう、それぞれの過程における説明でしたり、状況報告をしたりして、依頼者の感情的な部分が和らいでいき、なんとか落ち着いた状況まで進められれば依頼者にとっては良かったのかなと思います。
 依頼者が満足して「ありがとうございました。」と言ってもらえるのが一番のやりがいですけど、必ずしも全てがそうではありません。納得して頂くには、初回の相談時でしたり、初期の段階で法律的な見通しをしっかり伝えるべきであると考えています。落とし所というか訴訟になった場合に裁判所がどう判断するかというところまで何パターンか依頼者に示すべきだと思います。初回相談時は今後どうなるのか、最終的にどうなってしまうのかを心配している方が多いです。少し話は逸れますが、今の時代、弁護士も多くなってきて依頼者の方が弁護士を選ぶ時代になってきていると思っています。私の元に来ていただける方も何軒かの法律事務所に相談に行き、誰に依頼しようか考えた末に来ていただいていることが多いです。したがいまして、初回の相談でしたり、2回目以降の継続的な相談などで、しっかり法的な見通しは伝え、今後どうなるのかということを依頼者にきちんと状況把握をして頂いたほうが、不安がなくなり受任にもつながるのかなと私は思います。最初の一年目は事務所の先輩の相談に同席して吸収していきました。丁寧に相談者が求めていることに対してきちんと回答をして、時間をかけて相談を受けていました。まだまだこれから吸収しなければいけないこともたくさんありますが、その辺は実務に出て先輩の姿を吸収しながら経験を積むといった感じですね。

 伊藤塾での講義を受講して印象に残っているのは塾長の普段の話です。法律の知識はもちろん今も役に立っているのですが、塾長の話の原理原則を踏まえた考え方です。
 例えば相続紛争事件、原理原則で法律上はこうなるというのを依頼者や相談者に伝え、家事事件は感情的な面がやはり強いのですが、調停でしたり審判でしたり、訴訟になった場合にその感情面がどこまで考慮してもらえるかというのはなかなか難しい問題です。その感情面を裁判上の手続きに乗せずに、交渉段階で「原則上はこうだけど、こちら側も相手側も感情的に言いたいことがあるとは思いますが、そこはお互いに修正してこのへんで解決してはどうですか」といった具合に進めています。事情によりますが、早期に協議で終わらせるには修正していくことは多いと思います。原理原則がないと修正も何もないですからね。

 私自身がいわゆる町弁業務で、一般民事事件しか扱ったことがないので、町弁業務の話になってしまいますけど、先ほど申し上げたように広告でしたり問い合わせで来る相談者の方からしたら、弁護士を選ぶ時代になってきていると思います。法律論の説明は弁護士でしたら誰でもできます。あとは相談者や依頼者に信頼してもらい、信頼関係を構築して事件と向き合っていかないといけません。ですので、悩んでいることや不安を払拭できるコミュニケーション能力というか、法律論だけできるスキルのみでは通用しないと思います。
 コミュニケーション能力とか人間力と言ってしまうと範囲が広くなってしまいますが、満足度でしたり、依頼者が精神的な問題で少し楽になったというのは、担当する弁護士によって変わるのではないかなと思います。

 私が法律家になって一番良かったなと感じる部分として、この業界は上下関係なしに依頼者のために、最大限の利益を追求するため、期が上の先生だろうが下の先生だろうが依頼者のために主張できることがメリットだと思います。勉強自体は私も苦労しましたけれど、しっかりと試験で求められていることに答えられる能力をつけていき、諦めずにやれば必ず合格できると思います。受験勉強中に合格後の先の仕事を考えながら勉強するのがモチベーションの向上に繋がったりすると思います。その辺を意識して勉強を頑張ってください。

弁護士法人リーガルプラス 船橋法律事務所

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