篠田匡志氏

弁護士に必要な力は「思いやる力」と「伝える力」。この2つを磨いて下さい。

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篠田匡志先生

経歴 立教大学法学部卒業
   慶應義塾大学法科大学院卒業
   金沢市にて総合法律事務所勤務
   春田法律事務所入所

※先生の所属事務所等プロフィールは、取材時のものです。

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毎日新鮮な気持ちでできる仕事。それが弁護士の魅力。

高校生ぐらいから弁護士になることは漠然とは考えてはいたのですが、大学に入ったら絶対法学部に入ってやろうという高い意識を持っていたわけではありませんでした。
私が弁護士になろうと思ったのは、サラリーマンとして働くイメージがもともと無かったからでした。一方で弁護士は結構自由に仕事ができるというイメージがあり、そのように働きたいなと思ってこの業界に飛び込みました。実際に弁護士になってみて、抱いていたイメージどおり自由に自分のやりたいことを実現できています。サラリーマンだと9時17時で毎日同じような形になるのだろうなと思うのですが、弁護士って毎日が違い、色々な仕事があるし、色々な人と会うし、色々な時間に働いて、また出張とかで様々な所にも行けると、そこが本当に仕事をしていて楽しいなと感じますね。毎日新鮮な気持ちで仕事をしております。とにかく飽きないです。ルーティンと呼ばれるものがありませんから。
弁護士は自分の裁量でやれる範囲が大きい分、自分で責任をとらなければならないことは多々あります。ですが、自分の判断でできることが多々あるので楽しくもあり、やりがいもとてもあります。

結果を出し、依頼者の信頼に繋げる

新人の弁護士の場合、依頼者とのやりとりは信頼関係も何もないところからスタートすることが殆どです。本当に様々なタイプの方がいらっしゃいます。関係をゼロから築いていくことになるので大変ではありますが、やりがいも大いにあります。仕事を通じて結果を出して、それを信頼に繋げる。そういったサイクルにやりがいを感じます。

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コミュニケーション能力とは「思いやる力」と「伝える力」

弁護士に必要な能力としてコミュニケーション能力は重要だと考えます。この力は人によって捉え方が異なるとは思うのですが、学生ですと「人付き合いが良い」とか「活発である」とか「話がうまい」とか、そのように捉える方が多いとは思うのですが、実際実務に就いてみて分かったのは、コミュニケーション能力とは「思いやる力」ですね。この力は依頼者がどう感じているのか、相手の立場になって考えてみるということです。まさに想像力だと思います。あと、「伝える力」もコミュニケーション能力だと思います。この力がどこで活きるかというと、受験勉強をしていると、どうしても自分の知っている事を答案に書こうとしてしまいがちですよね。受験生レベルではそれでも良かったのですが、実際実務に入ってみると伝える力は受験生のように自分の知っていることを答弁書に書くというだけでは全く通用しません。裁判官に何とか読んでもらい、「あっ、なるほどな」と裁判官に思わせ、説得する力が大切だと思います。そのような意味でコミュニケーション能力は非常に重要だなと思いますね。

相手の立場になって想像することが大切

思いやる力を磨くことは勉強に限らず色々なところでできると思います。これをしたら相手はどう思うのだろうかとか、それを毎日繰り返しやってみることが重要かなと思います。受験生は勉強に時間を割きがちで、一人の時間が多くなることが結構あると思います。下手したら一日誰とも話をしないということもあると思います。ですが、法律家になろうと考える人であるならば、どんどん人と接点を持つということがとても大切なんじゃないかなと思います。会って人と話をし、表情を観て、相手が何を考えているのか相手の立場になって想像することがとても大切です。 「伝える力」としては、受験生の場合ですと答案に自分の知っていることを書くのに精一杯だとは思うのですが、余裕ある人は色々な人に自分の答案を見てもらって、自分の答案が伝わっているかどうか確認してみることが重要です。ようするに客観的に自分を見るということです。そのような訓練をしていくと「思いやる力」と「伝える力」は磨かれていくのではないかと思います。実務に出た後は、自分の書いていることが正確に相手に伝わっているかという点は非常に大切なことなので。

篠田匡志氏

まだまだ拡がる仕事の領域

今は弁護士の数が増え、仕事の量に対して不安を感じる方もいるかもしれませんが、訴訟だけでなく法律サービスがとても身近なものになってきていると感じています。ようは一般市民と法律の距離が間違いなく近くなっているということです。法律相談とか昔からみると考えられないほど増えていますし、一般市民の感情としても気軽にアクセスできるようにもなりつつあります。また、弁護士が増えている環境下があって、弁護士会が何とかニーズを掘り起こそうと努力してくれているので、それも後押ししてくれているのだと思います。そのような意味ではこれから更に仕事の拡がりを見せるのではないでしょうか。
実績のある先生は顧問とかで自分の事務所を運営していけると思いますが、若手は顧問もなければ顧客もいない状況で、1から自分が食べていくための仕事をこなさなければならないため初めのうちは大変です。ですが、一つ一つの案件を丁寧にやっていくことで実績が積まれていき、結果になります。そして営業という意味では色々な分野を開拓していくことも大切なのかなと。まだまだこういう法律サービスがあるのではないかと模索することも大切だと思います。

これから法曹を目指そうとする方へ

弁護士は自由な業態である点は昔も今も変わっていません。色々な人と出会えますし、様々な場所にも行き経験を積むことができます。そして弱者のために盾になって戦うといったイメージは昔も今も変わっていません。やりがいという意味では他のどんな仕事よりもある点が弁護士の仕事の魅力だと思います。
そして、勉強をスタートしたら仲間をたくさん作ってください。たくさん答案を書いて、たくさん答案を見せ合ってください。自分の書いた答案が仲間に伝わっていなかったらその答案は0点です。そこがとにかく重要です。伝わらなかったら意味がありません。独りよがりにならないで、そのような訓練を心掛けてください。

篠田匡志氏

春田法律事務所

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