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人生をリセットし初心に立ち返り、働きながら司法試験にチャレンジ

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鴨下智法先生

経歴 
千葉大学法経学部法学科卒業
あさひ銀行(現りそな銀行)等の民間企業勤務
平成26年 弁護士登録
本八幡朝陽法律事務所開設

※先生の所属事務所等プロフィールは、取材時のものです。

働きながら勉強をしていくポイントは職場の協力

大学生の頃すでに、法律家の仕事というのは意識していました。ですが、大学に入学してからは遊んでしまい、法律家になる夢は吹っ飛んでしまいました。部活を中心に学生生活を送りましたので忘れてしまいました。その後、銀行員として働いていたのですが、直接のきっかけといったら自分自身の離婚かもしれないです。離婚をきっかけに、銀行を辞め、町工場で働いたりしていたのですが、その時に人生をリセットし、初心に立ち返って何をやりたいのかを考える時間がありました。遡ると、私の名前に法律の字が入っていますが、父親も司法試験を志していたということもあり、もしかすると名前にはそういう思いを込めているのかもしれません。そういうことも頭の奥底にはあり、一からやり直して何を自分の仕事にしようかなと30代ぐらいの頃に思ったときに、弁護士をやろうというか、司法試験にチャレンジしようと思ったのが始まりです。文系の最高峰に位置づけられる司法試験に積極果敢にチャレンジすることに踏み切れた理由の一つとして、伊藤塾の在宅校の存在が大きかったと思います。私は仕事を続けながら勉強をしなければなりませんでしたので、伊藤塾の在宅校というバックアップして頂ける存在は大きかったです。
働きながら勉強していくためのポイントは職場の協力でした。具体的に言うと、そもそも残業のある職場でしたら、その残業を断らなきゃいけないかもしれないですし、あとここに出張に行ってくれっていうのと受験日がかぶった場合は断らなければなりません。私は知り合いの伝手で入ったっていうこともあり、社長の鶴の一声で融通が利いた会社でしたので、そこに苦労はありませんでした。その点は会社にとても感謝しています。

「身近な町の相談所」でありたい

司法試験に合格した後は1年半、千葉県の千葉地裁八日市場支部の館内にある、一人事務所の二人目としてイソ弁で入りました。そしてその後、今の事務所をこの場所で開設いたしました。私の事務所のキャッチフレーズは「身近な町の相談所」です。できれば地元の商店さん、あとは個人さんが、ちょっとしたことで事務所に話をしに来てくれるような、敷居の低い事務所でありたいと考えています。
今まで取り扱った大きな案件ですが、弁護士登録当時って、刑事事件の件数のほうが多かったのですが、刑事事件をきっかけに、民事の方の大きな話につながることということもありました。具体的には30億円くらいのM&Aの案件に関わらせて頂きました。地元の酔っ払った末の喧嘩という刑事事件がきっかけで、その刑事事件に熱心に関わり、その人が再就職した先が、企業買収を考えていたという案件でした。東京で弁護士を頼んだらとても高くて、もう少し融通が利く弁護士がいないのかとなった時に弊所を見つけて頂きました。この例と同じように、ある覚せい剤の事件で関わってあげた依頼人の親族の破産の事件をやりましたが、破産の一歩手前で資産の売却をしたのですが、それも1億を超える売却の金額になって、弁護士の報酬としてはその年では1番大きいくらいの金額になりました。もちろんこれは結果論でしかないのですが、どこでどういう相談が転がっているかわからないということを実感しました。

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社会貢献活動の楽しさ

一方でお金にならない仕事も多々あります。ですが、そういう仕事をやりたくて弁護士になっているところもあるので、よりたくさんの人の役に立てるといいなと考えています。千葉県のベテランの弁護士が立ち上げたNPOがありまして、そこが子供のいじめの問題とか、少年非行の問題とかを熱心に取り組んでいます。そういった伝手もあって、母校のいじめ対策委員会にも入れてもらいましたし、今流山の重大事案の調査の補助委員のようなところにも声をかけてもらい担当しています。あとは先ほどのNPO全体で、月に一回、八街少年院で、子供たちに授業をやっています。言葉で言えば社会貢献活動とか言いますけど、私としては、面白くてやっているというか。そういう仕事が楽しくて弁護士という仕事をやっています。
私は事務所を経営しておりますので、いまお伝えしたような私の思いと、事務所の利益を出していかなければいけないバランスは大切だと考えています。ですが、そこは他の業界と違って、とりわけ銀行で色々な業界を見てきましたが、弁護士の業界はとても恵まれています。今東京の弁護士さんはどうであるか分かりませんが、千葉でしたら、休まずにサボらずに働けば、食うに困らない収入はきます。今年から被疑者国選が拡大されているのですが、その影響もあり国選の数も倍くらいになるし、弁護士とか自治体の相談会の件数も我々に年にどうやっても5,6回くらいまわってきます。ですので、まじめに働いてさえいれば、事務所の経費と自分の最低限の食費を賄うくらいは十分に確保できます。だから、社会貢献活動の方でお金を取らなくても、十分にやっていけます。しかもそれって、企業努力とかをそんなにやらなくても、休まず働くという最低限のところだけやっていれば収入を確保することができます。人によるとそうじゃないかもしれませんが、私から見る弁護士業界は、休まずやれば仕事はあるでしょ、という業界にしか見えません。
弁護士として必要とされる能力は勉強を続ける力です。私は勉強を続ける力がないので、自戒の念をこめて言っています。千葉県の中でも確固たる地位というか、人望もあるっていう事務所の先生は、今でも判例時報を読んで新しい判例を見て、というふうに勉強しています。先生によっては勉強会を開き、定期的に情報の更新に努めています。そういうことをやり続けないといけないので、ここまで勉強したらいいやっていう感覚の弁護士は、なかなか厳しいと思います。自分も将来はそこで苦労しそうな気がします。

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私の夢とこれから法律家を目指す社会人の方へのメッセージ

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私のこれからの夢や目標ですが、抽象的過ぎて申し訳ないのですが、ここら辺のエリアのトラブルや揉め事のほとんどのものが耳に入ってくるような、そういう人間でありたいと考えています。それに自分が関わるか関わらないかはともかく、そういう話を誰かしらが持ってきてくれるような頼られる弁護士になりたいですね。
スポーツと違って、時間をかければ必ず成果が上がっていく種類の仕事ですし、試験だと思います。ですので、かけたコストは必ず回収できると私は思っています。社会人の方が目指す業界としては、決して割りの悪い業界じゃないことを私は確信しています。時間さえかければ必ず受かる試験ですし、そういう意味では、才能を求められる他のジャンルとはちょっと違うかなと感じています。

本八幡朝陽法律事務所

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