「自分にしかできない」と強く思える職業が弁護士。

笹原健太氏

村岡つばさ先生

経歴  2009年 鎌倉学園高等学校卒業
    2013年 早稲田大学法学部卒業
    2015年 慶應義塾大学法科大学院修了
    2016年 よつば総合法律事務所に入所
        




※先生の所属事務所等プロフィールは、取材時のものです。

村岡つばさ弁護士インタビュー動画 ~法律家を志す皆さんへ向けて~

 大したことないきっかけになってしまうかもしれないのですが、おそらく小学校4年生か5年生ぐらいのときに、テレビドラマで「ビギナー」というドラマがありまして、司法修習生の日々の生活などをテーマにしたドラマでした。弁護士の仕事について、ほぼ何も知らない状態だったのですが、そのドラマを見て、法律の持つ力といいますか、面白さを漫然と感じていたというのが一つあったと思います。自分の親からも「弁護士向いているのではないか」という言葉を真に受けて、進路選択の際、高校を卒業して大学に入るにあたって、どこの学部入ろうと考えたときに、そのときのことがふと蘇ってきて、やはり法律家になりたいなと思ったのがきっかけです。
 ドラマを見ていて、その当時は小学生ということもあり、法律自体は理解できていなかったのですが、一般民事と刑事の話がそのドラマの中で多く、傷ついた人とか、犯罪を起こした人などがどのように立ち直っていくかとか、法律がどういう手助けをするかというのが、ドラマを見て感じた部分がありましたので、そこはとても興味深かったです。
 具体的に法律を勉強したというのは大学に入学してからで、伊藤塾に入ったのは大学3年生になる頃でした。1.2年生の頃は学部の授業を聞いていたぐらいでしたので、本格的に法律を勉強したのは大学2年生の後半くらいからだったと思います。大学でのサークル活動が2年生の中旬ぐらいまでは結構忙しかったので、伊藤塾に入塾したのは、周りに比べると早くはなかったですね。1年半くらいの勉強で慶應大学法科大学院の既修コースに合格することができたのですが、大学に入ってから、それほど真面目に勉強はしてなく、1年生のときに必修科目の刑法と民法の単位を落としてしまいました。法律の学び方も全然わからない中で伊藤塾に入って、それを信じて勉強をしたというのが実際のところ良かったと思います。伊藤塾の講義以外に何をやっていいかも全くわからなかったので、ひたすら基礎マスターと論文マスターをやり、論証を頑張って覚えるということを繰り返しやっていました。よって、それ以外は手を広げませんでした。

 よつば総合法律事務所は今、弁護士が16名所属している事務所でして、柏と、この千葉事務所と東京の3拠点あります。千葉県内だと、たしか弁護士人数で2番目ぐらいに大きい事業所だったと思います。当事務所はいわゆる街弁と呼ばれるような業務が多く、中小企業の顧問対応であったり、交通事故であったり相続とか不動産とか借金問題など、そのような分野が特に注力している分野となっています。一般民事事件と企業法務の割合が55か、企業法務の方が若干多いくらいです。当事務所は人間関係がとても良く、代表の大澤に魅かれて入所した弁護士はとても多いです。その辺りの人間関係はとても大事だと考えていて、これまで対人関係でストレスを感じたことは一度もなく、そこはとても恵まれていると思います。やりたいことは何でもやらせてくれるし、何かをやらされるということもほぼないです。
 私は今、社会保険労務士としても登録していて、業務のメインが企業法務案件、特に労働分野を扱うことが多いのですが、それも元々、柏事務所に在籍する弁護士が社労士登録をしていて、私も興味があったので、代表にお願いして登録させて頂きました。

 取扱分野や事務所の規模によっても変わるとは思うので、とある街弁に所属する弁護士のやりがい、というような話にはなってしまうのですが、やはり依頼者と非常に距離が近いなというのが良さだとは思っています。
 案件が終了した後に、お客様から「ありがとう」「本当に依頼してよかった」というお話を頂けた際、涙が出そうになるほど嬉しいです。当事務所の場合、お客様アンケートを、ご依頼いただいたお客様に最後に書いて頂くのですが、今までご依頼いただいたお客様のアンケートは全て個人的にファイリングして、たまに読み返したりしています。やはり相性というのはお互いあると思いますし、結果の善し悪し、事案の筋とかもあるので、全ての依頼者様にご満足いただけるかわからないですけれども、少なくとも自分のやってきたことが間違いでなかったと改めて思い直せますね。 

 嬉しかったエピソードを紹介させて頂くと、過去に、ある少年事件を受けたことがありました。その子は浪人中にストレスが溜まってしまって良くないことをやってしまいました。親御さんも知ることになりましたし、本人もメンタル的に参ってしまった部分があったのですが、私が少年事件の代理人、付添人という形で入って事件が無事に終了した後、半年後ぐらいに、無事に第1志望の学校に受かったという報告をもらったときは、本当に嬉しかったですね。
 少年事件はとても難しく、普通の刑事事件とやはり違う点として、若いから色々な影響を受けやすいし流されやすい部分もあったりはして、本人の規範意識といいますか、罪の意識がどうしても薄くなってしまう部分があったりするので、いかに本人の内側まで入っていけるかというのは注意しました。あとは、やはり将来があるので、この事件を解決したから終わりというわけではなく、その子が将来、何十年に渡って自分と向き合っていかなければいけないので、そういうところのお手伝いとかもできたのかなと思っています。そこは嬉しかったです。

 相談の内容から、負け筋と思うような案件もありますが、相談者の方の中には、結果だけを必ずしも求めているわけではない方もいらっしゃったりします。こういう場合、「例えば法律家の見解からすると、ほぼ100%近く請求は認められず、費用だけかかって何も得られない可能性がある。それでもやりたいというなら最善を尽くします」といった話はよくします。法律家なので相場感とか裁判例などを踏まえて、ある程度見通しを立てることはそれほど難しくないと思うのですが、心が傷ついて助けを求めて弁護士事務所に来た人に対して、頭ごなしに「厳しいです」と言うことは失礼極まりないと思うので、まずは色々と話をし、本人の内心のつらい部分とか、事実関係も把握した上で、話をするようにはしています。 

 入所前、うちのパートナーの弁護士に「どういう人材が欲しいですか」と聞いた際、言われたのが、「ファンを作れる人が欲しい」という話をされました。今だとその意味がとてもよくわかって、要は、頭がいいとか法律を知っているといったことは、大前提としてあるのかもしれないのですが、結局は人と人とのやりとりであったり、感情労働とか感情商売などと言われたりするのですけど、人の気持ちに思いを寄せることができない人は良い法律家ではないと思うので、そういった部分で結果だけではなく、過程も含めてお客様に満足いただけて、ファンになっていただいた方から別のお客様をご紹介いただいたりとか、そういう弁護士はとても強い弁護士だと思いますね。

 先ほどのエピソードとも関連しますが、私は、伊藤塾に入っていなかったら、おそらく弁護士にはなれていなかったと思います。これから学習始められる方とか、今勉強している方は、何からやっていいのか、どれを信じてやっていいのかも最初の頃はわからないと思います。そういう中で大きな実績があって、周りの人もたくさん入塾している、そのことから伊藤塾さんに私も入ってそれを信じればいいという道筋ができたのは、弁護士になる上で、私は大きかったとは思います。もし伊藤塾に入らず、例えば独学でやろうとしたら、絶対に無理だったと思います。色々と市販本とか出ているとは思うのですが、それで対応できる人も中にはいると思います。ですが、私はおそらく性格的に向いてないと思うので、伊藤塾に入ってペース配分も含めてやって頂き、勉強できたのがよかったと思います。

 法律家に向いている人について、なかなか難しい質問ではあるのですが、私の考えでは「怒らない人」「勉強熱心な人」あとは「共感力が高い人」だと思っています。
 私の周囲にはいないのですが、弁護士として働く中で、どうしても驕ってしまう方なども中にはいると思います。それは社会的地位とかステータスがあって仕方ないことかもしれないのですが、常日頃思っているのが、別に弁護士だけが役に立つ仕事ではないということは言いたくて、人の役に立っていることが、わかりやすい職業ではあると思うのですけれども、全ての職業は何かしらの形で人の役に立っているので、何か弁護士だから特別とか、そのような発想を持つ人はあまり弁護士に向いていないのではないかなと個人的には思っています。
 あとは「勉強熱心」とか「共感力」に関しては、弁護士になってからもやはり勉強をすることになるので、土日など何処かに遊びに行きたいなと思いつつも、業務に関する本を読んだり、顧問先の業種に詳しくなるために本を読んだり、あるいは何か資格取ってみようとか、一生勉強をし続ける仕事だと思っています。たしか伊藤真先生が仰っていたのが「弁護士はゴールではなくて手段の一つだ」といったお話をされていたと思うのですが、本当にその通りだと思っていて、そこで手を止めてしまう人はもしかしたらその後苦労されるかもしれないですね。
 最後に「共感力」。やはりこれも事務所とか業務分野にもよるとは思うのですが、基本的には傷ついた人とか困っている企業さんを、どう良くしていくかというお手伝いをする仕事が多いとは思うので、そこでまず、気持ちや感情の部分に思いを寄せなくてはいけません。法律が詳しいだけでは意味がないとは思うので、人間力といいますか共感力は重要な部分だと考えています。これからの弁護士のあり方は差別化という意味において「共感力」といった部分はキーになってくるのではないかなと思いますね。

 弁護士という職業はとても良い仕事だと思っています。実際弁護士になってからこの職業に就いたことを後悔したことは一度もないですし、自分の天職だと私は思うほどです。それは何故かというと、自分にしかできない仕事だと強く思える部分が、この職業にはあるためです。私だからこういう解決ができた。他の弁護士だったらこうは解決していないだろうと、驕りかもしれないのですが、自分でそう思えるぐらいに熱を入れ、案件に取り組むことができるので、弁護士をしていないとできないこと、見えない景色というのは本当にたくさんあると思います。
 私の友人にも、弁護士になってみて、イメージとは違い、弁護士事務所に所属するのではなく、企業内弁護士として転職したり、起業の道に進む弁護士も中にはいるので、合っている、合っていない、向き不向きというのは弁護士になってみてから選ぶこともできると思います。
 悩まれている方は、まずは弁護士になってみるというのはいいのかもしれないです。弁護士はゴールではなく、あくまで資格の一つにすぎないと私は思っています。

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