経営者を支えたいという幼少期の思いから弁護士に

下平学先生

経歴  2015年 司法試験合格 (第70期)
    2021年 恵比寿パートナーズ法律事務所 開所







※先生の所属事務所等プロフィールは、取材時のものです。

下平学弁護士インタビュー動画 ~法律家を志す皆さんへ向けて~

 私の両親は自営業なのですが、経営者の孤独さとか社員に見せられない姿というのを家庭の中でずっと見て育ちました。こういう経営者に寄り添えるような存在が必要だなと小さい頃から考えていまして、それにぴったりな弁護士という職業があるのを知って弁護士を目指すようになりました。それは高校3年生とかの進路を考えるタイミングでした。勉強をスタートしたのは大学一年生の頃ですが、一生懸命さは足りなかったですね。大学では司法試験を受ける団体といいますか、学生団体のようなところに入ってそういった中で周りの友人が勉強しているのと一緒にやっていましたね。

 私は今年の3月に開業しまして、今やっている案件としては企業の労働問題を中心に顧問先の企業から派生するような労働事件が中心です。例えば請負代金が回収できないとか、不動産問題とか、社長個人の離婚とか相続とか幅広くやっております。
 元々経営者を支えたいというところから弁護士になりたいというのがありましたので、弁護士として就職する段階で経営者により身近に携われる分野がいいなということで、中小企業としては主に雇用トラブルに頭を悩ませる主なので、その観点からサポートしたいと思いました。
 開業するにあたって大変だったことは、一番は決断できるかどうかという事だと思います。勤務で経験を積むべきなのか、それとも収入を増やすために開業するべきなのかというのは皆さん分岐点としてあると思うのですが、私は以前の事務所で何でもやらせてもらえました。よって経験もかなり積ませてもらいましたし、そういった点でどうせ未知の問題というのは直面すると思うので、だったら開業してもいいのではないかという思いに至りました。
 開業するとなると、弁護業務をやりながら、ある意味営業的な要素も必要になってくるわけなので、どこかのタイミングで私としても経営者として自分で受注して、それを組織で回すというのをしたいなと考えています。


 弁護士の業務は一つの案件が解決するまでがとても長いです。なので、達成感を一番感じる時というのは良い方向で解決できて、依頼者に感謝された時が一番やりがいとして感じられる瞬間なのではないかなと思います。同時にいくつもの案件を抱えているわけなので、よくクライアントの方から「そんなに案件を抱えていてよく私のこと忘れないですね」みたいなことを言われますけども、それは一生懸命やれば当然情報っていうのも頭の中にストックはされていきますし、一生懸命やればやるほど覚えていられるということはあると思います。
 今交渉事件も含めて40件くらいはやっています。その40件は基本的には今顧問先の経営者の紹介とかが大きいです。一度その事件で担当した顧問先が次の方を紹介してくれて、またその方がさらに次を紹介してくれてという連鎖はありますね。
 一生懸命やってもらえたとお客様が満足して貰えれば、次の仕事につながっていくかなと思います。

 受験生時代に勉強した法律の考え方、条文の趣旨とかから解釈していくこと、これは初めて取り扱う分野もそうですし、判例がないような事件もそうですけど、やはり法的な思考力とかそういうものは伊藤塾で学んだものが大きかったと思います。

 私が思うに法律家は人の感情から発生するトラブルを処理して解決していくという仕事だと思うので、その感情と向き合える人が向いていると思います。粘り強く向き合える人が向いていると思います、人の話が聞けるとか、共感できるとか、そういったところでどれだけ依頼者が考えていることに自分の思考を近づけていけるのかというのが必要な能力かなと思います。依頼者の感情と向き合う際、見通しというのも説明しますし、もし判決になった場合に依頼者が思っているほど取れないかもしれないとか、そういうところは依頼者ときちんとコミュニケーションを取ってそこで認識の食い違いがないようにはしています。よって信頼関係を作り上げることが一番重要です。依頼者が思った通りいかないこともあるので、そう言ったときに「この先生にやってもらって良かった」という解決をしたいなと思っています。とにかく向き合って寄り添っていくことが大切なのですが、でもその寄り添い方もあまり感情移入しすぎてしまうとまずいので、その辺の線引きについて弁護士一年目の時に悩みました。自分のことのように悩んでしまうことがあり「どうにかしてあげたい」とお風呂に入っている時とかもずっとそのことを考えてしまう時があって、どこかのタイミングで自分のキャパをオーバーしたようなところで、依頼者を依頼者として、自分は自分の仕事としてきちんと区切りをつけるのが必要だなとは感じました。


 私は司法試験3回目で合格しました。その間に「もう司法試験やめよう」と思ったことが2度ほどありました。「いつまで続けていても受からないかもしれない」とか「もし受かったとしても弁護士って食えない」とか言われますし、「続けて良いものか」と思っていた時期もありました。けれど、諦めずに続けるというのが合格の秘訣かなと思います。今自分が弁護士になって開業してみて思うのは「弁護士になって良かった」と思いますし、「弁護士はまだまだ食えるな」とも思います。もし受験生で「自分は司法試験受からないかもしれない」と思った時も受かるまでやってみて下さい。

恵比寿パートナーズ法律事務所

■事務所プロフィール

〒150-0013
東京都渋谷区恵比寿4丁目20番3号恵比寿ガーデンプレイスタワー18階
03-5789-5520
【ホームページ】
https://ebisup-law.com